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誰からともなく拍手が湧き上がり、口々に二人を祝う言葉が紡がれた。
「素敵ですわ。お二人とも、末永くお幸せに」
「愛あればこそ、ですな」
「お似合いでございますよ、とても」
ありがとうございます、と雅貴は微笑み、藍の肩を抱いた。
「藍、皆さんが祝福してくださったよ」
「雅貴さん、僕……」
藍は、涙をこらえて笑った。
晴れやかな雅貴の笑顔に、涙は不要と思ったのだ。
「雅貴さんの心に振る雨も、上がったんですね」
「そうだな。うん、そうだよ」
実莉と子安に裏切られた悲しみも、社交界が嘲笑った屈辱も、全て藍の笑顔に流された。
雨雲は、晴れたのだ。
そして自分が誓ったように、藍もまた、再び雨が降り始めれば私の傘になってくれるに違いない。
「さあ、皆さん。どうぞ心ゆくまで、お楽しみください。名月を、愛でてください」
雅貴の挨拶は終わり、それぞれが歓談や食事を始めた。
「藍も。ディナーを美味しくいただこう」
「はい、雅貴さん。そして、お月様を観ましょう」
「どちらかと言えば、私は藍を愛でていたいところだけどね」
笑い合い、二人でグラスを合わせた。
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