10 / 10
〜コロとゴセのゆくえ〜
しおりを挟む
「一体,どこに向かってるんだ??」
「あれ? コロ起きたの? 今からちょっと病院に行くからじっとしててね」
子分だけではなく,ご主人達も一緒のようだった。
病院に到着すると私はカゴから出され,二人の知らない人間に体のあちこちを触られた。
普段ご主人達や子分が私を触るような感じではなく,私の体の隅々を触り,異常がないか確認しているような感じだった。
「いい子だ! 偉いぞ。もう少しじっとしててくれよ?」
私の体に微かに痛みが走った。しかし,すぐにその痛みは引いていく。
「よし! これでとりあえずは終わりだ。頑張ったな」
先程とは違った触り方で,私は人間に撫でられた。
再びカゴの中に入り,カゴの中で待たされる事に。
隣ではご主人達と子分,そして先程の人間が何やら話しているようだった。
話が終わると,子分が私のカゴを持って再び車に乗って移動し,家に帰った。
「お家に到着したよコロ! 出ておいで」
カゴのドアが開かれて,やっと落ち着いく事が出来る。伸びをしながら私は欠伸をした。
私は食事もしないで横になり眠りについた。
突然,子分の人格が変わってしまった。
ドカッ!!
痛い……お腹に突然鈍い痛みが走り,痛みで目を覚ました。
「バカ犬、こんな所で寝てんじゃねえよ!」
子分にさらに足で顔面を前蹴りされた。
痛い! 痛いよ……。
この日から毎日、毎日,子分からいじめられるようになった。
ご主人達はいつもと変わらないが,子分の態度だけが変わってしまった。
子分は、ご主人達の前では私の事をいじめるような事はしなかった。
でも二人きりになると私の事を目の敵のようにいじめてきた。
家に子分が帰ってくると私の事を毎日毎日蹴ったり叩いてきたりした。
しっぽを持って持ち上げられ,宙ぶらりんにされたりもした。
「バカ犬! 起きろよ!」
お腹の辺りを蹴られ,さらにしっぽを持たれて宙ぶらりんにされた。
「痛い痛い! しっぽ取れちゃうよ!」
「うるさいバカ犬!!」
子分に体を叩かれた。
「痛い痛い……」
私は子分の足を噛んだ。子分が手を離す。
「いったーー! 何すんのよ! このバカ犬!」
子分が私の顔を強くぶった。
私は何がどうしたのか? 子分に何があったのか分からなかった……。
どうして子分が私にこんな事をするのか全く分からなかった……。
外に連れて行ってくれる事もあったが、散歩もいつもと変わってしまった。
今までの半分以下の距離しか子分は外を連れて行ってくれなかった。
そして,子分と私が大好きだったボール遊びもしなくなった。
ボールを持つと,私の体を目掛けて子分は投げてきた。
私は避けたりするのだが、避けると子分は怒って再びボールを強く私に当ててくるのだった。
避けると怒るから私は痛いけど我慢してボールに当たる事にした。
「避けんじゃねぇぞ!! おら!!」
子分との毎日はそんな日常へと変わっていった。
若かったら反抗も出来たし、暴れたり出来たかもしれないが、今の私には反抗出来る,若さと体力がなかった。
だんだんと起きている時間よりも寝ている時間の方が長くなる日々を私は自覚していく。
そんな私に腹が立つのか,子分は私をいじめてくる。
いじめは日に日にエスカレートしていった。
強い光が突然目に入り,僕は目を覚ました。
「ん~眩しいな~,眠れないよ~,ここはドコ~」
「コロー!! コロー!!」
僕は誰かに抱きつかれた。一体誰だ? ああ……でも何だか心地よい懐かしい匂いがする。
僕に抱きつく人間は声を出しながら泣いているようだった。
何だよ……。
俺の子分はまた泣いてるのか? しょうがない奴だな。大きくなってもずっと泣き虫だな!
仕方ないな。俺が元気付けてやるか。
俺は舌を使って子分の涙を拭った。
「コロごめんね……いっぱい虐めたから痛かったでしょ? いっぱい虐めたから私の事嫌いになったでしょ? 人間の事を嫌いになったでしょ? いっぱい恨んだでしょ?」
「だから……だから幽霊になって私に会いに来てよ! 化け物でも妖怪でも何だっていい! 私の前に現れてよ! それでずっと一緒に居てよコロ!」
子分は,また何か嫌な事があって泣いてるのだろうか?
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
大粒の涙が私の体を濡らす。
ああ……そうかぁ……優子は私の為に泣いてくれているのか。
いつも自分の事ばっかで泣いていた優子が。
私の方が,私のこそが優子に感謝して泣きたいくらいだ……。
優子のおかげで私の世界の毎日は,虹色に輝いて見えていたよ……ありが―― 。
「いやぁぁぁ!! コロ死んじゃいやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
コロは優子の胸の中で息を引き取った。
優子はしばらくコロを抱いたまま動こうとはしなかった。
その後,優子の前にコロが現れることはなかった。優子は悲しいと思っていたけれど,コロとの想い出が消えたわけではない。
優子の中にコロは生き続けている。コロとの想い出を胸に優子は強く生きていく。
高校では優子が目指した金賞を獲り,次の大会へと進む事が出来た。
そして以前の男とは違って優しい男性と,お付き合いもした。
優子は充実した高校生活を送った。だけど優子がコロを忘れる事は決してなかった。その生活の中に,いつも隣にコロが居てほしいと優子は思っていた。
優子は後に獣医学部に合格し,獣医になったという。
「あれ? コロ起きたの? 今からちょっと病院に行くからじっとしててね」
子分だけではなく,ご主人達も一緒のようだった。
病院に到着すると私はカゴから出され,二人の知らない人間に体のあちこちを触られた。
普段ご主人達や子分が私を触るような感じではなく,私の体の隅々を触り,異常がないか確認しているような感じだった。
「いい子だ! 偉いぞ。もう少しじっとしててくれよ?」
私の体に微かに痛みが走った。しかし,すぐにその痛みは引いていく。
「よし! これでとりあえずは終わりだ。頑張ったな」
先程とは違った触り方で,私は人間に撫でられた。
再びカゴの中に入り,カゴの中で待たされる事に。
隣ではご主人達と子分,そして先程の人間が何やら話しているようだった。
話が終わると,子分が私のカゴを持って再び車に乗って移動し,家に帰った。
「お家に到着したよコロ! 出ておいで」
カゴのドアが開かれて,やっと落ち着いく事が出来る。伸びをしながら私は欠伸をした。
私は食事もしないで横になり眠りについた。
突然,子分の人格が変わってしまった。
ドカッ!!
痛い……お腹に突然鈍い痛みが走り,痛みで目を覚ました。
「バカ犬、こんな所で寝てんじゃねえよ!」
子分にさらに足で顔面を前蹴りされた。
痛い! 痛いよ……。
この日から毎日、毎日,子分からいじめられるようになった。
ご主人達はいつもと変わらないが,子分の態度だけが変わってしまった。
子分は、ご主人達の前では私の事をいじめるような事はしなかった。
でも二人きりになると私の事を目の敵のようにいじめてきた。
家に子分が帰ってくると私の事を毎日毎日蹴ったり叩いてきたりした。
しっぽを持って持ち上げられ,宙ぶらりんにされたりもした。
「バカ犬! 起きろよ!」
お腹の辺りを蹴られ,さらにしっぽを持たれて宙ぶらりんにされた。
「痛い痛い! しっぽ取れちゃうよ!」
「うるさいバカ犬!!」
子分に体を叩かれた。
「痛い痛い……」
私は子分の足を噛んだ。子分が手を離す。
「いったーー! 何すんのよ! このバカ犬!」
子分が私の顔を強くぶった。
私は何がどうしたのか? 子分に何があったのか分からなかった……。
どうして子分が私にこんな事をするのか全く分からなかった……。
外に連れて行ってくれる事もあったが、散歩もいつもと変わってしまった。
今までの半分以下の距離しか子分は外を連れて行ってくれなかった。
そして,子分と私が大好きだったボール遊びもしなくなった。
ボールを持つと,私の体を目掛けて子分は投げてきた。
私は避けたりするのだが、避けると子分は怒って再びボールを強く私に当ててくるのだった。
避けると怒るから私は痛いけど我慢してボールに当たる事にした。
「避けんじゃねぇぞ!! おら!!」
子分との毎日はそんな日常へと変わっていった。
若かったら反抗も出来たし、暴れたり出来たかもしれないが、今の私には反抗出来る,若さと体力がなかった。
だんだんと起きている時間よりも寝ている時間の方が長くなる日々を私は自覚していく。
そんな私に腹が立つのか,子分は私をいじめてくる。
いじめは日に日にエスカレートしていった。
強い光が突然目に入り,僕は目を覚ました。
「ん~眩しいな~,眠れないよ~,ここはドコ~」
「コロー!! コロー!!」
僕は誰かに抱きつかれた。一体誰だ? ああ……でも何だか心地よい懐かしい匂いがする。
僕に抱きつく人間は声を出しながら泣いているようだった。
何だよ……。
俺の子分はまた泣いてるのか? しょうがない奴だな。大きくなってもずっと泣き虫だな!
仕方ないな。俺が元気付けてやるか。
俺は舌を使って子分の涙を拭った。
「コロごめんね……いっぱい虐めたから痛かったでしょ? いっぱい虐めたから私の事嫌いになったでしょ? 人間の事を嫌いになったでしょ? いっぱい恨んだでしょ?」
「だから……だから幽霊になって私に会いに来てよ! 化け物でも妖怪でも何だっていい! 私の前に現れてよ! それでずっと一緒に居てよコロ!」
子分は,また何か嫌な事があって泣いてるのだろうか?
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
大粒の涙が私の体を濡らす。
ああ……そうかぁ……優子は私の為に泣いてくれているのか。
いつも自分の事ばっかで泣いていた優子が。
私の方が,私のこそが優子に感謝して泣きたいくらいだ……。
優子のおかげで私の世界の毎日は,虹色に輝いて見えていたよ……ありが―― 。
「いやぁぁぁ!! コロ死んじゃいやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
コロは優子の胸の中で息を引き取った。
優子はしばらくコロを抱いたまま動こうとはしなかった。
その後,優子の前にコロが現れることはなかった。優子は悲しいと思っていたけれど,コロとの想い出が消えたわけではない。
優子の中にコロは生き続けている。コロとの想い出を胸に優子は強く生きていく。
高校では優子が目指した金賞を獲り,次の大会へと進む事が出来た。
そして以前の男とは違って優しい男性と,お付き合いもした。
優子は充実した高校生活を送った。だけど優子がコロを忘れる事は決してなかった。その生活の中に,いつも隣にコロが居てほしいと優子は思っていた。
優子は後に獣医学部に合格し,獣医になったという。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる