死んだと思ったら異世界に

トワイライト

文字の大きさ
175 / 280

175

しおりを挟む
「…なんでそう思ったんだ?」

俺に言葉を遮られたブラットさんは俺にそう聞いてきた。

「そもそも、冒険者という職業は常に死の危険が身近にある職業です、そんな冒険者に息子がなりたがっていると気づいたのなら、普通夫であるブラットさんのお父さんに相談するでしょう」

そう言ってブラットさんを観るとブラットさんは俺の話を静かに聞いている。

「これは俺の予想ですけど、多分ブラットさんのご両親はブラットさんが両親に冒険者になりたいと言うずっと前からブラットさんが冒険者になりたいと思っているのを知っていたんだと思います」

「そりゃあ知ってたんだろうな、だからこそお袋は俺を応援してくれたんだろ?」

「いえいえ、私が言いたいのはもっと前…ブラットさんが冒険者に憧れた時位から知っていたんじゃ無いかって事です」

ブラットさんは別に冒険者になりたいというのを隠していた訳では無い。

冒険者に憧れ、両親に「俺、冒険者になる!」と言った事も有るだろう。

ブラットさんのお母さんも小さい時に言った時は冒険者に助けられた憧れからそう言っているのだろうと思っていても1年、2年経ってもその気持ちが変わっていないと知れば少しは真剣に考える筈。

家族の事なのだから自分一人で考えるのでは無く夫に相談するだろう。

だからこそ俺はブラットさんの両親はずっと前からブラットさんが冒険者になりたいと思っているのを知っていたんじゃ無いかと考えた訳だ。

「でも俺が言うまで一度もそんな話は出た事が無いぞ?」

俺が昔から両親は知っていたんじゃ無いか?と言うとブラットさんはそう返答した。

「そこはご両親がブラットさんからの話をするまで話をしないとか決めてたんでしょう」

俺はそう言うが、ブラットさんはまだ納得しきれていない様子だ。

なら、と俺は別の方面からアプローチする事にした。

「確かブラットさんは毎日木剣で素振りをしたりと鍛錬をしていたのでしょう?」

俺がそう確認するとブラットさんは頷いた。

「ご両親…特にお母さんから何か言われましたか?」

「いや、特に何か言われる様な事は無かった…ってそもそもバレない様に朝早くから起きてやってたんだから言われるわけが無いだろ」

ブラットさんは何を言っているんだ?と俺に対して言ってくる。

「ブラットさん、考えてください、毎日自分の息子が朝早くから起きて家から出て行っているのを両親が本当に気づいていなかったと?」

特にブラットさんのお母さんは朝の仕込みやら何やらで早起きをしている筈、ならブラットさんが家から出かけてるのに気づかない訳がないだろう。

「本当に気づいていなかったかも知れないだろ?」

「まぁコレは俺の憶測ですからね、本当かどうかは分かりません、でも、ブラットさんのお父さんが木剣を一度捨ててから今までしていた素振りをやめた、でも何故か朝早くから起きているという状況になれば違和感を持つ筈です」

「ユウヤ、お袋が昔から俺が冒険者になりたいって事を知っていたとして、それが今回の話に関係するのか?」

ブラットさんは俺の言い分に納得してくれた様だが、この話がさっきの話とどう関係するのかを聞いてきた。

「ブラットさん、貴方の両親がずっと前からブラットさんが冒険者になるために努力していた事を知っているという事はどれだけブラットさんが本気だったか、を知っているかの証明になります」

小さい頃に一時的に素振りをしていただけなら憧れからの一時的な行動だろうと考えるだろう。

だがそれが一年、二年とずっと継続していたら…それはそれだけブラットさんが真剣に冒険者になろうとしているという事の証明になる。

「つまり、俺が言いたい事は、ブラットさんが14歳の時に冒険者になると話した時、ご両親がブラットさんに対して言った言葉は前々から決めていたんじゃ無いか?という事です」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...