よろず探偵事務所はじめました! ~またはオジサン狼男とネコ少年が最強タッグを組むにいたるまで!~

大波小波

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(いや、10代は私のストライクゾーンじゃないし!)
 しかし未悠は、そんな健の胸の内を知ってか知らずか、無防備に彼の隣に横になった。
「僕の秘密、もっと知りたいですか?」
「まだ、あるのか?」
「教えてあげてもいいけど……」
「18歳、って言ったね。学校には行ってる?」
 歳の頃からすれば、高校生だ。
 そしてそれは、健が追っている事件に関わる年齢だった。
 だが、学校と聞いて未悠は浮かない顔になった。
「あんなところ……。伯父が高校だけは出ておきなさい、って言うから」
「そうか。こう言うと君は怒るかもしれないけど、伯父さんの意見に賛成だ」
 健の言葉に、未悠は目を円くした。
 味方になってくれそうな人だ、と考えていたのに、突っぱねられたのだ。
 軽く、ショックを受けていた。
(でもそれは、僕がきちんと秘密を打ち明けてないから……?)
 未悠は、健の袖にすがった。
「僕の、秘密……」
「明日でいいよ。それに、秘密なら無理に話さなくてもいいし」
 ううん、違う。
 知って欲しい、僕の秘密を。
 この人なら。
 城嶋さんなら、解ってくれると思うから!
「あ、でも……何か、ヤバい……」
「どうした?」
「僕、すごく眠く、なって、き……て……」
「大丈夫。朝になって、消えてたりしないから」
 だから、安心してお休み。
 そんな健の優しさに触れ、未悠は笑顔で眠りに就いた。
「きっと、独りぼっちで寂しかったんだろうな」
 誰かが傍に居るぬくもりに、張り詰めていた気持ちが緩んで、急に眠くなったのだろう。
「少々ワケ有りの、不思議な子だ。でも、良い子だな」
 無意識に、健は自分の腹を撫でた。
 傷はもう、影も形も無かった。



「ミルクティーで良かったですか? コーヒーの方が、お好きですか?」
 そっとカップを差し出す、未悠。
 朝食の席で繰り広げられる、そんな優しい光景。
 だが健は、すぐには返事ができないでいた。
 先ほど見た、そして未悠に告げられた、驚愕の事実。
 それを噛み砕き、飲み込み、消化するまで少し時間がかかっていた。
 だから、返事にならない言葉を口にした。
「その……君はつまり。人類で希少な……」
「城嶋さんと同じ、獣人です」
 未悠は、うなだれた。
 なんてこった。
「同朋に出会うのは、久しぶりだ」
 朝、目覚めた健が見たものは、知っている未悠の姿ではなかった。
 全身、柔らかな白い毛でおおわれた、おまけに長い尾まである獣体だったのだ。
「ごめんなさい。黙ってて!」
「いや、話してくれる気でいたんだろう?」
 目を覚ました未悠は、自分の粗相に気が付いて慌てた。

『こ、これは! あの、その。城嶋さんには、昨夜打ち明けようと思ってて!』
『まさか、君が獣人だったなんて!』
『これが。これが僕の秘密です。僕は、実は……ネコの獣人なんです』
『そうだったのか……』

 すぐに未悠はヒトの姿に戻り、顔をそむけたまま着替え始めた。
 気が緩んでいた、と彼は話した。


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