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しおりを挟む武田は、瑠衣にタロットカードを触れさせて、占いを始めた。
「お名前を、フルネームで聞かせてくださる?」
「相沢 瑠衣です」
「お相手の名前は?」
「楠 寿士です」
その後、生年月日や初めて出会った場所や日時などを尋ねながら、武田はカードを混ぜ続けた。
「では、占います」
しっかりシャッフルされたカードをまとめて手に持ち、一枚一枚テーブルへ並べてゆく武田。
いつしか瑠衣は、その手先に見入っていた。
(相性最悪、とか言われたらどうしよう)
カードを並べた後、武田はそれらを一枚ずつめくっていった。
太陽に、星。魔術師に、世界に、運命の輪……。
全てを開いた後、武田は瑠衣にカードの示す意味と、それが導く二人の関係を教えてくれた。
そしてそれらは、まるで過去を覗いてきたかのように、ぴたりと的中している。
さすがは、評判の占い師だ。
瑠衣は、どんどん武田の言葉にのめり込んでいった。
(すごい。当たってる)
「……そして気になるあなた方の相性と、未来なのだけれど」
「はい」
「相性は、抜群にいいはずよ。未来も希望に満ちているわ」
「ホントですか!?」
「ただ……」
「ただ?」
瑠衣は、大きく身を乗り出した。
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