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 誠は、露希に惹かれていた。
 日を追うごとに、どんどん惹かれていっていた。
 庇護する立場からの、錯覚だと思っていたが。
 思い込もうとしていたが。
 共に過ごした20日間、いくつもの思い出を作ったのは露希だけではなかった。
 誠もまた、露希から多くの思い出をもらっていたのだ。
 植物園へ、行った。
 ドライブにも、行った。
 花火を観て、農場を訪れ、絵付けも体験した。
 楽しそうな笑顔、ふと見せる拗ねた横顔。
 幼い仕草かと思えば、大人顔負けの色気を醸す。
 ずっと、露希を見ていたい。
 ずっと、傍に居たい。
(これが、恋というものか)
 誠は、露希に恋をしてしまっていた。

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