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しおりを挟む徹宅にもう一つ設けられたバスルームで、樹里は体を流し髪を洗った。
「恥ずかしい……」
思い返すと、顔が赤くなった。
素裸で身を絡ませ合い、性器を擦り付け合って。
そして……。
「僕だけ、イッちゃうなんて!」
僕は、綾瀬さんに尽くすために、今ここに居るというのに!
「でも……」
でも、あんなに優しいプレイは、初めて。
いつも、前戯も無しに貫かれていた弟とのセックスとは、大違いだ。
シャワーで流して清めてくれた、徹の優しさを噛みしめた。
そのまま無理に、行為を続けなかった、彼の優しさを抱きしめた。
「やっぱり、好き。徹さん……」
好き?
自然に浮かび上がった言葉に、樹里は首を横に振った。
「ダメだよ。あの人は、憧れ! 僕の、ボス。雇い主!」
バスタブから勢いよく上がり、樹里は慌ただしく入浴を終えた。
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