死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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1〜記憶

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ふと気がつくと俺は真っ白な空間に佇んでいた。

その場所には自分以外の生き物は居なくて、自分の周囲には様々な光の玉が浮かんでいる。

目の前に浮かんだその光に触れてみると光の玉は弾け、そしてその周りの光も連鎖して弾け飛ぶ。

すると脳裏に様々な映像が映し出された。

その映像の始まりは赤ちゃんが産まれ、その赤ちゃんを母親が幸せそうに抱き抱えるというものだった。

これは…俺…なのか?

その映像の中で赤ちゃんを抱いているのは記憶より若いが俺の母親だ。

俺は大抵記憶を忘れない、思いだそうと思えば大体の事は思い出す事が出来る…がこの記憶は無い、となるとこの記憶は物心つく前の記憶という事になるのだろうか。

こうして小さい自分を抱いている母の顔を見ると本当に幸せそうな笑顔で、本当に愛されていたんだと改めて感じることが出来た。

俺も結婚をして子供を授かった。

だからこの子供が産まれた瞬間の感動は今も思い出す事が出来る。

だが、当時のことを思い出すととある事を考えてしまう…

俺は良い父になることが出来たのだろうか?皆は自分の事を良い父親だと言ってくれたが子供達は本当に幸せだったのだろうか?…今考えても意味の無い事だが母の愛に触れるとその様な事が浮かんでくる。

そして映像はどんどんと進んで行き、赤ん坊だった自分はどんどん成長していく。

そして映像はついに俺の人生で一番記憶に残っているゲーム、ユグドラシルオンラインを始める俺を映し出した。

発売して一年も経たずにゲームの中に封印されていた邪神の封印が解けて戦うことになったんだっけか?最後は皆のお蔭で邪神を倒す事が出来たんだったよな。

懐かしいと思いながらも頭の中に流れる映像を見ながらあのときの事を思い出す。

邪神を倒した後もユグドラシルオンラインは続いていき、ユグドラシルオンラインの配信が終了したのは配信が始まってから20年後だった。

ユグドラシルオンラインは史上最高のゲームとしても運営20年間続けられた。

そりゃあユグドラシルオンラインは製作に神なんて超常生物が関わってたんだから、超えられるゲームなんて出て来るとは思って無かったが。

様々なイベントを通して様々なプレイヤーと競ってきた。

最後の方は皆にも負ける事も有ったよな。

流石に邪神討伐に使ったあの装備達はぶっ壊れ過ぎてて使用していないがそれでも俺に勝てたと言ってはしゃいでいたプレイヤー達覚えている。

だがイベントなんかでは1位を死守して俺は運営から最強プレイヤーの称号も貰えたしな。

まぁその20年間は現実でも色々と凄かったけどな。

まさかヘルとシュウの2人から告白されるなんて思ってもなかったからな。

最終的にどっちかを選ぶなんて事が出来なかったんだよな。

我ながら優柔不断だとは思うがどちらかを選んで関係が崩れてしまったらと考えると選ぶことが出来なかったんだ。

結局、使う事は無いだろうと思っていた現実での権力を使って日本でとある条件をクリアした物だけ重婚できる様にしたんだ。

大義名分としては少子高齢化に伴う若い世代が減ってきたから双方の合意があり、なおかつ経済的な余裕が有る者のみ重婚を可能にするという物を作ったのだ。

流石に自分勝手だと思ったがその事を2人に話して2人にプロポーズをした。

プロポーズをした時に2人が何か小声で相談をしていた時は凄く怖かったが、2人とも俺のプロポーズを受けてくれた。

その頃はもう一緒にゲームをしていた皆も働いて居たから皆揃ってゲームをする時間は少なくなっていたけど、それでも皆でゲームをしたり現実世界で遊んだりして過ごした。

そして俺以外の皆も結婚して家庭を築いたが、俺たちは変わらずに関係を続けて家族ぐるみの付き合いにまで発展した。

俺と春香(ヘル)の間に産まれた息子と蓮(レン)と摩耶(シフォン)の娘が結婚をすると聞いたときは凄く驚いたのを覚えている。

幼なじみだし、仲が良かったのは知っていたがまさか付き合っていたなんて…って言いながら4人で話して笑ったものだ。

この2人以外は普通に結婚して、良い家庭を築いていたな。

まぁ優人(ユウ)の息子は結婚なんかしねぇ!と言って本当に結婚しないで趣味にお金と時間を費やす趣味人間だったが。

そして子供達が成長していくにつれて俺たちは老いていき、俺は今まさに寿命を迎えようとしていた。

最近は意識がはっきりしなくなり、体も痛んでいたからな、それにこの様に記憶が流れているという事はもうすぐ俺は死ぬのだろう。

だが、最後は皆に一言位は言っておきたいな。
 
そう思うと皆の声が遠くから聞こえてくる…そして俺は意識を覚醒させた。

目を開けると目の前には皆の姿が有った。

春香や翔子、そして俺たちの子供と孫達、そして蓮や結衣達が居た。

俺は皆に向けて声をかけようとするが声がでない。

皆泣きそうな顔をしてるというより孫達はもう泣いているじゃないか。

声がでないならと俺は皆に出来る限りの笑顔を作る。

別れの挨拶は出来なかったが、これで良かっただろう。

そう思うと意識は少しずつ薄くなり、視界が真っ暗になる。

眩し!先程まで真っ暗だった視界に光が溢れた。

驚いて目を塞いでしまった俺だが、次第に光は消えてしまった。

俺は少しずつ瞼を開く…すると自分の目には草原が映し出されていた。

「え?」
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