異世界に転生したんだが、人生は厳しかった。

統星のスバル

文字の大きさ
17 / 19
第1章 異世界でレベリング

第15話 お金ザックザク

しおりを挟む
 
 ギルドに戻るとすぐにマーラが目に入った。見ている限り、マーラは常に忙しそうだった。

「マーラさん、解体作業の方はどうですか?」

 通常業務をテキパキとこなしているマーラに横から話しかける。
 

「ふぇっ、イロアス様!まだ、終わってませんけど、一度裏に来てもらえますか?」
「あ、はい。分かりまっっ」

 マーラがイロアスの手を取って歩き始めたため、イロアスは言葉に詰まった。
 別に嫌ではないし、役得なのでされるがままにしておいたが、一部の男性冒険者から殺意のこもった視線、いや死線を向けられた。

「よぉ、イロアスの兄ちゃん……」

 さっき来たときよりもだいぶ覇気がない……一体どうしたのだろうか?俺に心当たりがあるんだが。
 辺りに転がる残骸や飛び散った血痕から、相当な力仕事で精神的にもキツイ仕事だと分かる。
 一体誰がこんな量を持ってきたんだよ。全くけしからん………ハイ、スミマセン。

「ガードン様、お疲れさまです。おやつ要ります?」

 マーラは職員用受付に置いてあった茶菓子を、職業スマイルとともにガードンに渡した。

「おーし!まだまだ行けるぞー!!」

 茶菓子1個で……なんとも安い労働力だな。それに、ガードンさんの体力は無尽蔵かよ。マーラパワーで無限に回復しているんだが。

「ところでイロアス様。この魔物なんですが…」

 解体されずに残った、数体の死骸と剛健な巨躯を指差して言う。

「ああ、ダンジョンの魔物…モンスターだな。」

 そう、さんざん今まで〈鑑定〉してきたのに気づいたのはつい最近なんだが、普通に平原とかにいる魔物は〈鑑定〉したときの表記はなんだが、ダンジョンにいる魔物たちは〈鑑定〉の表記がになるのだ。
 なんの意味があるのか分からないが。

「ダンジョン!?帝都のですか?」
「……まぁ、そんな感じ。」
「……分かりました。多分、未発見のモンスターだと思うのでギルマスを呼んで来ますね。」

 マーラは俺が誤魔化したのを察して、何も追求してくることはなかった。
 やっぱ空気を読める人は素晴らしい。




「どれのことなんだ?未発見モンスターとは。」

 しばらくしてマーラはギルマスを呼んできた。相変わらず、見た目は威圧感出しているけど……中身がなぁ~。

「これすべてです。」
「なぬっ!?」

 すべてと言われた山を見て、ギルマスは固まった。その量もさながら、大きさも見て言葉を失った。

「っつ。」

 彫刻化してしまったギルマスを無視して、イロアスはマーラに話しかける。

「未発見のモンスターだと、なんか対策とか必要なのか?」
「はい、帝都のギルドに連絡して討伐難易度を話し合ったり、そのモンスターの生息域を確認したりするんです。」

 なるほど…情報共有は帝都がメインにやるのか。生息域は……常闇のダンジョンなのだが、言って大丈夫かな?未発見のモンスターに続いて未発見のダンジョンって。

「あ、あと、発見者に名前をつける権利がありますよ!」
「え”っ、」

 別に要らん、その権利。まぁ、ネーミングセンスは欠片も無いから、〈鑑定〉様の表記に任せるけど。
 ってことは、スライムも誰か名付けたのか?

「こっ、これ全部ダンジョンで倒したモンスターなのか?」
「はい、そうです。」

 まぁ、まだゴーレム系とかデスリーパーとかは【アイテムボックス】にしまっているけどな。

「討伐体数も凄いが……これ1人で討伐したのか?」

 霊魔は結晶しか残さないが、あとはデカイ図体のやつらばかりだもんな。これを1人で倒すのはさすがにありえないと考えるのが正しいだろう。

「はい、パーティーを組んだことはないので。」
「そうか…ところで、ダンジョンはどこのダンジョンなんだ?帝都ではないそうだが。」

 ハイ、やっぱそこですよねー。けど、俺が発見したことにはしないで欲しいんだよなぁ。面倒くさそうだし。
 別にあのダンジョンは完全攻略しちゃったから特に隠しておく意味はないんだけど、まぁ、他の人は攻略したいだろうし。
 (ちなみに、ダンジョンのシステムとして、ボスを倒したイロアスがボス部屋に行っても何もないが、まだ倒していない人が行くとボスが現れる。パーティーの場合、1人でも攻略していない人がいるとボスが現れる。この仕組みは未だ解明できていない、古代魔法の一つとされている。)

「それは…」
「まぁいい。続きは私の部屋でしよう。」

 話の内容があれなので、俺らは場所を変えることにした。
 2度目のギルマス部屋入室は、特に何も思わなかった。

「ところで、ダンジョン発見者の名前って伏せることができますか?」
「できないことはないですが……なぜ伏せたいのでしょうか?」

 報奨金とか出るし、名誉なことなのに何故?と言いたそうに尋ねるマーラ。

「いや、悪目立ちすると色々な人に目をつけられるので。」
「……」

 ギルマスもマーラも『いや、もう十分目立っていますよ』と思ったが、口には出さなかった。言ってしまうと、イロアスの機嫌を損ねると思ったからだ。

「分かった。しかし、報奨金はどうする?受け取る場合は誰が受け取るか明確にしないといけないが……代役を立てるのは、私としては避けてもらいたい。」

 理由はイロアスにも分かった。もしそれがバレた場合、ここのギルドの信用を失うからだ。特に帝都のメインギルドの信用を失うのは大きいことだろう。この程度で信用を失うかどうかは分からないが、関係にヒビは入ることだろうし、何よりも親密な友好関係を築くためには邪魔にしかならない。

「大丈夫だ。報奨金は要らない。近頃まとまった金が手に入るしな。」
「っつ、それって犯……」
「ああ、それってさっきの魔物たちですよね。」

 ギルマスが何か言いかけたことは誰も聞かなかったことにしておいた。

「それもあるな。」

 あとはフィリナスのじっちゃんからも貰えるし。いや~、意外とここまでの道のりハードモードだったけど、こっからはイージーモードかもな~。

 先走った発言をしそうになったギルマスは立ち直ると口を開く。

「あと、スタンピードの件も解決したら報奨金が出るぞ。」

 あっ……スタンピード……。

「へぇ、そ、そうなんですね。」

 まさか忘れているわけないじゃないか。うん、そんなのありえない。

「ちなみに、報奨金ってどれくらいですか?」

 もう、だいぶ懐は潤ってきているのだが、金は多くあっても困ることはない。しかも、【アイテムボックス】に入れておけば、盗まれる心配は皆無。殺されることも……まぁ、ないだろう。

「白金貨3枚だ。」
「……」

「「ええっ!?」」
 
 2人の声が重なった。

「だいぶ多すぎじゃないか?いくらスタンピードでもこの金額は破格すぎるだろ。」
「そうですよ、そもそもそのお金はどこから出すのですか?このギルドの財力から考えると厳しいのでは……」

 マーラの会話から察するに、あまり人口が多くないこの町だと、ギルドの財政もそこまで良くないらしい。それなのに何故、白金貨を3枚も出そうとするのだろうか?

「それは…」

 ギルマスが何か言いかけたとき……

「ギ、ギルドマスター!大変です。」

 扉の向こうで声がした。なにやら緊急事態らしく、切羽詰まった声だった。

「どうした、入れ。」

 ギルマスが入室を許可すると、ギルド職員が入ってくる。このとき、俺はどうしたらいいのだろう?マーラは、ギルマスの隣に行って話を聞く体制になってるし、ギルマスはソファから腰を上げて椅子に座っている。俺はそのままソファにいるんだが……

「失礼します。」

 イロアスは特に移動もできずにその職員は入ってきた。
 ギルマス入り口に近いところにソファはあるので、当然イロアスに目が向く。

「そちらの方は……」
「まぁいい。それよりも何が大変なんだ?」

 ギルマスは話をそらした。いや、元々は何かあったから来たので、話を元に戻したわけなのだが。

「それが、東の森の木々がほとんどなくなっているのです!」
「なにっ!?」

 あっ、もしかしてまずかった?
 犯人俺なんですけど……

「それはよいことではないか。この町をさらに広げることができる。」
「そうなのですが……その拓けた場所に魔物がとてつもなく多く集まってしまっていて…」
「とてつもなくか……」

 話を聞く限り、そこにとどまっているだけで町に押し寄せてきているわけではないそうだが、気になるから見てこよう。

「ギルマス、僕が見てきます。」

 ソファから立つとイロアスはそう言った。

「ああ、頼む。」

 ギルマスが短く返し、マーラが手を振るのを確認したあと、イロアスは部屋から出ていった。

「あの、さっきの方は……」
「さあな、我々もよく分からん。」
「…はぁ。」




「本当だ、なんかめっちゃ集まってる。」

 イロアスが乱雑に木を切った場所には、数百匹近くの多くの魔物が集まっていた。中にはスライムからオークロードと幅広くいて、強さもバラバラだった。
 あたりに人は見当たらない。多分、ギルドの方で下手に魔物を刺激しないようにしているのだろう。

 全然知らないやつもいるし、なんだあの角生えたオークみたいなやつ。ダークオーガの下位互換みたいだな。

「〈鑑定〉」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 オーガ Lv65
 ・2本の角が特徴的な魔物。格闘センスに長けている。
 ・素早さ、力はボスオークよりも上。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なかなか強いな。普通に存在している魔物の中では、上の部類に入るんじゃないか?
 それが、ゴロゴロいるな。奥を見ると更に増えているし……

「ん?どっから来ているんだ?」

 〈クレヤボンス〉を使用して、魔物が向かってきている方向を見る。

「っつ、あれは……なんでここにいるんだ?しかもこっちに向かってきている。」

 ここにいる魔物は、逃げてきていたのだ。自分よりも圧倒に強い脅威から。そして、その魔物たちを追って、今、その脅威が近づいて来ている。

「まずいな。これはスタンピードなんかじゃない。アレが来たらもっとひどい被害が出かねない。」

 しかも、俺のせいかもしれん。アレが来たの。
 なぜなら……

「あれは、常闇のダンジョン90層のボスだ。」


 イロアスは足に〈ブースト〉、〈アックス〉を2重がけして〈原初の魔力〉で足を強化したあと、〈シェイド〉で背中に擬似滑空用翼をつくると……
 
 思いっっっっきり地面を蹴った。

 ドゴンッと重い音が夕方の空に響き、地面にクレーターを作る。その威力の反作用で、イロアスは宙に高く跳んだ。

「おおっ、上手くいった!」

 その後は、マイ○ラのエ○トラのように滑空するだけである。

 ……

 意外と上手くいき、ヤツとの距離が50mくらいのところで木に突っ込んだ。木の枝とかが突き刺さったりして少し怪我をしたが、まぁ、かすり傷だ。

「見えた!〈鑑定〉」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ヘルジャイアント・ネロ Lv90
 ・常闇のダンジョン90層のボス
 ・物理攻撃・物理防御は桁違いに強い。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 
 15mを軽く超える真っ黒い巨躯に、不気味に紅く光る眼。鋼のような筋骨隆々とした身体。
 今まで戦ったボスの中でも、強さは3本指の中に入る。イロアスがめちゃくちゃ苦戦した相手だった。

「〈オメガスタン〉、〈クロノス・ギア〉×15!」

 この攻撃で周りにいる魔物たちはほとんどいなくなった。しかし、佇む巨人はほぼ無傷。
 ゴーレム・ガーディアンほどではないが、このヘルジャイアントはとても防御力が高かった。

「さて、どうするか。」





 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...