よろず探偵事務所はじめました! ~またはオジサン狼男とネコ少年が最強タッグを組むにいたるまで!~

大波小波

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2話 仲間に

 バスを終えた健を待っていたのは、温かなミルクティーだった。
「僕がお風呂から上がるまで、これで温まっていてください」
「ありがとう。でも、このままソファで寝ちゃうかもよ?」
 それでもいい、と言い残し、未悠はバスルームに入って行った。
 紅茶は、茶葉から淹れた本格的な味がした。
「私もたいがい怪しいけど、あの子も秘密の匂いがするな」
 ソファでミルクティーを味わいながら、健はあたりを見渡した。
 天井が高く、空間を贅沢に取った、豪勢な造りのマンション。
「こんな高級マンションに、一人で住んでるのか?」
 一体、なぜ。
 身の上を細かく尋ねる気はなかったが、何か引っかかる。
「気にしてる? 私が、あの子を?」
 見たところ、まだ10代の少年だが……。
 いや、そんな子をいちいち気に掛けていては、今抱えている仕事が進まない
 健はバイセクシャルだが、彼の恋愛対象にも、入らない。
「まぁ、なるようになるさ」
 お茶を飲み干すころに、未悠はバスを終えて戻って来た。
「あ、眠ってなかったんですね」
「嬉しそうな口ぶりだな」
「できれば、起きてて欲しかったから……」
 急いで髪を乾かした未悠は、健を寝室へ連れて行った。
 そこには、大きなベッドが一つ。
 健は、途端に落ち着かなくなってきた。



「まさか、このベッドに二人で?」
「そうですよ。いけませんか?」
「いや、待って。待ってよ、未悠くん」
 健は未悠の肩に、手を置いた。
「君は、まだ若い。もっと自分を、大切にした方がいい」
「え?」
「行きずりの男と、寝るなんて。親御さんが知ったら、悲しむぞ」
 それにはすぐに答えず、未悠は健の手を引いてベッドに上がった。
「僕、両親はいませんから」
 2年ほど前に、亡くなった。
「交通事故で、二人一度に。一瞬にして僕は孤児になりました」
「そうだったのか。すまない」
「伯父が面倒を見てくれることになったんですが、このマンションに独り住まいです」
「マンションは、伯父さんが買ってくれたのか?」
「はい。でも伯父は、僕を嫌っていて。それでほとんど会いません」
 嫌い、だなんて。
 こんなに可愛らしくて気立てのいい子を、嫌う人間がいるのか?
 健の疑問は、もっともだった。
 サラサラの栗色の髪に、白い肌。
 形よく整った目鼻立ちは、その配列も黄金比だ。
 すらりと長い手足も、バランスがいい。
 こくり、と健の喉が動いた。

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