愛しているかもしれない 傷心富豪アルファ×ずぶ濡れ家出オメガ ~君の心に降る雨も、いつかは必ず上がる~

大波小波

文字の大きさ
77 / 111

6


「雅貴さんは、純粋な人なんです。だました人たちが、悪いんです」
「藍くん」
「あんまり自分を、責めないでください。自分を、嫌わないでください」
「泣かないでくれ」
 嗚咽まで洩らしながら、藍は雅貴に訴えた。
「可哀想な、雅貴さん……」

 ああ、そうか。
 私は、この言葉が欲しかったんだな。

『可哀想な、雅貴さん』

 見事にだまされた雅貴を両親はひどく叱り、周囲は嘲った。
 憐みの声はあったが、社交界では刺激的な噂話の種でしかなかった。
 誰一人として、雅貴を可哀想だと擁護してはくれなかったのだ。

「ありがとう、藍くん」
「う、うぅっ」
「コーヒーが冷めてしまう。飲んで、屋敷へ帰ろう」
「はい……」
 苦いコーヒーが、さらに苦く感じられる、雅貴の過去だった。

感想 0

あなたにおすすめの小説

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。 ※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【完結】恋人になりたかった

ivy
BL
初めてのキスは、 すべてが始まった合図だと思っていた。 優しい大地と過ごす時間は、 律にとって特別で、 手放したくないものになっていく。 けれど……

聖獣は黒髪の青年に愛を誓う

午後野つばな
BL
稀覯本店で働くセスは、孤独な日々を送っていた。 ある日、鳥に襲われていた仔犬を助け、アシュリーと名づける。 だが、アシュリーただの犬ではなく、稀少とされる獣人の子どもだった。 全身で自分への愛情を表現するアシュリーとの日々は、灰色だったセスの日々を変える。 やがてトーマスと名乗る旅人の出現をきっかけに、アシュリーは美しい青年の姿へと変化するが……。