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しおりを挟む大輝は別に、貧しいわけではない。
いや、それどころか、裕福だ。
彼は、代々政治家を輩出している、名士の家の出だ。
父親は弁護士、母親は政治家。
資産価値の高い不動産も持っている、富裕層。
「俺だって、1億くらいの資金は自由に動かせるんだぜ」
「え!? ウソ!」
だのに、どうしてこんなにケチなのか!?
(そんなに、お金あるなら! もっと私に貢いでよ、もう!)
驚いたり、不思議がったりする美咲をよそに、大輝は考えを巡らせていた。
「この1億、倍にしてみせる」
それにはまず、あの成金・長谷川を、その気にさせる必要がある。
「美咲。今夜のディナー、長谷川を同席させたい。あいつを、誘い出してくれ」
「何で? お友達になりたい、とかぁ?」
「奴から、金を奪い取ってやる。いい方法が、あるんだ」
「えぇ~!? 犯罪とか、やめてよね」
露骨に嫌そうな顔をする美咲に、大輝は鼻で笑った。
「ふふん。正々堂々と、勝負するさ。男らしく、一騎打ちだ」
「まさか、殴り合い?」
「違うよ。もっとスマートな、紳士の対戦だ」
「えへへ! 面白くなってきちゃったぁ!」
大輝が何を思いついたか解らないが、美咲は胸を躍らせた。
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