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しおりを挟む迎えに来た車に乗り込み、怜士は倫の今後について尋ねた。
「ご両親。特に、お母様は倫に早く帰ってきて欲しいと願っておいでだが。いつ、私の屋敷を発つ?」
「荷物は多くないので、問題無いんですけど。やっぱりお世話になった方へのご挨拶は、きちんとしたいと思います」
「そうだな。和生か?」
「和生さんは、もちろんですが。ハーブガーデンで、一緒に働いた人たちとか。あと、虎太郎さんも」
丈士さまや、彩華さま。
そして、光希くんにも。
「本当に、短いお付き合いでした。でも皆さんは、僕にかけがえのない体験や、喜びをくださいました」
しみじみと、しかし明るい声でそう語る倫の手を、怜士はそっと握った。
「倫」
「はい、怜士さま」
「えっと……」
「……はい?」
顔を上げると倫は、そこに初めてうかがう表情の怜士を見た。
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