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第一章、雑誌の中のアイドル~楓サイド~
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「おはよー」
午前七時三十分。三年二組の教室のドアを開けると私は、クラスの皆に元気よく挨拶をした。
「おはよう」
「うーす」
クラスの皆が、そう返事を返してくれる。
私の名前は、小池楓。私立四葉学園中等部に通う、中学三年生。十五歳。私は、スクールカバンを自分の席に置くと、クラスで一番の親友で幼なじみである、早苗と江梨子がいる席の方へ行った。
何やら二人は、きゃあきゃあ言い合っている。
「おはよう。早苗、江梨子」
二人の背後で私がそう声をかけると、
「あっ、楓。おはよう」
「おはよう。楓」
私の方を向き、早苗こと川原早苗と、江梨子こと、杉田江梨子がそう言った。
「ねぇ、二人とも。何をきゃあきゃあ騒いでいるの?」
「これよ。これ」
早苗はそう言って、ある雑誌を私に渡した。その雑誌は、
『イマドキ!アイドル達』
という、アイドル雑誌だった。
「それで?この雑誌がどうかしたの?」
「楓、その雑誌の三ページ目開いてみてよ」
江梨子がそう言った。私は江梨子に言われた通りのページを開いた。するとそこには、五人の男の子達が写っていた。
「この人達ね、今人気アイドルグループの『STAR』なんだよ。かっこいいでしょ!?」
なぜか自慢気に江梨子がそう言う。
「それでね、この人達の名前はね、大川智君、櫻野翔君、相川雅紀君、宮永和也君、松井潤君っていうの。五人ともかっこいいけど、私が一番好きなのは、櫻野翔君なんだ。翔君はね、知的だし。しかも、あの名門私立応慶学院高等部の一年生なんだよ」
早苗がそう言って、サラサラの黒髪の男の子を指差した。
「えー。私は、大川智君がいいなぁー。おっとりしてるけど、優しそうで。それに、STARの曲も、智君が振り付けしてるんだよ!!すごくない!?」
前髪を上げている男の子を指差しながら、江梨子がそう言う。
「あーっ。翔君、本当にかっこいいー…。私、もし将来翔君と結婚したら、川原早苗から、櫻野早苗になるのかー。きゃー、照れるー!!」
「じゃあ私は、智君と結婚したら、大川江梨子になるのね!!」
二人は、きゃあきゃあ言いながら、自分の頬を抑えている。全く…。何言ってんだか…。大体、一般人が、芸能人と結婚出来るわけないじゃない。私は、二人をジト目で見た。
「ねぇねぇねえ、楓。あんたは、翔君と智君、どっちが好み?」
「ばかねぇ~。智君に決まってるでしょ。ねっ?楓。」
早苗と江梨子が、口々にそう聞いてきた。
あのねぇ~…。確かに、この人達かっこいいとは思うよ…。でも、
「二人には悪いけど…。私、アイドルとか、芸能人には、興味ないから…。」
私がそう言うと、二人は、驚いたような顔をした。そして、私の顔を見ると、
「はぁ!?STARの良さが分からないなんてあんた…。人生損してるわよ!私ね、STARのファンクラブに入っているの。でね、来週から行われるコンサートツアーに応募したの。STARは人気アイドルだから、」
午前七時三十分。三年二組の教室のドアを開けると私は、クラスの皆に元気よく挨拶をした。
「おはよう」
「うーす」
クラスの皆が、そう返事を返してくれる。
私の名前は、小池楓。私立四葉学園中等部に通う、中学三年生。十五歳。私は、スクールカバンを自分の席に置くと、クラスで一番の親友で幼なじみである、早苗と江梨子がいる席の方へ行った。
何やら二人は、きゃあきゃあ言い合っている。
「おはよう。早苗、江梨子」
二人の背後で私がそう声をかけると、
「あっ、楓。おはよう」
「おはよう。楓」
私の方を向き、早苗こと川原早苗と、江梨子こと、杉田江梨子がそう言った。
「ねぇ、二人とも。何をきゃあきゃあ騒いでいるの?」
「これよ。これ」
早苗はそう言って、ある雑誌を私に渡した。その雑誌は、
『イマドキ!アイドル達』
という、アイドル雑誌だった。
「それで?この雑誌がどうかしたの?」
「楓、その雑誌の三ページ目開いてみてよ」
江梨子がそう言った。私は江梨子に言われた通りのページを開いた。するとそこには、五人の男の子達が写っていた。
「この人達ね、今人気アイドルグループの『STAR』なんだよ。かっこいいでしょ!?」
なぜか自慢気に江梨子がそう言う。
「それでね、この人達の名前はね、大川智君、櫻野翔君、相川雅紀君、宮永和也君、松井潤君っていうの。五人ともかっこいいけど、私が一番好きなのは、櫻野翔君なんだ。翔君はね、知的だし。しかも、あの名門私立応慶学院高等部の一年生なんだよ」
早苗がそう言って、サラサラの黒髪の男の子を指差した。
「えー。私は、大川智君がいいなぁー。おっとりしてるけど、優しそうで。それに、STARの曲も、智君が振り付けしてるんだよ!!すごくない!?」
前髪を上げている男の子を指差しながら、江梨子がそう言う。
「あーっ。翔君、本当にかっこいいー…。私、もし将来翔君と結婚したら、川原早苗から、櫻野早苗になるのかー。きゃー、照れるー!!」
「じゃあ私は、智君と結婚したら、大川江梨子になるのね!!」
二人は、きゃあきゃあ言いながら、自分の頬を抑えている。全く…。何言ってんだか…。大体、一般人が、芸能人と結婚出来るわけないじゃない。私は、二人をジト目で見た。
「ねぇねぇねえ、楓。あんたは、翔君と智君、どっちが好み?」
「ばかねぇ~。智君に決まってるでしょ。ねっ?楓。」
早苗と江梨子が、口々にそう聞いてきた。
あのねぇ~…。確かに、この人達かっこいいとは思うよ…。でも、
「二人には悪いけど…。私、アイドルとか、芸能人には、興味ないから…。」
私がそう言うと、二人は、驚いたような顔をした。そして、私の顔を見ると、
「はぁ!?STARの良さが分からないなんてあんた…。人生損してるわよ!私ね、STARのファンクラブに入っているの。でね、来週から行われるコンサートツアーに応募したの。STARは人気アイドルだから、」
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