愛しているかもしれない 傷心富豪アルファ×ずぶ濡れ家出オメガ ~君の心に降る雨も、いつかは必ず上がる~

大波小波

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『ここは……僕の家?』

 藍は、夢を見ていた。
 忌まわしい記憶しかない、怖い家。

『いけない。早く逃げなきゃ』

 でないと、あの人がやってくる。
 怖い、あの人が。
 だが、遅かった。
 いつの間にか、その男は藍の前に立ちふさがっていた。

『どこへ行く気だ?』
『雅貴さんの、お屋敷です』

 必死の答えに、男は鼻で笑う。

『お前は、どこにも逃げられないんだよ』

 そして、藍の手首を強くつかんだ。

『来い』
『やめて、離して!』
『大人しくしろ!』

 頬を張られた勢いで、藍は湿っぽい布団に倒れ込んだ。
 万年床で、時々酒がこぼされることのある、すえた布団。
 男は、藍の服を無理に脱がせていった。

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