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第21話 色々分かってきた!……はず
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「どうした、剣星。クマができてるぞ」
教会の演習場で、イオリが心配そうな顔で覗いてきた。
演習場では毎日のように騎士と訓練生たちが訓練してるけど、仕事があるから俺の参加は基本的に二日に一度だけど、ちょっとの空き時間でも通うようにしている。
「昨日の夜、ちょっと考え事しててさ」
知りたくもない人間関係のせいで、必要のないことを考えてしまったんだ。
せっかく今日は仕事がないのに、そのせいで寝不足だなんて最悪だ。
「悩みがあるなら話してみろ、楽になるかもしれないぞ」
「いや、いいよ。傭兵団のことだから、外に出すのはちょっとな」
「そうか、まあいい。それより上手くやってるか? ルクレツィア団長は厳しいだろう?」
「厳しいけどなんとかやってるよ。てか、結構団長って有名?」
「いやそれほどでもない。私が帝都に来た頃は傭兵も引退していたというしな。むしろ、有名なのは旦那の方だ。いや、だったと言うべきか」
だった、という言葉から連想できるのは既に死亡したということ。俺だって一歩間違えれば、もう死んでいたかもしれないんだよな。
「名前は忘れたが元は教会の騎士でな。当時まだ見習いだった私にとっては、雲の上の存在だった。それくらい圧倒的な強さを感じたよ」
団長が強いのは、その人の影響なんだろうか。
でも、そんな人でも死んでしまう世界。
寝不足だなんて言い訳してる場合じゃないんだ。
「それがある日、突然姿を消してしまったんだ。後から聞いたんだが、彼は手癖がとても悪くて、浮気がばれて逃げてしまったとか」
「オイ、ちょっと待て。だった、ってのは離婚したってことかよ」
なんだよ、そのオチは。
生きててよかったですねって素直に言いにくいじゃねーか。
「ああ、噂じゃ八股くらいしてたらしいぞ」
「けしからん男だな、そいつは」
女性たちの代わりに、俺がぶっ飛ばしてぇ。
ってか、何の話をしてたんだっけ?
「だが、強かった。必死に訓練してた姿を覚えているよ」
イオリがジロリと睨んでくる。
不謹慎にも、そんな姿も凛々しいなって考えてしまう。
不機嫌さがにじみ出てると感じるのは、気のせいじゃないだろうな。
「剣星、何故お前は見学ばかりで参加しないんだ?」
「ちゃんとやってるぞ。イオリがいない時に」
日本にいた頃より、時間が貴重なんだよ。
やること多いし、体力も有限だから。
「気絶して、無駄に時間を潰したくないからな」
「そ、そうだったのか。この間の、私のせいか、すまない」
イオリが急におどおどして頭を下げてきた。
つか、ここまで恐縮されると、逆に居心地が悪いんだが。
「まあ、見るのも充分勉強になってるよ」
「そうか! じゃあ、じっくり見ていってくれ!」
イオリは早足で階段を降りて行った。案外単純な奴なのかもしれない。
もうしばらく見学してから演習場を立ち去ることにしよう。
あんなこと言って、すぐ帰るわけにはいかないからな。
それに話したことは全然嘘じゃない。
今の武器はハンマーだけど、足運びとか間合いの詰め方は充分勉強になる。
イオリは初心者以外にも男の騎士と模擬戦してたけど、全然負けてなかったし、駆け引きなんかは、ホント上手なんだよな。
「さてと、そろそろ晩飯にしよっかな」
空いてる飯屋に入って注文する。
先日の一件で俺の懐にも少しだけ余裕ができた。
いつまでも団長におんぶにだっこじゃ恥ずかしいからな。
それに酒を飲まなくて済むし。
でも、金は大事だから、使いすぎは良くないとは思ってる。
傭兵は刹那的な生き方をしてる人が多いけど、貧乏性の俺はそんな風になれない。
帝都に来た頃は、日本の知識で色々商売できないかと考えたこともあった。
けど、俺の立場じゃ目立つのは良くないから諦めた。
せっかく配慮してくれたアルフィナに申し訳ないって気持ちもある。
そもそも傭兵の給料は、他の職種と比べて恵まれている。
やっぱり命をかけてる分だけ、リターンは大きくないと。
連続でラヴェルサの機人を回収すれば、暫く働かなくても大丈夫なくらい稼げる。
一攫千金も狙える職業だ。
そのため、操者としての才能がある孤児たちが殺到してしまう問題もあるという。碌な教育を受けてないので、できる仕事が少ないという切実な現実があるんだ。
そこに国が防衛予算から操者になるための手術費用を出すと言えば、喜んで受けに行くだろう。良い出会いがあればいいけど、這い上がるのは中々難しいそうだ。改めて俺は運が良かったんだと思う。
「よう、また会ったな」
「うっす」
挨拶をしたのは同職の男でアルザットという名前だ。
三十台半ばでベテランよりの中堅傭兵といっていいだろう。
この世界では四十代、五十代の傭兵も普通にいる。
彼は傭兵としては珍しく、あまり酒を飲まない。
先日、一人で飯を食った時に知り合い、色々と教えてくれた物知りな男でもある。
もちろん何品か飯を奢ることになった。
それはいいよ、ただより高いものはないって言うし。
俺は世間知らず田舎者だからな。
色々と話を聞きたいんだ。
別に団長に教わったって良いけど。
信用してないわけじゃないんだけど、な~んか隠してる気がするんだよな。
だから、他の人の話も聞きたいというか。
セカンドオピニオン的な?
「そういえば最近知ったんですけど、アスラレイドってなんです?」
それは俺が最初に倒した敵の事だ。
やけに自信ありげというか、上から目線の敵だったから気になってたんだ。
中々チャンスがなかったので、この機に聞いてみる事にした。
「お前、傭兵ならそれくらい知っとけよ。ったく、これだから田舎者は」
「すんません」
別に悪口を言われているわけじゃない。ただ口が悪いだけ。たぶん。
「いいか、アスラレイドってのはリグド・テランの誇る最精鋭たちのことさ。たった六人しかいないんだぞ。まあピンキリらしいがな。こいつらは全員専用機を持っていて、大きな声じゃ言えないが、教会のラグナリィシールドよりも性能がいいって噂だ。見つけたらすぐに逃げるね、俺は」
マジかよ。そりゃ一斉に襲い掛かってくるわけだ。
でも、それを初戦で倒した俺ってすごくね?
いや、乗ってたイステル・アルファの性能が高いのかも。
敵の量産機だから素直に喜べることじゃねーけど。
「そもそも、なんでリグド・テランってラヴェルサに味方するんすか? それにラヴェルサが攻めてくるのも分からないし」
「かーっ、そっからかよ」
「すんません、田舎者なもんで」
注文を追加して、先を促した。
「あのな、リグド・テランってのは、大昔にこの辺り一帯を領土としてたんだよ。だから、それを取り戻そうとしているわけ。なんでラヴェルサとつるんでるのかは知らねえけど」
「へ~」
まあこれは、これまで聞いた情報どおり。
「ラヴェルサに関しては、はっきりとしたことは分からねえけど、無差別に人類を襲うわけじゃねえって話だな。」
「物知りっすね」
「これくらい常識よ、常識。でだな、ラヴェルサの地下プラントが活発になると、聖女様の能力をどこかの女が引き継ぐって噂だ。まあ、そんなもん教会だって知らねえだろうし、本当かどうかなんてさっぱりだがな。んで、聖女様が命をかけてラヴェルサを抑え込むって流れだ。可哀想な話さ。聖女様は皆まだ若い年頃だってのによ」
おっ、新情報。そうか、聖女は若くしてなるもんなのか。
それにしても随分涙もろいな。思いっきし感情移入してるじゃん。
「ちょっと疑問が、なんで聖女って若い女の人だけなんすか?」
「そりゃ、ばあさんだったら聖女とはみんなが呼ばねえからだろ」
質問するなり、豪快に笑い始めた。
さっきの涙はどこに行ったんだよ、オイ。
ってか、一杯しか飲んでないのに絡み酒か?
「にしても、お前も大変な時に傭兵になったよなぁ。もうすぐ大きな戦いがあるってのによ」
「いやぁ、そうみたいっすけど。俺も聖女様のためにやりますよ」
「くぅ~、泣かせるじゃねーか。よっしゃ、親父もう一杯頼む!」
コイツ本当は酒好きの貧乏性じゃねーの?
ただ酒だから、ペースが速いのか?
面白い話が聞けたからいいけどさ。
「でもまぁ、実際、聖女様が勝つのは難しいと思うがな」
「……どういうことっすか?」
「考えても見ろよ。今まで三百年、十何人の聖女様が戦っても終わらなかったんだぜ? そりゃ、戦争に向かないような聖女様もいたけどさ。反対に強く、好戦的な聖女様もいたんだ。操者としても優秀だったらしいぜ」
マジかよ。
ってことは、聖女様自身が装甲機人を操縦してたのか。
聖女は全員イオリのような存在に、操縦させてたと思ってた。
「そうだったんすか。でも、聖女様が強いって想像できないっすね」
「んなことねえよ。そうだな、強い聖女様っていったら、やっぱり初代様だろうな。今みたいに多くの味方機がいないにも関わらず、平和をもたらして下さったからな。もし負けてたら、今頃俺たちもどんな酷い目にあってたか」
敗戦国だもんな。過去の日本と同じようになるんだろうか。
俺も話だけしか知らないけど、負けたくないよな。
「七代目も強かったと聞く。初代様以来、最強の聖女と呼ばれてたって話だ。十四代目も近年最強と名高い十二代目と同等の実力の持ち主と評価されている」
どっかのワインみたいな評価はいらねーよ!
だけど、色々分かってきたぞ。
どんなに強い聖女でも、ラヴェルサは倒しきれていないんだ。
活動を沈静化させるだけで精一杯なんだろう。
そして今も戦いの歴史は続いている。
でもそれは、強くないと思われてる聖女でも、負けてないってことでもあるんだ。
今回の決戦では引き分けじゃなくて完全勝利しなければならない。
アルフィナを救うためにも。
今までの戦いと違うのは、俺というイレギュラーの存在だろう。
聖女と同じように聖王機の力を引きだせる存在がもう一人いるということ。
自分のことだから少々恥ずかしいけど、このアドバンテージを活かせれば勝利が見えてくるはずだ。
この世界にやってくる時に聞こえた助けを求める声。
もしかしたら俺がこの世界に来たのはそのためなのかもしれない。
教会の演習場で、イオリが心配そうな顔で覗いてきた。
演習場では毎日のように騎士と訓練生たちが訓練してるけど、仕事があるから俺の参加は基本的に二日に一度だけど、ちょっとの空き時間でも通うようにしている。
「昨日の夜、ちょっと考え事しててさ」
知りたくもない人間関係のせいで、必要のないことを考えてしまったんだ。
せっかく今日は仕事がないのに、そのせいで寝不足だなんて最悪だ。
「悩みがあるなら話してみろ、楽になるかもしれないぞ」
「いや、いいよ。傭兵団のことだから、外に出すのはちょっとな」
「そうか、まあいい。それより上手くやってるか? ルクレツィア団長は厳しいだろう?」
「厳しいけどなんとかやってるよ。てか、結構団長って有名?」
「いやそれほどでもない。私が帝都に来た頃は傭兵も引退していたというしな。むしろ、有名なのは旦那の方だ。いや、だったと言うべきか」
だった、という言葉から連想できるのは既に死亡したということ。俺だって一歩間違えれば、もう死んでいたかもしれないんだよな。
「名前は忘れたが元は教会の騎士でな。当時まだ見習いだった私にとっては、雲の上の存在だった。それくらい圧倒的な強さを感じたよ」
団長が強いのは、その人の影響なんだろうか。
でも、そんな人でも死んでしまう世界。
寝不足だなんて言い訳してる場合じゃないんだ。
「それがある日、突然姿を消してしまったんだ。後から聞いたんだが、彼は手癖がとても悪くて、浮気がばれて逃げてしまったとか」
「オイ、ちょっと待て。だった、ってのは離婚したってことかよ」
なんだよ、そのオチは。
生きててよかったですねって素直に言いにくいじゃねーか。
「ああ、噂じゃ八股くらいしてたらしいぞ」
「けしからん男だな、そいつは」
女性たちの代わりに、俺がぶっ飛ばしてぇ。
ってか、何の話をしてたんだっけ?
「だが、強かった。必死に訓練してた姿を覚えているよ」
イオリがジロリと睨んでくる。
不謹慎にも、そんな姿も凛々しいなって考えてしまう。
不機嫌さがにじみ出てると感じるのは、気のせいじゃないだろうな。
「剣星、何故お前は見学ばかりで参加しないんだ?」
「ちゃんとやってるぞ。イオリがいない時に」
日本にいた頃より、時間が貴重なんだよ。
やること多いし、体力も有限だから。
「気絶して、無駄に時間を潰したくないからな」
「そ、そうだったのか。この間の、私のせいか、すまない」
イオリが急におどおどして頭を下げてきた。
つか、ここまで恐縮されると、逆に居心地が悪いんだが。
「まあ、見るのも充分勉強になってるよ」
「そうか! じゃあ、じっくり見ていってくれ!」
イオリは早足で階段を降りて行った。案外単純な奴なのかもしれない。
もうしばらく見学してから演習場を立ち去ることにしよう。
あんなこと言って、すぐ帰るわけにはいかないからな。
それに話したことは全然嘘じゃない。
今の武器はハンマーだけど、足運びとか間合いの詰め方は充分勉強になる。
イオリは初心者以外にも男の騎士と模擬戦してたけど、全然負けてなかったし、駆け引きなんかは、ホント上手なんだよな。
「さてと、そろそろ晩飯にしよっかな」
空いてる飯屋に入って注文する。
先日の一件で俺の懐にも少しだけ余裕ができた。
いつまでも団長におんぶにだっこじゃ恥ずかしいからな。
それに酒を飲まなくて済むし。
でも、金は大事だから、使いすぎは良くないとは思ってる。
傭兵は刹那的な生き方をしてる人が多いけど、貧乏性の俺はそんな風になれない。
帝都に来た頃は、日本の知識で色々商売できないかと考えたこともあった。
けど、俺の立場じゃ目立つのは良くないから諦めた。
せっかく配慮してくれたアルフィナに申し訳ないって気持ちもある。
そもそも傭兵の給料は、他の職種と比べて恵まれている。
やっぱり命をかけてる分だけ、リターンは大きくないと。
連続でラヴェルサの機人を回収すれば、暫く働かなくても大丈夫なくらい稼げる。
一攫千金も狙える職業だ。
そのため、操者としての才能がある孤児たちが殺到してしまう問題もあるという。碌な教育を受けてないので、できる仕事が少ないという切実な現実があるんだ。
そこに国が防衛予算から操者になるための手術費用を出すと言えば、喜んで受けに行くだろう。良い出会いがあればいいけど、這い上がるのは中々難しいそうだ。改めて俺は運が良かったんだと思う。
「よう、また会ったな」
「うっす」
挨拶をしたのは同職の男でアルザットという名前だ。
三十台半ばでベテランよりの中堅傭兵といっていいだろう。
この世界では四十代、五十代の傭兵も普通にいる。
彼は傭兵としては珍しく、あまり酒を飲まない。
先日、一人で飯を食った時に知り合い、色々と教えてくれた物知りな男でもある。
もちろん何品か飯を奢ることになった。
それはいいよ、ただより高いものはないって言うし。
俺は世間知らず田舎者だからな。
色々と話を聞きたいんだ。
別に団長に教わったって良いけど。
信用してないわけじゃないんだけど、な~んか隠してる気がするんだよな。
だから、他の人の話も聞きたいというか。
セカンドオピニオン的な?
「そういえば最近知ったんですけど、アスラレイドってなんです?」
それは俺が最初に倒した敵の事だ。
やけに自信ありげというか、上から目線の敵だったから気になってたんだ。
中々チャンスがなかったので、この機に聞いてみる事にした。
「お前、傭兵ならそれくらい知っとけよ。ったく、これだから田舎者は」
「すんません」
別に悪口を言われているわけじゃない。ただ口が悪いだけ。たぶん。
「いいか、アスラレイドってのはリグド・テランの誇る最精鋭たちのことさ。たった六人しかいないんだぞ。まあピンキリらしいがな。こいつらは全員専用機を持っていて、大きな声じゃ言えないが、教会のラグナリィシールドよりも性能がいいって噂だ。見つけたらすぐに逃げるね、俺は」
マジかよ。そりゃ一斉に襲い掛かってくるわけだ。
でも、それを初戦で倒した俺ってすごくね?
いや、乗ってたイステル・アルファの性能が高いのかも。
敵の量産機だから素直に喜べることじゃねーけど。
「そもそも、なんでリグド・テランってラヴェルサに味方するんすか? それにラヴェルサが攻めてくるのも分からないし」
「かーっ、そっからかよ」
「すんません、田舎者なもんで」
注文を追加して、先を促した。
「あのな、リグド・テランってのは、大昔にこの辺り一帯を領土としてたんだよ。だから、それを取り戻そうとしているわけ。なんでラヴェルサとつるんでるのかは知らねえけど」
「へ~」
まあこれは、これまで聞いた情報どおり。
「ラヴェルサに関しては、はっきりとしたことは分からねえけど、無差別に人類を襲うわけじゃねえって話だな。」
「物知りっすね」
「これくらい常識よ、常識。でだな、ラヴェルサの地下プラントが活発になると、聖女様の能力をどこかの女が引き継ぐって噂だ。まあ、そんなもん教会だって知らねえだろうし、本当かどうかなんてさっぱりだがな。んで、聖女様が命をかけてラヴェルサを抑え込むって流れだ。可哀想な話さ。聖女様は皆まだ若い年頃だってのによ」
おっ、新情報。そうか、聖女は若くしてなるもんなのか。
それにしても随分涙もろいな。思いっきし感情移入してるじゃん。
「ちょっと疑問が、なんで聖女って若い女の人だけなんすか?」
「そりゃ、ばあさんだったら聖女とはみんなが呼ばねえからだろ」
質問するなり、豪快に笑い始めた。
さっきの涙はどこに行ったんだよ、オイ。
ってか、一杯しか飲んでないのに絡み酒か?
「にしても、お前も大変な時に傭兵になったよなぁ。もうすぐ大きな戦いがあるってのによ」
「いやぁ、そうみたいっすけど。俺も聖女様のためにやりますよ」
「くぅ~、泣かせるじゃねーか。よっしゃ、親父もう一杯頼む!」
コイツ本当は酒好きの貧乏性じゃねーの?
ただ酒だから、ペースが速いのか?
面白い話が聞けたからいいけどさ。
「でもまぁ、実際、聖女様が勝つのは難しいと思うがな」
「……どういうことっすか?」
「考えても見ろよ。今まで三百年、十何人の聖女様が戦っても終わらなかったんだぜ? そりゃ、戦争に向かないような聖女様もいたけどさ。反対に強く、好戦的な聖女様もいたんだ。操者としても優秀だったらしいぜ」
マジかよ。
ってことは、聖女様自身が装甲機人を操縦してたのか。
聖女は全員イオリのような存在に、操縦させてたと思ってた。
「そうだったんすか。でも、聖女様が強いって想像できないっすね」
「んなことねえよ。そうだな、強い聖女様っていったら、やっぱり初代様だろうな。今みたいに多くの味方機がいないにも関わらず、平和をもたらして下さったからな。もし負けてたら、今頃俺たちもどんな酷い目にあってたか」
敗戦国だもんな。過去の日本と同じようになるんだろうか。
俺も話だけしか知らないけど、負けたくないよな。
「七代目も強かったと聞く。初代様以来、最強の聖女と呼ばれてたって話だ。十四代目も近年最強と名高い十二代目と同等の実力の持ち主と評価されている」
どっかのワインみたいな評価はいらねーよ!
だけど、色々分かってきたぞ。
どんなに強い聖女でも、ラヴェルサは倒しきれていないんだ。
活動を沈静化させるだけで精一杯なんだろう。
そして今も戦いの歴史は続いている。
でもそれは、強くないと思われてる聖女でも、負けてないってことでもあるんだ。
今回の決戦では引き分けじゃなくて完全勝利しなければならない。
アルフィナを救うためにも。
今までの戦いと違うのは、俺というイレギュラーの存在だろう。
聖女と同じように聖王機の力を引きだせる存在がもう一人いるということ。
自分のことだから少々恥ずかしいけど、このアドバンテージを活かせれば勝利が見えてくるはずだ。
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もしかしたら俺がこの世界に来たのはそのためなのかもしれない。
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