両片思いのI LOVE YOU

大波小波

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「8時30分、かぁ……」
 夜、やはり寿士は遅かった。
 リビングのテーブルには、花瓶に活けた可愛いガーベラ。
 とっておきの、ジノリの食器。
 そして、瑠衣の作ったガナッシュチョコケーキが、箱に眠っておいてある。
 瑠衣がソファでうとうとしかけた時、玄関のドアが開く音がした。
「ただいま」
「寿士さん!」
 瑠衣は跳ね起き、子犬のように駆けて玄関へ出た。
「おかえりなさい! 待ってたよ!」
「何で?」
 いいからいいから、と瑠衣は寿士の手を引いて、リビングへ連れて行った。
 テーブルの仕度を見て、寿士は眼を円くした。
「何、これ。どうしたの」
「座って。はい、プレゼント!」
「プレゼント?」
「バレンタインデーだよ!」
 ああ、と寿士はうなずいた。

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