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しおりを挟む倫は、18歳の少年だ。
個人経営の商店を営んでいる父を、早く手伝いたいと、商業高校へと進んだ。
規模は小さいが、地域に根差した代々の店を、父は誇りに思っていたし、倫もそんな父を尊敬していた。
しかし、倫が高校に入学した年に、付近に大きな総合スーパーがオープンしたのだ。
父の店は、たちまちのうちに客を奪われ、苦境に立たされた。
「あちらさんは品数も多いし、駐車場も広い。うちは、いつまで持つかな……」
「父さん。僕が卒業したら、一緒に働くから。だから、頑張ろうよ」
父は借金までして経営を続けていたが、無理は心身を蝕み、突然その命を奪った。
倫が、16歳の時だった。
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