70 / 280
70
しおりを挟む
主殿にダンジョンのスタンスピードを任せた私は冒険者ギルドに向かって走っている。
主殿に任せればスタンスピードは直ぐに収まるだろう。
ならば私は犠牲を最低限に収めるためにも主殿の邪魔をしないように冒険者を纏めなければならない。
さっき、冒険者には装備を整えて冒険者ギルドに待機する様に言っているが、冒険者達の中には勝手にダンジョンに潜ろうとする奴が出てくる筈だ。
そいつらがダンジョンに向かう前に止めなければ。
私はそう考え、走るスピードを上げる。
避難誘導はちゃんと出来ている様で私の周りには人が居る様子は無い。
なので多少力を出しても大丈夫だろう。
私は地面を砕かない様に力を調整しつつ、全力で冒険者ギルドを目指す。
そして冒険者ギルドに着いた私は冒険者ギルドの扉をわざと大きく音がなるように開ける。
そのお陰で外まで聞こえてきていた声はシーンと静かになり、冒険者ギルドに居た人は音の発生源である私に注目する。
「皆!聞いてくれ!」
俺は皆に聞こえる様に大きく声を出す。
「皆、装備の点検をしながら私の話を聞いてくれ」
そう言うと冒険者のみんなは装備の点検を再開し始める。
「現在ダンジョンでスタンスピードが起きている事はさっき話しただろう」
私の言葉に何人かは頷いているのが見える。
そして私は話を切り出す。
「先程までは皆にダンジョンに潜ってもらい、スタンスピードに対応しようと思っていたのだが、状況が変わった、ここに居る冒険者に伝える、現時点をもってスタンスピードが終わるまで、ダンジョンに潜ることを禁止する」
「はぁ!?どういう事だ?」
「ふざけんじゃねぇぞ!この国を見捨てろって言うのか!」
俺がそう伝えた瞬間、一部の冒険者が叫んだ。
周りにいる冒険者達も声をあげないでポカーンとしている。
皆は俺がこの国を見捨てて逃げると思ったんだろう。
それもそうだろう、先程までは戦うと言っていたのに状況が変わってダンジョンに潜るなと言われたのだから。
「聞いてくれ、私はこの国を見捨てて逃げる気は一切ない!」
「じゃあなんで俺たちにダンジョンに潜るなって言うんだ!」
「さっきと話がちげぇぞ!」
やはり理由を話さないと信じてくれないか。
「今から理由を話すから静かにしてくれ」
俺はそう言うが一向に静かにならない。
「腰抜けが!今すぐここから出ていきやがれ」
罵倒の声があがるが無視する。
「もう一度言う、今から理由を話すから静かにしてくれ」
再度俺はそう言うが私を罵倒している冒険者や、一部の冒険者は静かにならない。
仕方ない…威圧を発動させるしか無いか。
俺がスキルである威圧を発動させようとした時…冒険者ギルドに大きな音が響く。
私は音の発生源を見る。
そこにはAランク冒険者のクロムが酒場の備え付けのテーブルを真っ二つにしていた。
「ぎゃあぎゃあウルセェな、ギルドマスターの話ぐらい大人しく聞けねぇのか」
「クロムの旦那、でも…」
クロムは冒険者の皆に慕われている兄貴肌の冒険者だ。
先程まで騒いでいた冒険者も戸惑っている様だ。
「でももクソもねぇだろうが」
クロムの声がギルド内に響き渡る。
「てめぇらよく聞きやがれ、ここに居る冒険者の中で一番強いのはギルドマスターだ、それに、あのマスターだぜ?この国を見捨てるなんて選択をする訳が無いだろ、マスターを罵倒するのは良い、だが、それをして良いのはこれから聞く理由がクソみてぇなもんだった時だけだ」
クロムの言葉を皆は静かに聞いていた。
そして一人の冒険者が口を開く。
「そうだよな…あれだけみんなの為に仕事をしているギルドマスターがこの国を捨てて逃げるなんて選択肢をする訳ねぇよな」
その冒険者の声を聞いたクロムは頷いきながら周りを見渡す。
「さて、ギルドマスター、俺たちがダンジョンに入ってはいけない理由、教えてもらおうか」
主殿に任せればスタンスピードは直ぐに収まるだろう。
ならば私は犠牲を最低限に収めるためにも主殿の邪魔をしないように冒険者を纏めなければならない。
さっき、冒険者には装備を整えて冒険者ギルドに待機する様に言っているが、冒険者達の中には勝手にダンジョンに潜ろうとする奴が出てくる筈だ。
そいつらがダンジョンに向かう前に止めなければ。
私はそう考え、走るスピードを上げる。
避難誘導はちゃんと出来ている様で私の周りには人が居る様子は無い。
なので多少力を出しても大丈夫だろう。
私は地面を砕かない様に力を調整しつつ、全力で冒険者ギルドを目指す。
そして冒険者ギルドに着いた私は冒険者ギルドの扉をわざと大きく音がなるように開ける。
そのお陰で外まで聞こえてきていた声はシーンと静かになり、冒険者ギルドに居た人は音の発生源である私に注目する。
「皆!聞いてくれ!」
俺は皆に聞こえる様に大きく声を出す。
「皆、装備の点検をしながら私の話を聞いてくれ」
そう言うと冒険者のみんなは装備の点検を再開し始める。
「現在ダンジョンでスタンスピードが起きている事はさっき話しただろう」
私の言葉に何人かは頷いているのが見える。
そして私は話を切り出す。
「先程までは皆にダンジョンに潜ってもらい、スタンスピードに対応しようと思っていたのだが、状況が変わった、ここに居る冒険者に伝える、現時点をもってスタンスピードが終わるまで、ダンジョンに潜ることを禁止する」
「はぁ!?どういう事だ?」
「ふざけんじゃねぇぞ!この国を見捨てろって言うのか!」
俺がそう伝えた瞬間、一部の冒険者が叫んだ。
周りにいる冒険者達も声をあげないでポカーンとしている。
皆は俺がこの国を見捨てて逃げると思ったんだろう。
それもそうだろう、先程までは戦うと言っていたのに状況が変わってダンジョンに潜るなと言われたのだから。
「聞いてくれ、私はこの国を見捨てて逃げる気は一切ない!」
「じゃあなんで俺たちにダンジョンに潜るなって言うんだ!」
「さっきと話がちげぇぞ!」
やはり理由を話さないと信じてくれないか。
「今から理由を話すから静かにしてくれ」
俺はそう言うが一向に静かにならない。
「腰抜けが!今すぐここから出ていきやがれ」
罵倒の声があがるが無視する。
「もう一度言う、今から理由を話すから静かにしてくれ」
再度俺はそう言うが私を罵倒している冒険者や、一部の冒険者は静かにならない。
仕方ない…威圧を発動させるしか無いか。
俺がスキルである威圧を発動させようとした時…冒険者ギルドに大きな音が響く。
私は音の発生源を見る。
そこにはAランク冒険者のクロムが酒場の備え付けのテーブルを真っ二つにしていた。
「ぎゃあぎゃあウルセェな、ギルドマスターの話ぐらい大人しく聞けねぇのか」
「クロムの旦那、でも…」
クロムは冒険者の皆に慕われている兄貴肌の冒険者だ。
先程まで騒いでいた冒険者も戸惑っている様だ。
「でももクソもねぇだろうが」
クロムの声がギルド内に響き渡る。
「てめぇらよく聞きやがれ、ここに居る冒険者の中で一番強いのはギルドマスターだ、それに、あのマスターだぜ?この国を見捨てるなんて選択をする訳が無いだろ、マスターを罵倒するのは良い、だが、それをして良いのはこれから聞く理由がクソみてぇなもんだった時だけだ」
クロムの言葉を皆は静かに聞いていた。
そして一人の冒険者が口を開く。
「そうだよな…あれだけみんなの為に仕事をしているギルドマスターがこの国を捨てて逃げるなんて選択肢をする訳ねぇよな」
その冒険者の声を聞いたクロムは頷いきながら周りを見渡す。
「さて、ギルドマスター、俺たちがダンジョンに入ってはいけない理由、教えてもらおうか」
0
あなたにおすすめの小説
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる