死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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俺は目の前を飛んでいる魔物に追いつくために飛ぶ速度を上げていく。

速度を上げた事で目の前の魔物との距離が少しずつ縮んでいく…が、相手もスピードを上げたのかまた距離が離されてしまった。

「あれ以上早くなるのか!」

その後、俺がスピードを上げれば目の前の魔物もスピードを上げるという追いかけっこが始まった。

「お、やっとスピードが落ちて来たな」

20分程空の上で追いかけっこをしていた俺と魔物だが、スタミナが切れたのかやっと魔物の飛ぶ速度が落ちた。

「…すげぇデカいな、こんな巨大であんなスピードを出してたのか」

飛行生物との距離を縮めていくと飛行生物の本来の大きさが分かってくる。

「もう少しで追いつきそうだな」

そして魔物はとある場所で飛ぶのをやめてその場で滞空をし始めた。

魔物が止まった事で俺と魔物の距離は一気に縮まる…すると今までぼんやりとしか見えなかった魔物の全容がだんだんと見え始めた。

「鳥型…それに周囲に熱を放っているのか」

目の前に見える魔物は体の周囲に炎を纏っている様でそれが周囲に熱を放出して、周りの空間を歪めて見せていたのだろう。

「炎を纏った鳥型のモンスター、フェニに似ているな」

炎を身に纏うという点はフェニと共通しているからやはり目の前の魔物はフェニの知り合いと見て間違い無いだろう。

「あの魔物、もしかしてフェニだったり…いや、それは無いか」

俺は一瞬頭の中に浮かんだ考えを否定する。

フェニだったら俺に気づくだろうし、ここまで逃げる必要が無いしな。

「まぁもうそろそろあの魔物に追いつくし、考えるのは終わりにしよう」

俺はそう呟いて魔物との距離を詰める。

「小さき者よ、此処に何の用があって来たのかな?」

魔物との距離が数百メートル位まで縮んだ所で前を向いていた魔物がこっちに振り返ってそう言ってきた。

「俺が此処に来た理由は…」

魔物に聞かれた事を答えようとした時、魔物の周囲の空間の歪みが小さくなり魔物の姿が見えて俺は言葉を失った。

「ん?なんで理由を話さないのかな?私は君が何故わざわざこんな場所に来た理由を聞いてるんだけど?」

「まさか本当にフェニだったなんて…」

さっき冗談で目の前に飛んでいる魔物はフェニなんじゃないかって考えたけど本当にフェニだったとは思わなかった。

でも間違い無い、目の前に居るのは正真正銘俺の仲間、フェニだ。

声がすっごく低くなってるけどフェニだ。

「んん?なんで君が私の名前を知っているんだ?」

フェニはまだ目の前に居るのが俺だと気付いて居ないのか何故自分の名前を俺が知っているのかを不思議に思っているみたいだ。

「…って、そこに居るのはユウヤじゃないか!」

こちらをジッと見つめたフェニは俺に気づいた様で驚いた様に声を上げた。

そして声を上げたと同時にボン!という爆発音と共に周囲に煙が現れ、煙が消えるとそこにはサイズが1メートル弱位になったフェルが居た。

「いや~、まさかこんな所でユウヤに会うなんて…あれ?なんでこんなところに居るの?」

馴染みのある姿になったフェニは俺の周囲を飛びながら俺にそう聞いてくる。

「フェニに用があって来たんだ皆からフェニは火山地帯に居るって聞いてたからな」

俺がフェニにそう答えるとフェニはへぇ~、そうなんだ、と言って納得した様だ。

「じゃあ早速要件を…と言いたいところだけど、こんな所じゃなんだし私の住処に案内するよ」

「そうか?じゃあよろしく頼む」

「オッケー、じゃあ私の後ろについて来て」

フェニはそう言うと火山地帯の中心に向かって飛び始めた。

「こうしてユウヤと2人で飛ぶのは久しぶりだね」

フェニに追いついた俺にフェニは俺にそう話しかける。

「そうだな、何時も皆で行動してたしフェニとこうして2人きりで空を飛ぶのは久しぶりだな」

フェニの言葉に俺は同意する。

俺が最後にフェニと2人でこうして空を飛んだのは数十年前の事だからな。

俺は昔のことを思い出しながらそう考える。

その後フェニの住処に着くまでの間、俺たちは話に花を咲かせるのだった。
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