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第21話 息もできない
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真っ黒おじさんは帰り道を案内してくれた。
帰り道にいろいろ話してくれた。
真っ黒おじさんの名前は林田則之ということ。産まれた時からここの近くに住んでいること。自然が好きで、帰り道に木の名前や鳥の名前を教えてくれた。
だけど、一つも頭に入って来なかった。
一個だけ、聞き忘れていることを思い出したからだ。
ヤジマ君はどうなったんだろう?
ヤジマ君のことは死ねばいいと思ったりもしたけれど、本当に死なれていたら困る。
おれがのろって殺したことになったとしたら、この手の平のイボは本当に赤カブトにのろわれていることになるからだ。
せっかく生き残ったのに、それはいやだなと思った。
それにしても、どうしようもないほどかゆい。おれはさっきからずっとイボをかいていた。
イボは破れつ寸前のメロンのようにふくれていた。
「ん?どうしたの?」
真っ黒おじさんがおれの手の平をとった。
「あれ?すごい化膿してるじゃん」
じゅるるるるるるるるるるるるっるるる
真っ黒おじさんはおれの手の平のイボに吸い付いて、タコみたいに吸った。
おれは息が出来なかった。
帰り道にいろいろ話してくれた。
真っ黒おじさんの名前は林田則之ということ。産まれた時からここの近くに住んでいること。自然が好きで、帰り道に木の名前や鳥の名前を教えてくれた。
だけど、一つも頭に入って来なかった。
一個だけ、聞き忘れていることを思い出したからだ。
ヤジマ君はどうなったんだろう?
ヤジマ君のことは死ねばいいと思ったりもしたけれど、本当に死なれていたら困る。
おれがのろって殺したことになったとしたら、この手の平のイボは本当に赤カブトにのろわれていることになるからだ。
せっかく生き残ったのに、それはいやだなと思った。
それにしても、どうしようもないほどかゆい。おれはさっきからずっとイボをかいていた。
イボは破れつ寸前のメロンのようにふくれていた。
「ん?どうしたの?」
真っ黒おじさんがおれの手の平をとった。
「あれ?すごい化膿してるじゃん」
じゅるるるるるるるるるるるるっるるる
真っ黒おじさんはおれの手の平のイボに吸い付いて、タコみたいに吸った。
おれは息が出来なかった。
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