死んだと思ったら異世界に

トワイライト

文字の大きさ
187 / 280

187

しおりを挟む

「という事で、今回の戦争を起こそうとしたのは公国側の可能性が高いな」 

「そうですね、教国側が公国と戦争するメリットが少なすぎますし、逆に公国は教国との戦争をする事で大きなメリットがあります…これを考えても公国側が教国に宣戦布告したという可能性が高いです」

俺とヤヨイが情報を整理した結果、公国が教国に対して戦争を引き起こそうとしているという物になった。

この結論に至るにあたって、やはり公国が邪神の力を兵器化する事が出来るという物が大きかった。

人は大きな力を手に入れたら調子に乗ってしまう…というのも有るが、なにより邪神の力からエネルギーを取り出す事ができるようになった矢先に戦争が起こるなんてそう都合の良い話がある訳が無い。

俺的には今回の戦争は公国が邪神の力を利用した兵器を作り、それの実験や効果を確かめる為に教国に戦争を仕掛けたんじゃないかって思う。

それに邪神の力を使って戦争をすれば公国の被害を極限まで減らしつつ教国に対して大きな損害を与える事ができるし、しかも戦争に勝った暁には多大な利益を得ることができ。

つまり、この戦争は教国の国力を下げつつ、公国は大きな利益を上げる…正に公国にしか旨味のない戦争って訳だな。

公国の上層部は国民に対して教国から宣戦布告が有ったと言っていたらしいが多分それは嘘だ。

公国に住む人たちに対して、「我々は教国と戦争をする為に宣戦布告をした」なんて言えないだろうし、言ったところで国民が戦争に協力してくれるとは限らない。

負けたら負けたで被害があるから最低限は協力してくれるとは思うが

自分達が宣戦布告をしたではなく、相手から宣戦布告が有った、国を守る為に協力をしてくれ、と言った方が国民への聞こえがいいし、なにより戦争にも進んで協力してくれるからな。

まぁ結局のところ、公国が宣戦布告をしていようか教国が宣戦布告をしていようが今回の戦争は公国にしかメリットが無いって事だ。

だからこそ、俺とヤヨイは今回の戦争は公国が引き起こそうとしたと考えた訳だ。

「それで、今回の戦争は公国が起こそうとしているというのは良いが、今回俺たちが考えないといけないのはどうすれば戦争が始まるのを阻止する事が出来るかだ…ヤヨイ、何かいい案が有るか?」

俺たちの中で今回戦争を起こそうとした国が公国というのは決まった。

なら次はどうすれば戦争が起こるのを阻止出来るか、だ。

現状俺にアイデアは無いからヤヨイに案がないかを聞いてみる。

「戦争を阻止する案、ですか…今は特に思いつく事は無いですね、申し訳有りません、せっかくマスターがたよってくれたのに…」

ヤヨイは申し訳なさそうにそう言った。

「いや、気にしなくても良い…俺も思いついて無いし、いきなり聞いたからな、じゃあ何か思いついたら教えてくれ」

「分かりました、何か良い案がないか考えてみます」

ヤヨイはそう言うと戦争を中止させる為の案を考え始めた。

よし、俺もヤヨイが考えている間にどうにか出来ないか考えてみることにしよう。

やっぱり1番手っ取り早そうなのは邪神の力をどうにかするって奴だよな。

邪神の力が無ければ公国のアドバンテージは一気に無くなる…そうすれば公国のトップも戦争しても旨味が無いと理解して戦争を取りやめる…なんて美味い話は無いよな。

確かに公国側のアドバンテージは無くなるかもしれないが、それでも教国が公国に攻めて来なくなる訳ではないだろうし、邪神の力が無くなった事を知った公国のトップが急いで戦争をやめさせようと教国に使者を送っても教国がそれを受けるかは分からない。

まぁ俺が教国のトップにいたとして、宣戦布告をしてきた国がいきなり戦争をするのをやめようって使者を送ってきたら公国に何か問題があったんだなって分かるから逆に攻め落とすだろう。

そうなれば双方とも被害は予定より多くなるだろう。

それを考えても、邪神の力をどうにかするという案は不採用だ。

そもそも邪神の力は避難所の拡張に使われていて手を出せないしな
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...