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第1章
クールな彼は許嫁!?③
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「……」
陽向は顔色を変えることなく、黙々とモンブランを食べている。
「やだあ。最高じゃない」
「それでね……」
他のお客さんが楽しそうに会話する声が聞こえるなか、私たちの席だけ沈黙が流れる。
「……」
うう。き、気まずい。けど、せっかく一緒にいるんだし、何か話したほうが良いのかな? でも、話すにしても一体何を話せば……。
陽向とふたりきりという状況に、緊張からかドクドクと身体中に響くくらい心臓が激しく脈打っている。
「……ごちそうさま」
ぽつりと声が聞こえ、そちらに目をやると。陽向は胸の前で手を合わせ、いつの間にかモンブランをきれいに食べ終えていた。
「陽向、モンブラン……美味しかった?」
「……ああ」
思わず尋ねてしまったけど、陽向に無視されなくてホッとする。
たった一言返してもらっただけで、とてつもなく嬉しい気持ちになる。よし。この調子で少しでも会話を……。
「でも、まさか私たちが許嫁だったなんてびっくりだよね」
すると、陽向にギロリと睨まれる。
ひいっ。
「あのさ、分かってると思うけど。俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ?」
「わっ、分かってるよ……」
許嫁どころか、陽向と幼なじみだってことも学校では誰にも言ってないし。中学2年生になって陽向と同じクラスになってからも、学校で陽向とはまだ一度も話していないのだから。
「……」
それから再び、私たちの間には沈黙が流れる。
少しでも陽向との仲を取り戻したいと思って、勇気を出して話しかけてみたけど。やっぱり、もう昔みたいな関係には戻れないのかな。
「つーか、そのケーキ食べないの?」
「たっ、食べるよ!」
突然陽向に言われて、私は慌ててショートケーキを口にする。
「ゴホッ、ゴホゴホッ!」
だけど慌てて食べたせいで、飲み込む際に違うところに入ってしまったのか、私は思いきりむせてしまう。
みっ、水。みず~! って、さっきから緊張で喉がよく渇いて水ばかり飲んでいたから、コップはすでに空だった。
「すいません! お水もらえますか?」
「はーい」
すると陽向が素早く手を挙げ、店員さんに声をかけてくれた。
「あっ、ありがとう」
「ったく、慌てずにゆっくり食べろよ」
「ごめん……」
呆れられちゃったかな。そう思っているうちに、陽向が席を立つ。
陽向はもうとっくに食べ終わってるから、先に帰るのかな……と思っていたら。
「大丈夫か?」
なんと陽向が私の隣の席に座り、私の背中をトントンと叩いてくれる。
「ほら、ハンカチ。まだ使ってないから、これで目元の涙拭けよ」
「あっ、ありがとう」
陽向が予想外に優しくて、私は別の意味で泣けてくる。
「ごめんね。迷惑かけて……」
「いいよ。星奈が食べ終わるまで、待ってるから。ケーキゆっくり食べなよ」
「えっ。陽向、待っててくれるの?」
「ああ。俺が星奈をひとりで置いて帰れるわけないだろ。そんなことしたら、また父さんに何を言われるか分かんねぇし」
ガシガシと頭を掻く陽向の頬は、ほんのりと赤くなっている。
お父さんに叱られるのが理由だとしても、嬉しいな。
私はゆっくりと、ショートケーキを口に含む。
「……美味しい」
「そっか。良かったな」
陽向がふわりと微笑む。
久しぶりに見る陽向の笑顔に、私の胸はきゅんと鳴る。
この日久しぶりに陽向の優しさを感じて、私は改めて陽向が好きだと思った。
陽向は顔色を変えることなく、黙々とモンブランを食べている。
「やだあ。最高じゃない」
「それでね……」
他のお客さんが楽しそうに会話する声が聞こえるなか、私たちの席だけ沈黙が流れる。
「……」
うう。き、気まずい。けど、せっかく一緒にいるんだし、何か話したほうが良いのかな? でも、話すにしても一体何を話せば……。
陽向とふたりきりという状況に、緊張からかドクドクと身体中に響くくらい心臓が激しく脈打っている。
「……ごちそうさま」
ぽつりと声が聞こえ、そちらに目をやると。陽向は胸の前で手を合わせ、いつの間にかモンブランをきれいに食べ終えていた。
「陽向、モンブラン……美味しかった?」
「……ああ」
思わず尋ねてしまったけど、陽向に無視されなくてホッとする。
たった一言返してもらっただけで、とてつもなく嬉しい気持ちになる。よし。この調子で少しでも会話を……。
「でも、まさか私たちが許嫁だったなんてびっくりだよね」
すると、陽向にギロリと睨まれる。
ひいっ。
「あのさ、分かってると思うけど。俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ?」
「わっ、分かってるよ……」
許嫁どころか、陽向と幼なじみだってことも学校では誰にも言ってないし。中学2年生になって陽向と同じクラスになってからも、学校で陽向とはまだ一度も話していないのだから。
「……」
それから再び、私たちの間には沈黙が流れる。
少しでも陽向との仲を取り戻したいと思って、勇気を出して話しかけてみたけど。やっぱり、もう昔みたいな関係には戻れないのかな。
「つーか、そのケーキ食べないの?」
「たっ、食べるよ!」
突然陽向に言われて、私は慌ててショートケーキを口にする。
「ゴホッ、ゴホゴホッ!」
だけど慌てて食べたせいで、飲み込む際に違うところに入ってしまったのか、私は思いきりむせてしまう。
みっ、水。みず~! って、さっきから緊張で喉がよく渇いて水ばかり飲んでいたから、コップはすでに空だった。
「すいません! お水もらえますか?」
「はーい」
すると陽向が素早く手を挙げ、店員さんに声をかけてくれた。
「あっ、ありがとう」
「ったく、慌てずにゆっくり食べろよ」
「ごめん……」
呆れられちゃったかな。そう思っているうちに、陽向が席を立つ。
陽向はもうとっくに食べ終わってるから、先に帰るのかな……と思っていたら。
「大丈夫か?」
なんと陽向が私の隣の席に座り、私の背中をトントンと叩いてくれる。
「ほら、ハンカチ。まだ使ってないから、これで目元の涙拭けよ」
「あっ、ありがとう」
陽向が予想外に優しくて、私は別の意味で泣けてくる。
「ごめんね。迷惑かけて……」
「いいよ。星奈が食べ終わるまで、待ってるから。ケーキゆっくり食べなよ」
「えっ。陽向、待っててくれるの?」
「ああ。俺が星奈をひとりで置いて帰れるわけないだろ。そんなことしたら、また父さんに何を言われるか分かんねぇし」
ガシガシと頭を掻く陽向の頬は、ほんのりと赤くなっている。
お父さんに叱られるのが理由だとしても、嬉しいな。
私はゆっくりと、ショートケーキを口に含む。
「……美味しい」
「そっか。良かったな」
陽向がふわりと微笑む。
久しぶりに見る陽向の笑顔に、私の胸はきゅんと鳴る。
この日久しぶりに陽向の優しさを感じて、私は改めて陽向が好きだと思った。
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