よろず探偵事務所はじめました! ~またはオジサン狼男とネコ少年が最強タッグを組むにいたるまで!~

大波小波

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「専門学校とは言え、大学生になったわけですから」
「学生は、学問に邁進すべきじゃないかなぁ」
「少しでも稼いで、早く伯父さんから自立したいんです」
「大人になってから、返せばいいんじゃないかなぁ」
「あ、僕まだ結び昆布食べてません」
「ごめん。じゃあ、これは未悠の分だな」
 そろそろ季節外れになってきた、おでん。
 それをつつきながら、健と未悠はこんな会話を交わしていた。
 未悠が言うには、アルバイトの感覚で探偵事務所のホームページを作ったらしい。
「僕たちの能力で、人助けができるんです。しかも、お金だってもらえるんです!」
「待ってくれ。探偵なんて、そう簡単にできるもんじゃないよ!」
「迷子のカメさんは、健さんの嗅覚で簡単に解決できます」
「まぁ、カメくらいなら」
「浮気の件は、健さんがルポライターとして培った探索力で」
「まぁ、浮気調査くらいなら」
「古文書は、200年以上生きてきた健さんなら、解読可能です」
「まぁ、古文書くらいなら……って、全部俺が片付けるのか!?」
 それには、笑顔で手を振る未悠だ。
「もちろん、僕も参加します。二人で開く、探偵事務所ですから」
 二人で開く。
 その言葉に、健は惹かれた。
 悪くない。
 いや、何だか無性に嬉しくなる。
 これまで、たった一人で歩んできた道のり。
 それが、二人で切り開いていくものになったのだ。
 にぃっ、と笑った健の口から、鋭い犬歯が覗いて見えた。
「よし、やるか!」
「やりましょう、二人で!」
 固い握手と同時に、獣人二人が経営する探偵事務所がオープンした。
 それは、二人で歩む長い長い道のりの、ほんの1ページ目のプロローグ。
 健と未悠の物語が、今始まった。


 

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