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三人目:魔王の娘ヘルクレア

魔王の娘ヘルクレア10

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「レイフレイム!!!」

無数の光の玉をまとわりつかせ、その真ん中にオレンジ色に光る魔力球がきりもみのように尾を揺らせ滝谷に向けて放たれた。
「ウワアアアア!!!!」
とっさに剣を盾ににして直撃した。

小規模の爆発、爆発と同時に強い閃光と爆風で本来なら木っ端微塵になっているが
シュゥウ・・・と白い煙が晴れると、そこにはゲホゲホとさせながら滝谷が立っていた。
「この程度ではダメか、ならっ」

(おい、てめー!!今 俺様を盾にしやがったな!!こんな状況じゃなかったら魂吸い取ってぶっ殺してたからな!)
(ご、ごめん)

(ぐだぐだゆってんじゃねー!!おら!!次が来たぞ!!!)
先ほどと同じ魔法が今度は50球くらい飛翔してきた。

「こんなのどうしろって言うんだよおおおおおお!!!」

容赦なく滝谷に全ての魔力球が飛翔する。

(俺様を振れえええええ!!!!)
「ワアアアアアアアア!!!!!」
滝谷はわけもわからず、目をつむって、ブンブンっと適当に振りまくった。

魔剣から放たれる無数の光の刃が全ての魔力球に向かって飛翔した。

魔力と魔力がぶつかり合い、いたるところで小さな爆発が起きる。

「流石は、魔剣。その一振りで幾度も世界を崩壊させてきただけはあるな
だが、ファントムダンサーよ、使用者を間違えたな、そやつはただの小僧にすぎぬ
剣術など皆無、ならば接近戦でカタをつけさせてもらうまで!!」

ルセインは空間を歪ませ、そこから闇のオーラをまとわせた長剣を取り出した。

「ファントムダンサーには遠く及ばないが
私の所有する魔剣の中で、もっとも強い力を持っている魔剣、《ダークスレイブ》
この剣を持ってお相手しよう。」

(気をつけろ小僧、あいつから伝わってくる魔力胎動、並のもんじゃねー
いくら基礎ステータスを底上げしてるからつっても、今のお前じゃ互角か、それ以下だ)

「気をつけろってゆわれてもなぁ」

ルセインはその場からシュンッと消えると 滝谷の眼前に現れると同時に居合い斬りをしてきた

が、滝谷の目にはルセインの動きをなんとか見れていたようで魔剣で受け流す。

しかし、そこは剣術を知っているルセインが有利で受け流されたあと
追い討ちで、滝谷の背中を突いた。

痛みを感じる滝谷。しかしそれほどの痛みではない、体に流れる魔力と魔剣から流れ込む魔力のおかげだろう。

しかし、滝谷は吐血した。
「がはっ・・ごほっ」
大地に両膝をつき血を吐く。
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