48 / 105
1話 見知らぬ男
しおりを挟む
父・正吾の訃報に、竜也はとりあえず身の回りのものをかき集めて、朋のマンションに走った。
正吾から注がれていた愛を知った、朋。
そして、その正吾をいつしか愛していたことを知った、朋。
そんな彼が、この訃報に正気でいられるはずがない、と考えたからだ。
案の定、マンションの朋はソファに深く腰掛け、うなだれていた。
「朋!」
「竜也さん……」
正吾の死は、SNSで知ったのだ、と朋は言った。
誰が公表したのか知らないが、気の早いことだ。
「正吾さんが、本当に死んでしまいました……!」
「朋。人は誰でも、いつかは死ぬんだよ。特別なことじゃないんだ」
「イヤです。竜也さんは、死んじゃダメ……」
どんどん弱弱しくなっていく、朋の声だ。
竜也は、その小さな体を抱きしめた。
「私は、生きてるから。朋の傍に、今こうしているから」
「絶対。絶対、ですよ……」
そうやって二人で抱き合い、悲しみを分かち合っている時、竜也のスマホが鳴った。
正吾から注がれていた愛を知った、朋。
そして、その正吾をいつしか愛していたことを知った、朋。
そんな彼が、この訃報に正気でいられるはずがない、と考えたからだ。
案の定、マンションの朋はソファに深く腰掛け、うなだれていた。
「朋!」
「竜也さん……」
正吾の死は、SNSで知ったのだ、と朋は言った。
誰が公表したのか知らないが、気の早いことだ。
「正吾さんが、本当に死んでしまいました……!」
「朋。人は誰でも、いつかは死ぬんだよ。特別なことじゃないんだ」
「イヤです。竜也さんは、死んじゃダメ……」
どんどん弱弱しくなっていく、朋の声だ。
竜也は、その小さな体を抱きしめた。
「私は、生きてるから。朋の傍に、今こうしているから」
「絶対。絶対、ですよ……」
そうやって二人で抱き合い、悲しみを分かち合っている時、竜也のスマホが鳴った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる