小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

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第三章

上に立つ者の覚悟と矜持

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 聖女アダムスを殺して欲しい。
 慎み深い彼女の口から出たとは思えない程、強い口調と決意が感じられた。

 「穏やかな発言ではありませんねテレジア様」
 「……はい」

 「理由をお尋ねしてもよろしいでしょうか?」
 ルイス国王にそう尋ねられたテレジアは、静かに口を開いていく。

 「私は良い行いをすれば、人に優しくすれば、優しくされた方も嬉しくなり他の人に優しくする。そうやって輪廻のように巡り廻っていき、人が! 国が豊かになると思っていました。その日々の生活の中で、宗教が手助けしてくれると信じています」

 「ですが、私の力だけでは、信仰だけでは救う事が出来ない……人達も居るという事が分かってきました。どうずれば平和で豊か、人々が笑って暮らせる世界を創造する事が出来るのか? それには知識も経験も、胆力や権力、人材も人格もお金も必要なんだと知りました」

 「ルイス国王は、未熟で稚拙な私の考えを汲んで下さり、その為に出来るだけの協力をして下さると言ってくれました。嘘ではなく本心からです! ですので、私も決心したのです……腐敗しきったミリア教を直したいと。宗教と信仰心は、私腹を肥やす為に使われる道具であってはなりません。人々を豊かにするもの、人々の生活と共にあるべきものだと思っています!」

 「だからこそ今のミリア教の聖女を殺して欲しいのです。その後は、私が声を上げ、賛同者を集めれば、無血で国を明け渡す事が出来るでしょう……」

 テレジアが今なんて……?
 国を明け渡すって言ったよな?
 
 「テレジア様。ミリア教の聖女アダムス様を暗殺すれば、私達に力を貸して頂けると? 国を説得し、国を明け渡して頂けると?」
 「はい」

 「ジャン! 勿論お前なら可能だろ?」
 「勿論です。お任せ下さい」

 「その聖女アダムス様の居場所は、分かるのでしょうか?」
 「聖都にあるミリア教の総本山の教会に居るでしょう。その教会にある『聖女の間』に引き篭もっていると聞いています。『聖女の間』には特別な魔法がかけられており、そう簡単に侵入も破壊も出来ないそうです」

 「しかし、必ず週に一度外出して、アダムス様は食事をします。厳重な警備の中ではありますが、暗殺するのであれば、その時がチャンスだと思います」

 「その『聖女の間』には聖女しか入る事が出来ないのでしょうか?」
 「はいその通りです。聖女になった時に贈られる聖女の杖にしか反応せず、開けられるのは聖女だけなんです。さらに杖を持っていないと中に入れないのです」

 (やけに詳しいなこいつ……)

 「テレジア様、ミリア教について随分詳しいですね」
 俺の気持ちを代弁するかのように、ルイス国王がテレジアに聞いてくれた。

 「私の母親が……総本山にいましたから」
 そう言って俯くテレジア。表情は変わらないがどこか寂しげだった。

 「テレジア様に一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
 そう言ってジャンが一歩前に出る。

 「何でしょうか?」

 「テレジア様は今までとても清く生きてきたと思います。そう私は感じました。しかし殺して欲しいと望んだ、そのたった一言で人が死にます。自分の発した一言で人が死ぬ。死んだという事実を受け入れられる覚悟はありますか? その罪の意識を死ぬまで苛《さいな》まれながらも、テレジア様がおっしゃっていた人々の為に尽力する覚悟はありますか?」
 
 ジャンは強くも優しく、諭すようにテレジアに向けて言葉を並べた。

 「私は、今までの自分と決別する覚悟です! 現在ミリア聖国に住む人々の為に働き、力を使い、十字架を背負う覚悟があります!」

 「分かりました。 ミリア教聖女アダムスの暗殺はこのジャン・アウルにお任せ下さい! それで聖女が外出する日というのは、いつなんでしょうか?」


 「明日です」

 「「えっ!?」」
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