小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

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第二章

危険×危険×危険

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 「ガッハッハ。ガッハッハ」
 笑い声が響く。

 倒れていたバーフェンがムクッと立ち上がると、体中が銀色に輝いていた。

 「勝ったと思ったか? これからが本番じゃ!」
 首を左右に動かしゴギッ、ゴギッと関節を鳴らす。

 「ありゃあ一体なんだ??」
 (きっとバーフェンの魔法だよあれが)

 「あれが?」
 (身体強化の鉄魔法だよきっと)

 「そんな魔法があるのかよ」
 (魔法には魔力を持つ人間の数だけ可能性があるとも言われているからね)

 バーフェンは立つ事が出来ているが、どうやら身体はまだしっかり動かせていないようだった。
 「悪いですが、いまのうちに攻撃させてもらいますよ」

 アウグスト辺境伯はバーフェンに攻撃を仕掛ける。
 ガキンッ! ガキンッ! と一切攻撃が通らず、弾かれていく。

 「ガッハッハ! どうした? どうした? 全く効かんぞ!」
 「これはどうしたものでしょうか? 困りましたねぇ」

 「やっと体がいうことを聞くようになってきたぞ?」
 グルングルンと肩を回しながら歩くバーフェン。地面に落ちた槍斧を手に取ると、体の動きを確かめるように槍斧を振り回す。

 槍斧を構えた刹那、バーフェンが姿を消す。
 正確に言うと消えた訳ではない。先程よりも圧倒的なスピードで踏み込んだのだ。

 辺境伯の馬の足元につけたバーフェンは、馬の足を切り落とす。
 馬の鳴き声と血しぶき、馬から落ちる辺境伯。
 
 すぐに立ち上がろうする辺境伯の隙きをバーフェンは狙おうとする。
 しかし、動こうとするバーフェンの足元が沼のようになり足首よりも上まで埋まり、思うように動けないでいる。

 よく見ると、二人が戦っている地面がいつの間にか沼になり、ドロドロになっていた。

 辺境伯による魔法の仕業だろう。
 ただ、本人でさえきっと戦いづらいと思う。

 そんな戦いづらいであろう場所でも関係なく、目にも留まらぬ攻防を繰り広げていた。
 アウグスト辺境伯は、避ける、避ける、避けて、避けまくる。
 対してバーフェンは攻撃を繰り出し続ける。

 「このまま続けたらアウグスト辺境伯まずいんじゃないか?」

 「「「「おっ! おっ! バーフェン!」」」」
 「「「「おっ! おっ! バーフェン!」」」」
 
 「「「「アウグスト! アウグスト!」」」」
 「「「「アウグスト! アウグスト!」」」」

 周りもさらに盛り上がっていく。

 「うりゃあああああ」
 バーフェンが槍斧を振り下ろす。

 空を切った槍斧が地面に突き刺さる。
 まるで水を切ったかのように沼が左右に割れた。

 その時、突然バーフェンが膝をついた。
 「お……まえ! クソ! クソが! 毒を仕込んでやがったなアウグストーー!!」
 動かなくなったバーフェンの体を地面がどんどん呑み込んでいく。

 「私は用心深い性格ですからね、バーフェン将軍が最も戦いづらく、そして私が戦いづらいのもバーフェン将軍です。申し訳ありませんが、勝たせてもらいます! 次はありません。次は勝てませんからね!」
 どんどん沈んでいくバーフェン。

 「動けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 そして……最後まで体が呑み込まれていった。
 アウグスト辺境伯が最後まで見届け、拳を天につき上げる。

 「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」
 その場にいる兵士から割れんばかりの雄叫びが上がった。

 誰もが歓喜している中で、俺の目の端にキラリと光る物が見えた。
 俺はすぐに動き出し、アウグスト辺境伯の元へと全速力で駆けた。

 光る物体が辺境伯に届く前に、俺はそれを素手で掴んだ。
 「ジャン子爵ですか??」

 「あんた狙われてたぜ」
 掴んだ矢を見せる。

 「私とした事が勝利して油断していましたね。ありがとうございます」
 「あんた実力隠してたんだな! 本当に食わせ者だな!」
 「褒めて頂いてありがとうございます」

 遠くの方で声が聞こえた。
 「まだ終わってない! 我々ベラトリア連合国はまだ死んではない! 撤退しろ!」
 ここまで通る声で発す女性が。

 「あれが子爵の言っていたシルビアですか?」
 「そうですよ。この矢で辺境伯を狙った奴です」

 「なるほど……なるほど。さて、混乱していますからね! このまま追撃しますよ!」
 辺境伯が部下に指示を出すと、軍が動き出した。

 「「「おおおおおおおお!!」」」
 ベラトリア連合国の兵士達を追い立てる。

 「ジャン子爵もお願いしますよ! 出来るだけ兵をすり潰してきて下さい」
 「人使いが荒いなぁ~ホント!」

 「褒めて頂いてありがとうございます」
 「ほめてねぇ~よ!」
 俺達アウル軍も辺境伯軍と共に連合国の逃げていく兵士を殲滅していく。

 たった一日で大勝利を収めた言って良いだろう。
 しかし、全てが終わった訳ではない。

 その日の夜、アウグスト辺境伯のテントに集められた。
 
 「お疲れ様です! 勝利の美酒、祝い酒といきたい所ですが、そういう訳にもいかないようです。一つはヴァリックの娘であるシルビアが総大将の後を継いで軍を編制し立て直しているそうです。数はあちらが多いですからね。また攻めてきそうです!」

 「さらに言うと、戦いはここだけはありません。国の中央と左翼。他の戦場でかなり苦戦しているという情報が入ってきました」
 「あのホーク家とクロウ家が苦戦してるという事ですか!?」
 一人の貴族が突然大きな声を出す。

 (ロベルタとレオンの親だよな? 苦戦してるなんて一大事なのか?)
 (僕のアウル家とは違って今でも侯爵の称号持つ実力者だよ? ロア王国の最高戦力と言ってもいい……)
 (ふ~ん)

 「簡単に言ったらそういう事になります。現場に居るわけではありませんから詳細はわかりません。それでここの軍からジャン子爵を援軍に出す事にしました!」
 ネチャ~と気色悪い笑顔を見せるアウグスト辺境伯。

 「えっ!? 私ですか!? 何故ですか!? それに遠いから間に合いませんって……」

 「遠い事は問題ありません。これがありますから」
 辺境伯は胸元から水晶を取り出した。

 「これは転移出来る魔法が込められた水晶です。何度も使える代物ではありませんが、今回特別に国王様から預かっています。すぐに援軍に行けるようにと! それにここはもう平気です。この辺りの土地に詳しい我々に任せて下さい」

 「それでも何故、私なのでしょうか?」
 「それはもうね、皆さんはどう思われますか?」
 アウグスト辺境伯は周りにいる貴族達に意見を問う。

 「私は、はっきり言ってジャン子爵の事を侮っていました。まだ子供で戦も知らないだろうと。しかし、あのヴァリックを仕留めたのです! ヴァリックという武将を知っているからこそジャン子爵が達成した事が如何に凄い事なのかを知っています。我々の誰かが援軍に行くよりもジャン・アウル子爵が援軍に行く方がきっと役に立ちます」

 一人の貴族が言った発言を周りにいる貴族達も頷く。

 「子爵。我々はあなたの事を凄いと思っているからこそ、援軍に行くのは子爵しかいないと思っています!」

 「またアウグスト辺境伯にいいように乗せられている気がするんですけど……それでも行かざるを得ない事も理解しています」

 「では今から早速送りますね!」
 「えっ!? 今からですか!?」

 「勿論です。今この瞬間だって襲撃されている可能性だってありますから」
 「分かりました……」
 ジャン達はすぐに準備し、中央の広場に集められた。

 「準備が出来ましたか?」
 辺境伯とその他の貴族達全員が集まっている。

 (なんか俺達働き過ぎじゃないか?)
 「辺境伯……一つ聞きたいんですが、バーフェンの動きを止めたのはどうやったのですか?」

 「あれですか? 一つは技術、もう一つは毒です!」
 「アウグスト辺境伯は食えない方ですね」
 「ありがとうございます。それではいきますよ?」
 「ふぅ~。お願いします」

 手に持った水晶に辺境伯が魔力を流すと、足元に大きな魔法陣が現れた。
 そして、周りが碧い光に包まれ、光が強くなっていく。

 視界が一瞬、真っ白に。


 気付くと辺りが暗い場所に放り出された。
 目がまだ慣れない。

 「お前達は誰だ!? 一体どこから現れた!?」 
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