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しおりを挟むどうしよう。
頭、ぼ~っとしちゃってる。
キス、久しぶり。
何だか初めての時みたいに、ドキドキする。
そっと唇を離した雄翔の目は、都の言葉を待っているかのようだった。
「あ、あの」
「ん?」
「今夜、弟たち帰らないんだ。お爺ちゃんの家に、泊るからって」
花火大会は夜にあるので、中学生がうろつけば補導されてしまう。
そうならないように、祖父母が保護者になってくれた。
花火が終われば、そのまま車で弟たちは田舎へ行く。
大好きなお爺ちゃんお婆ちゃんと、三日間ほど過ごすことになっているのだ。
「今夜、誰もいないから。だから」
「……」
無言の雄翔に、喋りながら都は後悔していた。
(こんなあからさまな誘惑なんかに、雄翔は乗らないよね)
「泊っても、いいの?」
「えッ!?」
「俺、都の家に泊っても、いい?」
どうしよう。
雄翔、泊るって言ってるよ!?
「狭いし、汚いよ!? いいの!?」
「都が、許してくれるなら」
都はもう、頭がぼうっとして、くらくらしていた。
「どうぞ……」
「ありがとう」
花火の後片付けをしながら、都はようやく我に返っていた。
(泊る、っていったらアレだよね。エッチする、ってことだよね)
出来るかな、僕に。
雄翔を愛してあげること、できるのかな。
「僕の体……」
発情が間近だと感じていた都の体は、売春をするようになってから、すっかり静まり返ってしまった。
火照ることも無い、感じることも無い。
「僕、不感症になっちゃったのに」
雄翔のための部屋着をぎゅっと抱きしめ、都は不安に駆られていた。
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