死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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俺はハーネストに向かって駆け、攻撃を仕掛ける。

「ぐっ!」

ハーネストは俺の攻撃に反応して魔力を込めた腕で刀を弾こうとし、鍔迫り合いになる。

「貴様、先程モンスターと戦っていた時より速いじゃないか」

「お前も俺の想像より強いみたいだな」

そう、俺が今装備している刀、無名はユグドラシルオンラインで最強の装備と言っても良いぐらいの性能を持っている。

だが、ステータスを大幅に減少させているとはいえ、無名を使った攻撃を魔力を込めた腕で止めるというのは素直に称賛できる。

「確かに貴様の刀は業物だ、だがいくら武器が強かろうとその性能を引き出せなければ意味がない」

ほう、言ってくれるじゃないか。

俺は鍔迫り合いを止め、後ろに下がる。

ハーネストも距離を取り、仕切り直しのつもりなのだろう。

俺は少しギアを上げてハーネストに攻撃を仕掛ける。

ハーネストは俺の攻撃を先程の様に腕で受けようとするが、俺はその腕を避けてハーネストの胴体を斬りつける。

「どうした?俺を直ぐに倒すんじゃなかったのか?」

俺は先ほど言われた様にハーネストを煽る。

「ふん、先程より動きのキレが良くなった、だが弱者に煽られようと俺は取り乱したりはしない」

攻撃を食らったというのにハーネストは余裕の表情を浮かべている。

やはり先程も新しい腕を生やした事を見てもある程度一気にダメージを与えなければいけないか。

「そうかい、じゃあお前はもうすぐ弱者と侮っていた奴に呆気なくやられるんだな」

「ふん、先ほどの攻防をしてまだ実力差という物を理解していないみたいだな」

やはりハーネストは俺の事を自分より弱い思っている為か、煽っても反応が薄いな。

まぁ相手の反応が悪くても問題は無い。

結局自分の強さを過信している奴に負けるつもりは無いからな。

「それでは行くぞ!」

ハーネストはわざわざ俺に声を掛けてからこちらに攻撃を仕掛けてきた。

俺はハーネストから繰り出される攻撃を避け、刀で受け流しながら好機を窺う。

リミッターを解除すれば一瞬で倒せる相手だが、やはり全力を出して戦うというのは心が躍るからな。

せいぜい俺の糧になってもらおう。

俺とハーネストの攻防は続く。

ハーネストは拳と足技を巧みに合わせ、タイミングを掴ませない様に俺に攻撃を仕掛けてくる。

それに対する俺は基本的にハーネストの攻撃を避け、一撃で大ダメージを与えられる機会を狙うという感じだ。

「フハハハ!、ユウヤとやら、貴様存外にやるではないか」

ハーネストは攻撃を続けながらも高笑いをして俺に話しかけてくる。

「そっちこそ、俺も刀術には自信が有ったんだけどな」

俺もハーネストに言葉を返す。

実際に俺の刀術はゲーム時代に20年以上も掛けて研鑽してきた。

その技を繰り出しても対処が出来るハーネストはやはり強い。

俺と撃ちあえるという事はハーネストが悪魔という他の種族よりも身体的なアドバンテージを持っているにも関わらず、研鑽を積み、自身の技術を積み上げてきたからだろう。

邪神の魂を利用するという事は絶対に阻止しなければいけないが、この戦闘に限ってはそんなものは関係ない。

何よりも強い敵と戦うのは楽しい。

自分が強くなっていくという感じがするし、リミッターを掛けて身体能力を落としているとはいえ全力を出しても壊れないのだから。

その後も戦闘は続いていき、現在俺たちは向かい合っている。

俺とハーネスト、両者共に傷は無い。

だが、ハーネストは悪魔といえど魔力に限りがある。

戦闘が長引くにつれてハーネストは傷を癒す為の魔力がどんどん減っていき、遂には魔力が枯渇してしまった様だ。

「ハァ、ハァ、ユウヤよ、次でお終いにしよう」

「ああ」

ハーネストの言葉に俺は短く返事をする。

あの後も戦闘は続いていき、俺たちはそろそろ戦闘を終わりにする事にした。

そして俺たちは一旦距離を取る。

「ユウヤよ、始めに俺は貴様の事を弱者と言ったな…謝罪しよう、貴様は強い」

ハーネストは俺に謝罪をする。

「お前も強いよ、久々に楽しい戦闘をする事が出来た」

俺はそう言いハーネストに向けて回復魔法を掛ける。

「貴様、まさか情けを掛けた訳では無いだろうな」

ハーネストは俺を睨む。

「違う、互いに次の一撃が最期の攻撃になるだろう。
ならばその満身創痍の体では全力を出す事など出来ない。
ハーネスト、お前を敬して全力の一撃で葬ってやる、だからお前も全力の一撃を俺に打て」

俺の言葉にハーネストは納得した様で笑みを浮かべた。

そして俺たちは同時に駆け出す。
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