期限付きの恋なんて!

大波小波

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「参ったな……」
 宇実は、自宅で肩を落としていた。
 カフェのすぐ近くだから、と立ち寄って見せてもらった要のマンションは、この街で一番高価な建築だった。
「かたや僕は、こんなに小さな安アパート」
 僕だって社長の息子だ、と語ったこの口が恨めしい。
 父と住んでいた住宅は、会社が経営難に陥った時に売ってしまった。
 伯父が一緒に住もう、と声を掛けてはくれたが、宇実は一人暮らしを決めた。
 要と同じく、自立心を養うためだ。
 そして、その生活にも、もう慣れたと思っていたが……。
「どうしてだろう。何だかすごく、寂しいよ」
 要と別れて一人になると、急に孤独感を覚えた。
 狭いはずのアパートが、やけに広く感じる。
 いや、この宇宙にたった一人になってしまったような。
「要さん」
 孤独の恐怖から逃れるために、宇実は別れたばかりの人の名を、声に出して呼んだ。
 要さん、ともう一度つぶやき、脚の細いベッドに倒れ込んだ。
「ああ、もう。僕、おかしいよ……」
 そして、そのまま眠ってしまった。

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