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第12話 土管の中で休むか?休まないか?

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おれは体をかがめて木の下を通った。枝が低くて、大人はスピードを出せずにゆっくりになるから、そういうところばっかりを通ってにげた。そういう木がたまたま多い場所だからラッキーだった。



真っ黒おじさんはこけた。



「クソガキがっ!」



真っ黒おじさんはこけたことをおれのせいにしていた。自分でこけたのに。



やっぱりヤバい大人だと思った。



絶対につかまっちゃいけない!



真っ黒おじさんはかい中電灯を持っていたみたいで、一しゅん光がうしろから感じられた。



おれはまた体をかがめて、なるべく見えないようににげた。



これでだいぶはなれられた。



だけど、問題があった。



めちゃくちゃににげていたから、どこにいるのかわからなくなってしまった。



どっちへ行ったらトトロの森の外に出られるのか?わからなくなってしまった。



それでもかい中電灯の光から遠ざかるように走った。



気づくと、でっかい土管があった。何本もある。



おれはヘトヘトだった。



この土管の中で休もうか?と思った。
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