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ぽかん、と緩んだ沙穂の表情だ。
その顔つきに苦笑しながら、真輝は宣言した。
「すでに私たちは、恋人同士なのだから」
「な、何ですって!?」
ちょっと具合の悪いところを介抱しただけで、恋人同士!?
「あまり見ないでくれ。照れるじゃないか」
「いや、あの。ちょっと待ってください!」
しかし、沙穂が何を言っても無駄だった。
優雅にカップを傾け、真輝はそれらを受け流した。
そして。
「沙穂が恥ずかしがる気持ちも、解る。しかし、これは運命なんだ」
「あまり僕を、困らせないでください!」
「さて、お茶が済んだら君の部屋へ行こう」
「真輝さん、聞いてます?」
「聞いているとも。恥ずかしがり屋の沙穂」
全然、聞いてないし!
しかし、源家の真輝氏と言えば、恋多き男性のはず。
(すぐに僕のこと、飽きるよね)
仕方なく、沙穂はコーヒーを飲んだ。
とにかく、パーティーが終わるまでは捕らわれの身だ。
それが済んだら、解放してもらおう。
その程度に腹をくくり、沙穂は抗うことをやめた。
コーヒーを飲み、心を鎮めるだけだった。
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