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しおりを挟む「外山さんの言う通りに、刺青はしていないけど。そのうち、何かの節目に入れることになるかもな」
「僕は、何だか嫌だな。誠さんが、タトゥーを入れるの」
そうすると、僕の手の届かない遠くへ行ってしまうような気がする。
優しい誠さんが、怖くなってしまうような気がする。
「露希が嫌なら、一緒にいる間は入れないよ。」
「本当? ありがとう!」
安心したようにパフェをぱくつく露希を見ながら、誠の胸はきりきりと痛んだ。
(あと20日切ってるんだよ。君と一緒に、こうしていられる日々は)
月末には、上納金を収めなければならない。
その時に、露希は外山の手を経て組長のものになる。
(親父さん、喜ぶだろうか)
喜ぶだろうな、と誠は額を押さえた。
露希は、可愛い。
見た目だけでなく、その内面も素直で綺麗だ。
その上、抜群のセックステクニックと極上の名器の持ち主だ。
組長が、喜ばないはずがない。
「誠さん、どうしたの?」
「あ、いや。何でもない」
露希に付き合って頼んだパフェは、半ば溶けてしまっていた。
自分の心も、ぐずぐずに溶けて壊れてしまいそうだった。
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