両片思いのI LOVE YOU

大波小波

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1 この身体も、その心も。

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「ね、一人? 誰か、待ってるの?」
 見知らぬ男が、瑠衣に話しかけて来た。
「うん、待ってるの。婚約者」
 そう言って、瑠衣は薬指のリングをかざして見せた。
「あ~、そうなんだ」
 男は、去って行った。
 ふぅ、と瑠衣は溜息をついた。
 ナンパされるのは、これで4回目だ
「寿士さん、遅いな」
 いや、瑠衣が早すぎるのだが。
 待ち合わせの30分前に、瑠衣は市街地に来ていた。

『ミスズの銅像前で、5時に待ち合わせ。俺も、用が済んだらすぐ行くから』

 今日は二人で、瑠衣のスーツを買いに行く事になっている。
 春休み最後の日曜日に、寿士は瑠衣を両親に会わせる約束をもぎ取った。

『そのうち紹介する、とか言ってたが。紹介するまでもない、捨てなさい!』

 あんなことを口走った父親にしてみれば、折れた形だ。
 寿士は、賭けに出た。

『スーツ姿でビシッと決めて行けば、父さんも頷くと思うんだ』

 まずは、ルックスで勝負。
 そんないきさつがあって、瑠衣は寿士を待っていた。

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