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7話 未悠の危機
「今日は特に冷えるな。夕食は、おでんにしようかな」
テキストをバッグに収めながら、未悠はそう考えていた。
健さん、おでん好きかな。
考えると、顔がほころぶ。
料理は、長い独り時間を埋めるためのものだった。
それが今では、大好きな人を喜ばせるためのものに変わっている。
校外に出たら、電話して訊いてみよう。
スマホをポケットに入れ、未悠はバッグを手にして教室を出た。
外の風は冷たく、頬が痛い。
「そういえば、健さんが今度マフラー買ってくれるんだった」
初めて出会った日、彼の傷口に当てて血が染みてしまった、マフラー。
その代わりを、ぜひプレゼントしたい、と言ってくれたのだ。
「明日、学校休みだから。一緒に出掛けたいな」
風は冷たいが、足取りは軽い。
そんな未悠が校門を出てしばらく歩くと、自動車が脇に停まった。
「やあ、小咲くん」
「新見さん」
運転席からは、新見が顔をのぞかせた。
相変わらずの、穏やかな笑顔だった。
「今、帰り? ちょうどよかった。乗らないか?」
「そんな。悪いです」
新見は、ナビシート側のドアを開けた。
「鶴丸デパートで、世界のチーズフェアをやってるんだ」
「そうなんですか?」
「先だってのお礼に、連れて行ってあげる」
未悠は、おみやげのモンドールを喜んでおいしそうに食べていた健を、思い出した。
鶴丸デパートは、老舗の高級百貨店だ。
珍しいチーズも、たくさん置いてあるに違いない。
「じゃあ、お願いします」
「何か、買ってあげよう」
未悠は何の疑いも無くナビシートに乗り込み、シートベルトを締めた。
彼を拉致した新見の車は、そのまま走り出した。
テキストをバッグに収めながら、未悠はそう考えていた。
健さん、おでん好きかな。
考えると、顔がほころぶ。
料理は、長い独り時間を埋めるためのものだった。
それが今では、大好きな人を喜ばせるためのものに変わっている。
校外に出たら、電話して訊いてみよう。
スマホをポケットに入れ、未悠はバッグを手にして教室を出た。
外の風は冷たく、頬が痛い。
「そういえば、健さんが今度マフラー買ってくれるんだった」
初めて出会った日、彼の傷口に当てて血が染みてしまった、マフラー。
その代わりを、ぜひプレゼントしたい、と言ってくれたのだ。
「明日、学校休みだから。一緒に出掛けたいな」
風は冷たいが、足取りは軽い。
そんな未悠が校門を出てしばらく歩くと、自動車が脇に停まった。
「やあ、小咲くん」
「新見さん」
運転席からは、新見が顔をのぞかせた。
相変わらずの、穏やかな笑顔だった。
「今、帰り? ちょうどよかった。乗らないか?」
「そんな。悪いです」
新見は、ナビシート側のドアを開けた。
「鶴丸デパートで、世界のチーズフェアをやってるんだ」
「そうなんですか?」
「先だってのお礼に、連れて行ってあげる」
未悠は、おみやげのモンドールを喜んでおいしそうに食べていた健を、思い出した。
鶴丸デパートは、老舗の高級百貨店だ。
珍しいチーズも、たくさん置いてあるに違いない。
「じゃあ、お願いします」
「何か、買ってあげよう」
未悠は何の疑いも無くナビシートに乗り込み、シートベルトを締めた。
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