15 / 93
二人目:吟遊詩人は少女に謳う
少女と詩人3
しおりを挟む
男の表情は明らかに、先ほどの煙草の作用なのか かなりとろんとしている。
逃げるなら今しかないと思ったメアリーは思いっきり男をビンタすると
男の掴んでいる両手の力が緩む、その瞬間を突いて するりとベッドから抜け出すと部屋を飛び出した。
無我夢中になって屋敷から飛び出す。
行く宛などないが、ただひたすらに走った。
足は砂まみれで肌は露出するくらいボロボロの服。
気づけば崖の上に私は来ていた。
真っ暗の青暗い空に浮かぶ満月だけが私を見ている。
軽く ふぅ・・と吹きすさぶ風
ここから身を投げ出してしまえば楽になれるのだろうか
いまよりも楽になれるんじゃないかと 私は本気で思った
少女が 吸い込まれるように崖下に 2,3歩 歩いた時に
崖とは正反対の方向から吸い込まれるような音色が聞こえ始める。
「・・・♪・・・・・・~♪・・」
ここからでは何も見えない、でも微かに聞こえる 何かの音
「・・・~♪・・・・・~♪」
「・・・フルート・・?」
私は吸い込まれるようにその音の鳴る方に足を進めた。
その音はだんだん大きくなっていく
森の中に入ったところでポゥ・・・と小さな明かりが見えてくる
切り株に明かりを置いて、銀色のフルート、薄緑のコートを着た男の姿
演奏が急に止まり、ボフッと何かに包まれる感覚におちいる。
それはだんだん暖かく、心地のよい感触に変わった。
「とても、辛い事があったんだね・・もう大丈夫だよ」
私は ハッと我に帰ると
ぎゅっと抱きしめられていた。
何が起きているのかわからないけど、とても顔が熱くなっている。
でも、心地よい、あまりにも心地のよさに私は意識を失いそうになっていた。
その時、ガサガサと草むらを掻き分けて男が出てくる。
旦那様だ。
逃げるなら今しかないと思ったメアリーは思いっきり男をビンタすると
男の掴んでいる両手の力が緩む、その瞬間を突いて するりとベッドから抜け出すと部屋を飛び出した。
無我夢中になって屋敷から飛び出す。
行く宛などないが、ただひたすらに走った。
足は砂まみれで肌は露出するくらいボロボロの服。
気づけば崖の上に私は来ていた。
真っ暗の青暗い空に浮かぶ満月だけが私を見ている。
軽く ふぅ・・と吹きすさぶ風
ここから身を投げ出してしまえば楽になれるのだろうか
いまよりも楽になれるんじゃないかと 私は本気で思った
少女が 吸い込まれるように崖下に 2,3歩 歩いた時に
崖とは正反対の方向から吸い込まれるような音色が聞こえ始める。
「・・・♪・・・・・・~♪・・」
ここからでは何も見えない、でも微かに聞こえる 何かの音
「・・・~♪・・・・・~♪」
「・・・フルート・・?」
私は吸い込まれるようにその音の鳴る方に足を進めた。
その音はだんだん大きくなっていく
森の中に入ったところでポゥ・・・と小さな明かりが見えてくる
切り株に明かりを置いて、銀色のフルート、薄緑のコートを着た男の姿
演奏が急に止まり、ボフッと何かに包まれる感覚におちいる。
それはだんだん暖かく、心地のよい感触に変わった。
「とても、辛い事があったんだね・・もう大丈夫だよ」
私は ハッと我に帰ると
ぎゅっと抱きしめられていた。
何が起きているのかわからないけど、とても顔が熱くなっている。
でも、心地よい、あまりにも心地のよさに私は意識を失いそうになっていた。
その時、ガサガサと草むらを掻き分けて男が出てくる。
旦那様だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる