原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

二人目：吟遊詩人は少女に謳う

少女と詩人１０

炭鉱の中に入ってしばらく進むと大勢の人たちが　つるはしを片手に
カツーンカツーンと穴を掘っているのが見えた。
なるほど、とりあえず穴を掘ればいいという仕事らしい。
ちょうど足元につるはしがあったのでそれを手に取り穴を掘り始める。
ちょうど彫り始めた時に、横にいた男が話しかけてきた。
かなり身長が小さく思える、見た目は１４歳くらいにしか見えない。
「あの・・・あなたも奴隷ですか？」
「あー・・・いや・・うーん　まぁそんな感じなのかなぁ」
とりあえずここは奴隷ということで通しておいたほうがよさそうだな。
「そうですかぁ、やっぱりここにいる人たちはほとんどが奴隷なんでしょうね」
「ほとんどってことは、奴隷じゃない人もいるのかい？」
「ええまぁ、ほら、あそこの連中」
男が指を指した方をチラっと見るとそこにはガラの悪そうな大男が３人。
地べたに座り込んで大笑いをあげている。
「あの人たちはこの仕事のオーナーのファミリーだそうで　ここではかなり好き勝手してるみたいですから　あなたも気をつけた方がいいですよ。」
「なるほど・・・確かに怖そうな人達だね」
「おっ」
話をしてる最中に男が何かを見つけて小さく喜んだ。
「エメラルドだ、小さいけど　間違いない」
「へぇ、宝石もでてくるのか　ここの炭鉱は」
その話を聞いて驚く
「え・・あなたは何を言ってるんです？この宝石が目的のはずでしょう」
「え？ああ、あーそうだね　そうだったそうだった」
カツーンカツーンと手汗を握り締めながら穴を掘る。
「まぁ・・ぼくが欲しいのはエメラルドではなくダイアモンドですが・・」
「ダイアモンドも出るのか・・・・」
男の目線が痛い
「あなた・・説明をあまり聞かなかったみたいですね・・いいでしょう軽く説明してあげます
いいですか、この炭鉱では３つの宝石が取れる採掘場なんです。
エメラルド、ルビー、ダイアモンドの３つです。
エメラルドとルビーは小さいものだったら３００フォートン
大きいものだったら１０００フォートンくらいです
そしてダイアモンドは小さいものでも１００万フォートンもするんです。」
「ひゃ、ひゃく・・・！」
あまりの値段に採掘する手が止まる。
「まぁ・・・ダイアモンドは今まで３人くらいしかまだ出た人はいないくらい滅多に出ることはないです・・・って話聞いてます？」
アベルは値段のすごさに固まっていた。
「そういえば、名前をまだ教えていませんでしたね、私の名前はロンっていいます　あなたは？」
「私は、アベルだ　よろしくロン」