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しおりを挟む午後4時過ぎ。
玄関から、物音が聞こえて来た。
「あ、寿士さん帰って来た」
お出迎えくらいしようかと動いた瑠衣を待っていたのは、寿士ともう一人、見知らぬ人物だった。
「ただいま」
「おじゃまします」
寿士と同い年くらいの、黒髪の男性。
白いコートをふわりと纏った、綺麗な顔立ちの人。
大人びた印象を受ける、美しい青年だった。
(誰、この人。寿士さんの、お友達?)
「瑠衣、こいつは宮迫 陽詩(みやさこ ひなた)。俺の、新しい恋人」
「ええええっ!?」
よろしく、と言いながらも、陽詩は瑠衣を値踏みしている。
(明らかに、年下だよね。寿士さんの、弟?)
「陽詩、こっちは相沢 瑠衣。俺の、愛人」
「えっ!?」
瑠衣と陽詩、二人で互いを見たり寿士を見たりしていたが、らちが明かない。
(よろしくお願いします、って言うのも変だよね)
(年下の愛人!? しかも、同棲!?)
そこへ呑気な寿士の声が上がった。
「陽詩、こっち来いよ。とりあえず、エッチしてみよう」
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