死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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一人の冒険者が無理だと叫んだ。

それにつられてどんどんと冒険者ギルドは騒がしくなっていく。

ある者は死にたくないと言い、ある者はもう終わりだと言う。

恐怖という感情は周り伝染していく。

そして冒険者ギルド内が恐怖に包まれた瞬間、何処からか声が聞こえた

「静かにしろ」

静かにしろ、その一言は決して大声で発せられた訳では無い。

だが、その場に居た者の耳には確かに聞こえた。

冒険者ギルドに居る人は音の発生源を見る。

ソコには圧倒的な存在感を持った男が居た。


俺はアイテムボックスからゲーム時代のフル装備を取り出し、装備する。

そして皇帝のカリスマ、指揮官のスキルを発動させながら一言だけ静かにしろと言葉を放つ。

すると先程まで充満していた恐怖が薄れ、皆が俺に注目する。

「まだ説明の途中だ、今回参加するかは修羅の説明を聞いてからにしろ」

俺はそれだけを伝え近くに有った椅子に座り修羅の方を見る。

修羅は俺に一礼をして、冒険者に向かって話し始める。

「冒険者諸君!我々冒険者ギルドは君たちに緊急依頼を発表する」

そうして修羅は緊急依頼の説明を始めた。

「緊急依頼の内容は簡単、スタンスピードの解決、及び国民の避難誘導だ。
スタンスピードの解決は主に高ランク冒険者を中心に編成し、ダンジョン内で出てくるモンスターと戦い続けて貰いたい、そして避難誘導は低ランクの者を編成し、国民を安全に緊急避難所に案内してほしい」

修羅の説明を冒険者達は真剣に聞いている、先程無理だと叫んでいた者まで。

「この依頼にも当然死の危険性は有る。
だから強制はしない、だが、少しでもこの王都の人達を守りたいと思うのなら参加してくれ」

そして修羅は最後に緊急依頼の報酬について話し始める。

「王都の危機を救うのだ、報酬は期待してくれて良い。
生存者は勿論、亡くなってしまった場合は家族に相応の対応をさせてもらうことを約束しよう」

修羅が説明を終える。

「俺はやるぞ!」

「俺もやってやる!」

「私もよ!」

説明を終えると次々と参加する冒険者が声をあげていく。

「皆、本当にありがとう」

修羅はその様子を見ながら冒険者達に声を掛ける。

「なに、マスターや街の皆には世話になったからな…皆!俺たちで危機を乗り越え、王都を救ってやろうぜ!」

「「「「おおぉぉ!!!」」」」

一人の冒険者がそう言うとその場に居る冒険者達は鬨を上げる。

おし、これで一応は纏まったか。

「では、皆!早速行動を始めてくれ!」

修羅がそう言い、冒険者達は一気に行動を開始する。

低ランク冒険者は一般市民の避難所への誘導を開始し、素早く行動できないお年寄りや妊婦等を運んだりとし始め、高ランク冒険者は防具や武器を確認、調整して、装備していく。

どうやらエルザとマリアは避難誘導の方に行っている様だ。

そして装備の点検、装備を終えた冒険者達は何やらギルド職員から紙を受け取り、何かを書いている。

あれはなんなのだろうか?修羅に聞いてみよう。

俺は修羅の方に歩いていき、修羅に話しかける。

「修羅、他の冒険者達はなにを書いているんだ?」

「主殿、あれは遺書の様なものです。
今回のクエストは高い確率で死に至ると考えられます、なので家族に手紙を書いているのですよ」

そうなのか…この冒険者達がもし帰ってこなかった時の為に手紙を書いているのか。

「修羅、例のダンジョンは何処に有る?案内してくれ」

「主殿…と言うことはまさか?」

「ああ…他の冒険者が来る前に全力でスタンスピードを潰してくる」

大量のモンスターを相手にするのはゲーム時代に沢山やったから大の得意だ。

それに、そうすれば冒険者の被害は最小限に押さえられるだろう。

「分かりました、案内します…すまない、ここは少し任せる」

「は、はい!」

修羅はギルド職員に声を掛ける。

「主殿、それではついてきてください」

修羅はそう言い、俺は走っていく修羅についていった。
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