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しおりを挟む樹里のチョイスに、徹は苦笑いした。
アルコール度数の低い、アイスシードルの瓶が、そこにはあったのだ。
「酒に弱い客のためにと、買っておいたものだが……」
そしてグラスは、小さな小さなショットグラスなのだ。
度数の低い酒を、さらにちょっぴりしか飲ませてもらえないとは。
「寝酒は飲み過ぎると、かえって良くない、と聞いたことがありますので」
「解ったよ。今度は、私の負けだ」
喉で笑いながら、徹は切ない寝酒を飲んだ。
「この家にある書籍やパソコンは自由に使っていいから、樹里くんはいろいろと勉強するといい」
「はい。ありがとうございます」
徹の苦笑いに、自分が何か失敗したらしいことは、樹里にも想像がついた。
(お酒の勉強、しなきゃ)
それと、コーヒーを美味しく淹れる勉強も。
そして……。
(エッチのやり方も、かな)
ショットグラスを干した徹は、樹里の肩に腕を回した。
「さて、初夜といこうか」
「……はい」
解っていても、声が小さくなる。
顔が火照り、身がすくむ。
着なれないバスローブの裾をきゅっと掴むと、樹里は徹にいざなわれて寝室へ入って行った。
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