95 / 180
2
しおりを挟む「いつもの倫でいてくれればいいんだ。難しく考えることは、ない」
「はい。ありがとうございます」
そしてそのまま、怜士はその手で倫の頬に触れた。
顔を寄せ、口づけを交わすと、倫の体は敏感にアルコールの芳香を感じ取った。
怜士に残る、美酒の味わい。
「僕、酔っちゃいそうです……」
「それは困るな。明日は一日、光希と一緒なんだ」
今夜は、ゆるりと過ごそう。
そう言って怜士は、隣のバスルームへと倫をいざなった。
脱衣室でスーツを解く怜士の隣で、倫はどぎまぎと落ち着かない。
「あの、怜士さま? まさか、僕も一緒に……?」
「そうだとも。さ、君も準備をして」
「でも! 二人でバスを使うと、狭いですよ!? 良かったら、怜士さん一人でゆっくりと……」
「大丈夫。それに、私は少々酔っているんだ。バスで転倒しないか、見張っていて欲しい」
もっともらしい理屈をこねて、怜士は倫を素裸にすると浴室へと押し込んでしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
76
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる