92 / 146
10
しおりを挟むこれは、何だろう。
(やけに小さいよね)
上質紙でできた箱の中からさらに、滑らかなベルベットに覆われた箱が出て来た。
開けると、中にはプラチナの指輪が光っていた。
シンプルだが、粒のそろったグレードの高いダイヤモンドで飾られ、高級感がある。
それは光を受けてきらきらと、瑠衣の目を、心を喜ばせた。
「きれい……」
「着けてみてよ」
うん、と瑠衣は中指にそれをはめようとした。
「違う、こっち」
寿士は指輪を瑠衣から取り上げ、彼の左手を取った。
そして、その薬指にそっとはめた。
「ひ、寿士さん?」
「うん、ぴったり」
いいのかな。
僕、寿士さんからの指輪、薬指に着ける資格、あるのかな。
寿士は、何も言わずに瑠衣を抱き寄せ、優しいキスをした。
髪を撫で、肩を撫でた。
その薬指にも、お揃いのリングが光っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
237
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる