両片思いのI LOVE YOU

大波小波

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 もう少しでショッピングモールを抜ける、という所で大きな声が響いていた。
 よく通る、しかしうるさいとは思わない、澄んだ声だ。
 アルトよりやや低めなので、男性かと思われた。
 まだ成熟しきっていない、若い声。
 その声のする方へ、寿士の足はひとりでに向いていった。
「ケーキはいかがですか!? クリスマスケーキは、いかがですかぁ!」
 声は、クリスマスケーキの売り子のものだった。
 洋菓子店の前に出された仮設の売り台の上には、5個ほどの大きな箱が積んである。
 しかし、もう21時になろうというのだ。
 この時刻では、売れないだろう。
 寿士がその横を通り過ぎる時、売り子のコスプレサンタに声を掛けられた。
「ケーキは、いかがですか?」
 興味なさげにちらりと見たが、そのサンタには気を引かれた。
(ミニスカサンタだ)
 この寒いのに肩を出し、ミニスカートを履いたその姿。
 露出が大きいので、その体の線も見て取れる。
 サンタは、細く、薄い華奢な体つきをしていた。
 おそらく、まだ10代だろう。
「君、男の子?」
「あ、はい……」
「何で、ミニスカなの?」
「店長が、これしかないから、って」
 店長グッジョブ、と思いながら、寿士はこのミニスカサンタと会話を始めた。

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