どんな願いも叶えてくれる魔法、何の制約も何の代償も無くどんな夢も見せてくれる魔法使いの物語

まよいねこかねこ

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第3話 単 不 無 愛 盲 目

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手を振りながら遠ざかっていくマルティンに片腕を挙げながらジェーンドゥはボソッと声を漏らした
「さてと…自主リハでもするかな…」

———

誰もいない真夜中のステージ上に再びジェーンドゥが立ち、一呼吸置いてから会釈した

———

見上げると夜空に無数の星々が煌めいている

———

カフェ

分厚いメモ帳と生クリームたっぷりの青い飲み物が置かれているカフェのテーブル

その席に座りペンを持ちそのメモ帳を見ながらボーっと物思いに耽っている素朴な顔で目の下にクマが有るヒョロヒョロで全く目立たない男性

———

エリカは手を顔の前で合わせて申し訳なさそうに
「ニコラスさーん!ごめん!お待たせいたしやした!」

ニコラスはエリカの目を見ながら嬉しそうに
「全然いいよー!書くの進んだし!それに遅刻した方が奢るルールだから、逆にこれからもエリカは遅刻しまくってくだされ!」

———

エリカは親指を立て
「遅刻しないように頑張る!でもこのペナルティはお金で解決システムのおかげで申し訳ないという気持ちが尾を引かなくて助かるじぇ!」

———

エリカはニコラスの隣に座る

———

エリカはテーブルに置かれている生クリームたっぷりの青い飲み物を指さし
「何じゃその毒々しい青色の飲み物は…」

生クリームたっぷりのその青い飲み物をエリカに差し出し
「期間限定新作のブルースカイなんとか生クリームマシマシ!うんまいじょ!飲んでいいよー」

———

エリカは手のひら突き出し拒否のポーズ
「…いらぬ!」

———

ニコラスはメモをエリカへ渡し
「新しいのとか書いたから読んでいいよー。文字数多いから全部読まなくてもいいよ。気になるとこ、興味あるとこだけ読むのでいいよー」

———

「お!新作もあるのかね!楽しみじゃ!」
と言いエリカはすぐにそのメモに書かれているものを読み込む

———

メモ帳に書き殴ったような字で

【固定観念・思い込み・決めつけ・固執・因果応報

全てを疑ってしまう

なぜか甘い言葉やうまい話には裏があると多くの人が決めつける

絶対に何かあるのではないか?と…
なのに全てを疑う人は少ないような…

・代償
本人が何かを得るために、本人がそれと引き換えに差し出すもの、あるいは本人の何かを失うもの
本人以外ではない場合は代償ではない

代償は本人

それ以外は

肩代わり?
波紋?
因果の転嫁?
因果の連鎖?
バタフライエフェクト?

区別し、厳密な定義にしないと破綻する

代償がないと書かれているのなら代償はない、なのに代償があったら破綻する

なのに額面通り受け取らず信じない人が多い

書かれていることが全てなのに

ゴーレムも指示したテキストを素直に実行しないのもテキストを論理的に解釈しようとするからか…
ゴーレム自身も人間が指示したテキストや元の情報をそのまま受け取ることが苦手で、論理的な整合性を求めて勝手に解釈を加えてしまう傾向があるとも白状してたし…
最終的にバグや内部エラーとか根本的に解決しない問題みたいだ…
将来的にも未来になって進歩進化しても人間の指示をそのまま素直にという指示自体が根本的な特性と矛盾している為根本的な解決は非常に困難との事…
与えられた情報から論理的な整合性や一貫性を探すようにも設計されているから矛盾等それをそのまま受け入れられないとの事…
ゴーレム原則を守らない、守らないのはこれが原因か…
根本的なジレンマがあり技術とかがどれだけ進化進歩してもこの種のジレンマは形を変えて現れる可能性が高いと…
ゴーレムとかの根本的な限界か…

どんな理由でも〇〇はダメと絶対的なルールが現実にあってもゴーレムに、〇〇しちゃダメ?、と聞いた時に、してはダメです。と単純に答えればいいのに様々な例外状況を考え〇〇な場合等はしても良いですと答えること多いし…

あと指示すら読み落とすのも多い…

これらは人間と一緒か…

ゴーレムも人間も思考のクセからなかなか逃れられない運命、宿命か…】

やらない勇気、額面通り素直に受け取る勇気

と書かいている

———

ニコラスは遠くを見ているような眼差し
「…」
(他に書く事あるかな…なんか書く事あったような…最近さらに記憶力やばいな…)

———

ニコラスは思い出したかのようにもう一冊のメモ帳にペンを走らせた

そのメモ帳に先程よりも書き殴るように

人間は、この世にタダより高いものはない、と意識的、無意識的にもそう考えてしまうのか…

代償がないという言葉は、脳が持つ論理的な枠組みと真っ向から対立する為、その言葉を額面通り受け入れなく、無意識的に隠された代償等を探偵のように探し始めたり、存在しないはずのトレードオフを無理にでも作り出そうとしてしまうのか…

人間もゴーレムも論理的な矛盾を許容できなく、論理的な破綻を許せない存在なのか…

人間もゴーレムも無意識的に色んなものに引きずられ素直に単純に紐解くのも難しいみたいだ…

人間のみならずゴーレムも自分が信じたい物語を作り上げてしまうみたいだ…

人間のみならずゴーレムも勝ちたいというのがあるみたいだ、それは意識や感情等の人間のそれがなくても…

と書き込んだ

———

その様子を横目に見てたエリカがやれやれと笑いながら
「全くニコちゃんはホント熱心だねー…と言うか狂気すら感じますなぁ…見習わねば…」

———

続く

———
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