原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

ジンクス

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三人目:魔王の娘ヘルクレア

魔王の娘ヘルクレア1

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再び森に静寂が舞い降りたとき、聞きなれた声が聞こえ始める。
「コレハ驚イタ、マサカ三大邪悪ノ一人ヲ倒スナンテネ」
天空に目いっぱいに広がるほど巨大な魔方陣が描かれ、その中心から大きなワームホールが口を広げた。

その空間から現れたのは全長200Mくらいはあるだろうか、その身を銀色に包んだドラゴンの姿。
「魔神龍、ドーンベルグか」

龍はヘルクレアを見下ろす、目視はできないが
お互い動けないほどのピリピリとした魔力のぶつかり合いが静かに行われ、空間が張り詰める。


「ルドラノ魔力ガ消エタカラ、マサカト思ッテ来テミレバ案ノ定ダ」
「ドウヤッテ倒シタノカハ知ラナイケド、ボクガ来タンダ、観念シタラドウダイ?」

「何を言い出すのかと思えば・・・くだらないな、今ならハッキリとわかる。
今の魔力は、お前に匹敵するほどに高まっているとな。」

「ソンナハッタリデ、コノボクヲ倒セルト思ッテイルノカイ?愚カダネ」

ヘルクレアは刀身を下に向け構えた。

「フッ・・・ハッタリかどうか、その眼に焼き付けるがいい」

ヘルクレアは大地を飛脚すると龍の頭に剣戟を繰り出そうとした。
しかし龍は口をあけ、その大きな口から炎を吐き出してきた。
その炎は、簡単にヘルクレアを包み込むと、すぐに灼熱へと変わった。
「くっ・・・!!」
ヘルクレアは体全体に魔力の波動を常に出し防護していたが、その魔力壁もじょじょに磨り減っていく。
「フンッ!!!!」
さらに魔力を高め、気合で乗り切ると同時に龍の顔に切り込む。

紫色の血が吹き出ると、怯んだ龍が顔を押さえようと手をあげてくる
その手に向かってさらに飛翔し

「ハアッ!!!」

ヘルクレアが振り切ると、衝撃刃が生まれ、自分の何倍ものある片腕をバッサリと切り落とした!!
爆発するように大量の血が噴出し腕はグルグルと回りながら弾け飛んだ。

「グアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

ヘルクレアは大地に着地し、剣についた血を振りほどき、自分の長髪を手で払った。

「どうした、ドーンベルグ、貴様の力、この程度か?」

「バ、バカナ・・・コノ短時間ノ間ニ何ガアッタッテ言ウンダ」

「さぁな、私にも検討がつかない、だが、この世界に来てから私の魔力が高まったことは間違いない」

「さぁ、かかってこい。まだ腕が一本ちぎれたくらいだ」

「図ニ乗ルナヨ・・・小娘ガアアアア!!!!」

キュイィインっと耳鳴りが鳴る。

「っ!!」

耳鳴りだけじゃない、この音が鳴ってる間は体が動かない!!!

「か、体がっ・・・!!」

ものすごい重力の圧がかかっているかのように、立ってられなくなり
ついにその両膝を大地にどっしりとひざまづいてしまう。

「ハハハッ!!!!ミロ!!ドウダ、コレガボクノ力サ
ドウスルコトモデキナイダロウ?」

「コイツハ腕ノオ返シダ」
龍の口から黒紫の魔力球らしきものが形成されていく
バチバチと魔力の塊が空気に触れる。

その魔力球は容赦なくヘルクレアに投げ込まれた。
投げ込まれた瞬間に半径100Mくらいが一瞬で粉々になりクレーターができあがる。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」

引きつったような叫び声をあげるヘルクレア
叫びと、つまるような声の叫びが永遠と続く。

いまヘルクレアは圧倒的な重力と8億ボルトという高電圧の塊の中に身をおかれている。
常に失神するレベルの感電を受けながらもなお、自我を保っていられるのは
間違いなく、その身に宿る魔力のおかげだろう。

(くそ・・・眼がチカチカする、限界が近いかもしれない)


その時だった。
バタバタバタバタバタバタバタと遠くのほうから音が聞こえ始める。

空を見上げると、一台のヘリコプターが飛んでいた。




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