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第二章
〜決意表明と試練〜
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学校に到着し,いつもように授業が始まった。鉄騎に乗った野外での演習の事で,皆に提案を考えた俺は休み時間の間に皆を集めた。
「俺達のチームって変異種殲滅の作戦に入る為に,頑張ろうとしている訳だが,野外の演習でも,もっと難しい任務に就かせてくれないか? 先生に頼んでみない?」
「俺達このままだと絶対に選ばれない。それにまだ俺達ってギリギリの戦いや厳しい戦いに出くわした事もそれで勝った事もない。そんな経験もないチームが選ばれる訳がないと思うし,ましてや三年生に模擬戦で勝てるとも思えないんだよね」
「なるほどね! 確かにこのままだと三年生に勝てないよね」
「それで? 実際にはどうするんだ?」
「本当はレベル3と戦いたい! そして倒したいんだよ! その位出来ないと到底無理だと思う。だけどそんな急に行かせてもらえるとは思えないから,まずは今よりも,そうだな……レベル2が多くいるような場所に行かせてもらえないか頼んでみない?」
「レベル2なら戦いでも訓練になるし,運が良ければレベル3もいるかもしれない」
「運が良ければそのままレベル3と戦えるって事か!」
「まあそういう事。実際に俺達はレベル2と戦った事があるし,認めてもらえると思うんだよね!」
「話しは分かったわ雄二くん。いい案だと思うけど,同時に危険である事も間違いない。だから皆はどう? 私は賛成するわ」
「私も構いませんよ!」
「私も……」
「じゃあ美咲先生の所へ行きましょう」
俺たちは山口先生の元へと向かった。
「先生話があるんですけどいいですか?」
「あ? どうした?」
先程俺達が提案したい事を恭子が話し説明した。
「なるほど! 分かった。今すぐ返事は出来ない。冬月大佐と話して大佐の判断で大丈夫かどうか判断してもらうから。大佐が駄目と言ったら諦めろ? いいな?」
「わかりました。よろしくお願いします」
俺達は皆で頭を下げ部屋を後にした。
今日の授業の中で,いつものように先生と組手をしていた。だが,今日の俺は違った。
何が違ったのか? 先生の攻撃を初めて捌いたのだ。その後すぐに倒されてはしまったが,今まで全く防御も出来なかった先生の攻撃を捌いた事に俺自身成長を感じた。そして師匠との鍛錬のおかげだと思った。
「雄二お前強くなったな! 私の攻撃捌いたのは中々だったぞ」
「おかげさまで!」
「何かしてるのか? 授業だけでこうはいかないだろ?」
「え~師匠,寮の清美ねえちゃんに鍛錬してもらってます」
「え!? 清美さんに!? お前大丈夫か?」
「大丈夫ですよ! まあでもそのおかげだと思います」
「そうなると流石は清美さんって感じだな」
師匠のおかげで,俺は自分の成長を感じる事ができた。
この勢いに乗って,鉄騎の実力もそしてチームとしても成長したいものだ。
鉄騎の訓練の時,今日は何か雰囲気がいつもと違った。違ったというのは決して悪い意味ではなく,いい意味でだ。
今までも恵が豹変するおかげで,お互いがお互いに遠慮がなく発言している事が多かったが,ぶつけ合うという形ではなく,理解し合うというような感じがした。
恵も雷斗もいつも通り自分勝手だし好き勝手やっているが,どことなく理解しようとしているように見える。
秘密の共有をした事がいい結果を生んでいるのかもしれない。
次の日朝,山口先生に俺達地チームは呼ばれた。
「大佐と昨日話し合ったが,少し難しい任務を任せる許可が降りた。だからお前達のチームは今日から難しい任務に就いてもらう!」
「分かりました。美咲先生ありがとうございます!」
「別に私は何もしてないよ。最終的には大佐の判断だからな」
「まあそういう事だから」
俺達の提案は通ったようだった。ただ通っただけで,ここで結果を出していかないとそもそも意味がない頑張るしかない。
鉄騎の野外演習に出た俺達は新たな任務に就ける事を嬉しく思っていた。それに,以前にも戦った事があったから俺は正直大丈夫だろうと舐めていた。
戦ったことがあるから正直そこまで難しくないと思っていたが,俺達が戦ったのは羽化したばかりの弱いレベル2だったのだ。本当のAntsybalレベル2とは戦っていなかったのだ。
羽化して成長したレベル2は中々手強い相手なのだ。それに一体だけならまだしも何体もいると厄介極まりない!
Antsybalが厄介な所は個体個体よりも数であるという事を授業で習ったがその事が今になって身に沁みて分かる。
一体一体だけだったら俺達の相手ではない。だがレベル2は未知の場合が多いというのも厄介で,相対してみないと相手の攻撃や特徴が分からない事も多いのも厄介。
自ら鉄騎に突っ込んできて,自爆をするような個体もいた。酸のような液体を吐き出してきて,溶かすような攻撃を仕掛けてくる個体もいた。音なのか電波なのかわからないが無線のやり取りを妨害してくるような攻撃を仕掛けてくるレベル2もいた。
虫のカマキリみたいな鎌をもった昆虫なのか? どうかわからないような姿と形をしたAntsybalも存在し戦った。主には昆虫のような見た目が多かったのが,Antsybalのレベル2である。
はたまた銃口のような形をした存在のAntsybalレベル2存在して,弾丸のようなものを飛ばしてきたり,大砲なようなデカイ弾を撃ってきたり,レーザーのような焼き尽くす光線を出してくる奴までいた。
実はレベル3より厄介なのかもしれないと感じていた。それに数が多い! とにかく数が多い!
倒せど倒せど湧き出てくるAntsybalに苦労したが,どうにか俺達はなんとか対応する事が出来た。
ただ問題なのは,肝心のレベル3とまだ運悪く出くわしてないという事だ。出来る事なら三年との模擬戦の前に一度レベル3と戦ってみたい。三年はきっとレベル3と何回も戦って勝った事があるだろう。その位の実力はある!
だからこそ戦って,自分達の実力の把握と実力をアップしたいと思っている。
三年生との模擬戦までどの位の猶予がるのか?
作戦が始まるまでどの位の余裕があるのかわからなかった俺は大佐の元を訪れた。
コンコンコンと学長室の扉をノックした。
「誰だ!?」
「雄二です! 大佐に用があって来ました」
「入れ」
俺は学長室に入る。今までは誰かと一緒に入っていた学長室。一人でそして大佐と二人きりなんて初めてで正直かなり緊張していた。
大佐は怖いというよりは迫力があるというのが正しい表現だと俺は思う。声の質や声量、佇まいと姿勢、そして相手の事を真っ直ぐと見るその眼に迫力があり、ただの学生の俺はたじろいでしまう。
「雄二か! 悪いが書類が溜まっているのでな、仕事しながらでもいいか?
「はい! 大丈夫です! 話があってきました」
「どんな話しだ?」
「野外演習の事なんですけど,Antsybalのレベル3が居る所に行かせてもらえませんか?」
ピタっと大佐の動きが止まる。
「どうしてだ??」
「俺達のチームを作戦の入れて欲しいという話しをしたと思うんですけど,その為にレベル3と戦っておきたいというのが俺達チームとしての希望でして」
「わざわざ危ない所へ行く必要もないだろ?」
「俺達が三年生のチームに勝つにはレベル3くらい倒せないと勝てないと思っています。そしてましてや変異種のAntsybalはレベル3より強いと思っています。レベル3と戦った事がないので,詳しくはわかりませんがそう思っています! なので,変異種と戦う前に三年生との模擬戦前にレベル3と戦っておきたいと思ってるんです」
「誰かが死ぬかもしれないぞ?」
「かもしれません……でも誰も死なせません」
「まあ言いたいことも何故やりたいのか? も分かる。それでもどうにもならなくて,死ぬ時は死ぬんだぞ!お前達が一番分かっているだろう?」
「それでも誰も死なせないです!」
「雄二お前の心意気は嫌いじゃない! 自分達の実力を把握するのもいいだろう! 分かった許可しよう。その代わり三年の一チームと一緒に行ってもらう。何かあったときに瞬時に対応してもらう為に。それでいいか?」
「勿論です!! ありがとうございます」
「レベル3の任務には明日行ってもらうから準備をしておけ!」
「分かりました」
「では大佐失礼します!」
「そうだ雄二! 伊藤研究員がまた何やら怪しい研究してて,雄二の手を借りたいと言っていたぞ」
「え? そうなんですか? わかりました」
俺は大佐との話を終えて部屋から出る。
俺らは明日Antsybalのレベル3と戦う事が決まった。
その事をチームのメンバーに伝えた。
「雄二くん大佐に直談判しに言ったの?」
「まあそういう事になるかな?」
「それで? レベル3と戦う事になったと?」
「そういう事だね! まだどこに行くとかは知らないけど,大佐が明日三年生と一緒に行ってもらうってさ」
「なるほど! 三年も一緒なら安心な部分が大きいわね」
「それで恭子に聞きたいんだけど,レベル3ってどの位強いんだ!?」
「誰も戦った事がないから本当の意味でのレベル3の強さはわからない。ただ個体としてはAntsybalの中でも強いわ! そしてレベル2が多数存在している中で戦わないといけないと思う。それが最大に厄介な所だと思う」
「という事は相当気を使って戦わないといけない事も多そうだな」
「今までで一年生でレベル3と戦ったことがある人っているの?」
「確か会長は戦った事があるとか聞いた事があるわ」
「でも基本的には一年生は戦わないわね。危ないのもそうだし,鉄騎乗りとしての経験も実力もまだ浅いからね」
「今までで誰もやった事がなかったらちょっと心配だったけど,前例があるなら俺達でも出来そうな気がしてきたよ!」
「馬鹿だな~雄二! あの東雲会長だぜ?」
「まあそうだとは思うけども!」
「それでも戦うことが決まったからには倒すしかないわね。ここで負けるようだと三年生にも勝てないし,変異種の殲滅作戦にも選ばれる訳がないわ」
「とにかく訓練しに行きませんか? 時間もないですし!」
「私も……訓練行きます……」
「そうね行きましょうか? でも明日に備えて程々にしてね!」
「「「「了解」」」」
皆で鉄騎の訓練をしているが,どことなく動きが硬い。連携もぎこちない。
緊張しているのか? 不安なのか?
確かに明日レベル3を倒す事が出来なければ,変異種の殲滅作戦に選ばれることは絶望的になくなると思う。
財前の敵をとる事も自分達で出来なくなるだろう。そう思うと緊張しているのかもしれない!
「やめやめやめ!」
恭子が皆の動きを止める。
「私も含めて全員の動きが全然だめ。集中出来てないし,動きが駄目。こういう時は何やっても訓練にならないし,怪我に繋がる事が多いから今日は全員訓練全て終了で個人の練習も禁止! 絶対にやめて!」
「普段は絶対に言わないけど,リーダー命令」
「もう皆それぞれ明日に備えて体調を整えるだけでいいから」
恭子がそう言い訓練を終了した。確かにこういう時に限って怪我とかするものだ。
リーダーの命令を俺達は聞くことにした。
寮にそのまま戻る事にした。
「あら? 今日は早いお帰りですね」
「師匠! そうですね,明日大事な日でして,リーダーからの命令で今日は全て休みで明日に備えろと……それでですね……」
「なるほど! では今日の鍛錬はお休みにしましょうか」
「すいません!」
「いえいえ。でも明日頑張ってください」
「はい」
久しぶりにこんな時間に寮に戻ってきた。すると透が机に向かって勉強? としていた。
「あれ? 雄二今日は早いんだな!」
「ああ。リーダー恭子の命令で今日は休めだって」
「珍しいな!」
「ん~まあ明日俺達Antsybalのレベル3戦う事になったんだよ!」
「え? どういう事?」
これまでの経緯を透に説明した。
「なんか大変な事になってたんだな!」
「透こそ何やってたんだよ!?」
「いや! 色々とな勉強を……」
「そういえば,告白したのか??」
「いや! 出来てない」
「なんか会長が倒れてから,授業忙しくなったし,お前らはお前らで放課後練習したりして忙しそうだし,なんかタイミングを見失った」
「そんな事言ったら,いつまでも告白出来ないじゃん!」
「そうなんだけどさ……」
「まあ分からなくもないけどさ」
「いつ頃告白した方がいいと思う?」
「俺に聞く?」
「雄二は同じチームだし,チーム事情とか分かるだろうから,いつだったらタイミング的にいいかな? と!!」
「恭子も今は練習と訓練とで頭がいっぱいだと思うよなやっぱり。俺達が上手くいったとして,財前を殺した変異種を倒したいと思って作戦に選ばれる為に今は頑張ってるから,その作戦が終わった頃が丁度いいんじゃないかな? 選ばれなくても選ばてもいいタイミングだと思う」
「え? 変異種生きてたの?」
「そうなんだよね! 俺達が調査していた時に見つけた巣にいたんだよ。それで俺達は俺達で殲滅させてほしいって先生と大佐に言ったんだ。だけど条件付きで条件をクリアすれば作戦に加えてくてるって話になって,今練習とか訓練頑張っているんだよ」
「だからお前達だけ,何故か妙に気合入ってるのか!」
「そういう事だから! 作戦が終わった事がいいんじゃないかな?」
「次は絶対に告白しろよ??」
「次は何があっても告白するわ!」
「勢い大事だって勢い」
俺自身,明日のことで緊張していたけど,透と話すことでいつの間にか忘れていた。
「俺達のチームって変異種殲滅の作戦に入る為に,頑張ろうとしている訳だが,野外の演習でも,もっと難しい任務に就かせてくれないか? 先生に頼んでみない?」
「俺達このままだと絶対に選ばれない。それにまだ俺達ってギリギリの戦いや厳しい戦いに出くわした事もそれで勝った事もない。そんな経験もないチームが選ばれる訳がないと思うし,ましてや三年生に模擬戦で勝てるとも思えないんだよね」
「なるほどね! 確かにこのままだと三年生に勝てないよね」
「それで? 実際にはどうするんだ?」
「本当はレベル3と戦いたい! そして倒したいんだよ! その位出来ないと到底無理だと思う。だけどそんな急に行かせてもらえるとは思えないから,まずは今よりも,そうだな……レベル2が多くいるような場所に行かせてもらえないか頼んでみない?」
「レベル2なら戦いでも訓練になるし,運が良ければレベル3もいるかもしれない」
「運が良ければそのままレベル3と戦えるって事か!」
「まあそういう事。実際に俺達はレベル2と戦った事があるし,認めてもらえると思うんだよね!」
「話しは分かったわ雄二くん。いい案だと思うけど,同時に危険である事も間違いない。だから皆はどう? 私は賛成するわ」
「私も構いませんよ!」
「私も……」
「じゃあ美咲先生の所へ行きましょう」
俺たちは山口先生の元へと向かった。
「先生話があるんですけどいいですか?」
「あ? どうした?」
先程俺達が提案したい事を恭子が話し説明した。
「なるほど! 分かった。今すぐ返事は出来ない。冬月大佐と話して大佐の判断で大丈夫かどうか判断してもらうから。大佐が駄目と言ったら諦めろ? いいな?」
「わかりました。よろしくお願いします」
俺達は皆で頭を下げ部屋を後にした。
今日の授業の中で,いつものように先生と組手をしていた。だが,今日の俺は違った。
何が違ったのか? 先生の攻撃を初めて捌いたのだ。その後すぐに倒されてはしまったが,今まで全く防御も出来なかった先生の攻撃を捌いた事に俺自身成長を感じた。そして師匠との鍛錬のおかげだと思った。
「雄二お前強くなったな! 私の攻撃捌いたのは中々だったぞ」
「おかげさまで!」
「何かしてるのか? 授業だけでこうはいかないだろ?」
「え~師匠,寮の清美ねえちゃんに鍛錬してもらってます」
「え!? 清美さんに!? お前大丈夫か?」
「大丈夫ですよ! まあでもそのおかげだと思います」
「そうなると流石は清美さんって感じだな」
師匠のおかげで,俺は自分の成長を感じる事ができた。
この勢いに乗って,鉄騎の実力もそしてチームとしても成長したいものだ。
鉄騎の訓練の時,今日は何か雰囲気がいつもと違った。違ったというのは決して悪い意味ではなく,いい意味でだ。
今までも恵が豹変するおかげで,お互いがお互いに遠慮がなく発言している事が多かったが,ぶつけ合うという形ではなく,理解し合うというような感じがした。
恵も雷斗もいつも通り自分勝手だし好き勝手やっているが,どことなく理解しようとしているように見える。
秘密の共有をした事がいい結果を生んでいるのかもしれない。
次の日朝,山口先生に俺達地チームは呼ばれた。
「大佐と昨日話し合ったが,少し難しい任務を任せる許可が降りた。だからお前達のチームは今日から難しい任務に就いてもらう!」
「分かりました。美咲先生ありがとうございます!」
「別に私は何もしてないよ。最終的には大佐の判断だからな」
「まあそういう事だから」
俺達の提案は通ったようだった。ただ通っただけで,ここで結果を出していかないとそもそも意味がない頑張るしかない。
鉄騎の野外演習に出た俺達は新たな任務に就ける事を嬉しく思っていた。それに,以前にも戦った事があったから俺は正直大丈夫だろうと舐めていた。
戦ったことがあるから正直そこまで難しくないと思っていたが,俺達が戦ったのは羽化したばかりの弱いレベル2だったのだ。本当のAntsybalレベル2とは戦っていなかったのだ。
羽化して成長したレベル2は中々手強い相手なのだ。それに一体だけならまだしも何体もいると厄介極まりない!
Antsybalが厄介な所は個体個体よりも数であるという事を授業で習ったがその事が今になって身に沁みて分かる。
一体一体だけだったら俺達の相手ではない。だがレベル2は未知の場合が多いというのも厄介で,相対してみないと相手の攻撃や特徴が分からない事も多いのも厄介。
自ら鉄騎に突っ込んできて,自爆をするような個体もいた。酸のような液体を吐き出してきて,溶かすような攻撃を仕掛けてくる個体もいた。音なのか電波なのかわからないが無線のやり取りを妨害してくるような攻撃を仕掛けてくるレベル2もいた。
虫のカマキリみたいな鎌をもった昆虫なのか? どうかわからないような姿と形をしたAntsybalも存在し戦った。主には昆虫のような見た目が多かったのが,Antsybalのレベル2である。
はたまた銃口のような形をした存在のAntsybalレベル2存在して,弾丸のようなものを飛ばしてきたり,大砲なようなデカイ弾を撃ってきたり,レーザーのような焼き尽くす光線を出してくる奴までいた。
実はレベル3より厄介なのかもしれないと感じていた。それに数が多い! とにかく数が多い!
倒せど倒せど湧き出てくるAntsybalに苦労したが,どうにか俺達はなんとか対応する事が出来た。
ただ問題なのは,肝心のレベル3とまだ運悪く出くわしてないという事だ。出来る事なら三年との模擬戦の前に一度レベル3と戦ってみたい。三年はきっとレベル3と何回も戦って勝った事があるだろう。その位の実力はある!
だからこそ戦って,自分達の実力の把握と実力をアップしたいと思っている。
三年生との模擬戦までどの位の猶予がるのか?
作戦が始まるまでどの位の余裕があるのかわからなかった俺は大佐の元を訪れた。
コンコンコンと学長室の扉をノックした。
「誰だ!?」
「雄二です! 大佐に用があって来ました」
「入れ」
俺は学長室に入る。今までは誰かと一緒に入っていた学長室。一人でそして大佐と二人きりなんて初めてで正直かなり緊張していた。
大佐は怖いというよりは迫力があるというのが正しい表現だと俺は思う。声の質や声量、佇まいと姿勢、そして相手の事を真っ直ぐと見るその眼に迫力があり、ただの学生の俺はたじろいでしまう。
「雄二か! 悪いが書類が溜まっているのでな、仕事しながらでもいいか?
「はい! 大丈夫です! 話があってきました」
「どんな話しだ?」
「野外演習の事なんですけど,Antsybalのレベル3が居る所に行かせてもらえませんか?」
ピタっと大佐の動きが止まる。
「どうしてだ??」
「俺達のチームを作戦の入れて欲しいという話しをしたと思うんですけど,その為にレベル3と戦っておきたいというのが俺達チームとしての希望でして」
「わざわざ危ない所へ行く必要もないだろ?」
「俺達が三年生のチームに勝つにはレベル3くらい倒せないと勝てないと思っています。そしてましてや変異種のAntsybalはレベル3より強いと思っています。レベル3と戦った事がないので,詳しくはわかりませんがそう思っています! なので,変異種と戦う前に三年生との模擬戦前にレベル3と戦っておきたいと思ってるんです」
「誰かが死ぬかもしれないぞ?」
「かもしれません……でも誰も死なせません」
「まあ言いたいことも何故やりたいのか? も分かる。それでもどうにもならなくて,死ぬ時は死ぬんだぞ!お前達が一番分かっているだろう?」
「それでも誰も死なせないです!」
「雄二お前の心意気は嫌いじゃない! 自分達の実力を把握するのもいいだろう! 分かった許可しよう。その代わり三年の一チームと一緒に行ってもらう。何かあったときに瞬時に対応してもらう為に。それでいいか?」
「勿論です!! ありがとうございます」
「レベル3の任務には明日行ってもらうから準備をしておけ!」
「分かりました」
「では大佐失礼します!」
「そうだ雄二! 伊藤研究員がまた何やら怪しい研究してて,雄二の手を借りたいと言っていたぞ」
「え? そうなんですか? わかりました」
俺は大佐との話を終えて部屋から出る。
俺らは明日Antsybalのレベル3と戦う事が決まった。
その事をチームのメンバーに伝えた。
「雄二くん大佐に直談判しに言ったの?」
「まあそういう事になるかな?」
「それで? レベル3と戦う事になったと?」
「そういう事だね! まだどこに行くとかは知らないけど,大佐が明日三年生と一緒に行ってもらうってさ」
「なるほど! 三年も一緒なら安心な部分が大きいわね」
「それで恭子に聞きたいんだけど,レベル3ってどの位強いんだ!?」
「誰も戦った事がないから本当の意味でのレベル3の強さはわからない。ただ個体としてはAntsybalの中でも強いわ! そしてレベル2が多数存在している中で戦わないといけないと思う。それが最大に厄介な所だと思う」
「という事は相当気を使って戦わないといけない事も多そうだな」
「今までで一年生でレベル3と戦ったことがある人っているの?」
「確か会長は戦った事があるとか聞いた事があるわ」
「でも基本的には一年生は戦わないわね。危ないのもそうだし,鉄騎乗りとしての経験も実力もまだ浅いからね」
「今までで誰もやった事がなかったらちょっと心配だったけど,前例があるなら俺達でも出来そうな気がしてきたよ!」
「馬鹿だな~雄二! あの東雲会長だぜ?」
「まあそうだとは思うけども!」
「それでも戦うことが決まったからには倒すしかないわね。ここで負けるようだと三年生にも勝てないし,変異種の殲滅作戦にも選ばれる訳がないわ」
「とにかく訓練しに行きませんか? 時間もないですし!」
「私も……訓練行きます……」
「そうね行きましょうか? でも明日に備えて程々にしてね!」
「「「「了解」」」」
皆で鉄騎の訓練をしているが,どことなく動きが硬い。連携もぎこちない。
緊張しているのか? 不安なのか?
確かに明日レベル3を倒す事が出来なければ,変異種の殲滅作戦に選ばれることは絶望的になくなると思う。
財前の敵をとる事も自分達で出来なくなるだろう。そう思うと緊張しているのかもしれない!
「やめやめやめ!」
恭子が皆の動きを止める。
「私も含めて全員の動きが全然だめ。集中出来てないし,動きが駄目。こういう時は何やっても訓練にならないし,怪我に繋がる事が多いから今日は全員訓練全て終了で個人の練習も禁止! 絶対にやめて!」
「普段は絶対に言わないけど,リーダー命令」
「もう皆それぞれ明日に備えて体調を整えるだけでいいから」
恭子がそう言い訓練を終了した。確かにこういう時に限って怪我とかするものだ。
リーダーの命令を俺達は聞くことにした。
寮にそのまま戻る事にした。
「あら? 今日は早いお帰りですね」
「師匠! そうですね,明日大事な日でして,リーダーからの命令で今日は全て休みで明日に備えろと……それでですね……」
「なるほど! では今日の鍛錬はお休みにしましょうか」
「すいません!」
「いえいえ。でも明日頑張ってください」
「はい」
久しぶりにこんな時間に寮に戻ってきた。すると透が机に向かって勉強? としていた。
「あれ? 雄二今日は早いんだな!」
「ああ。リーダー恭子の命令で今日は休めだって」
「珍しいな!」
「ん~まあ明日俺達Antsybalのレベル3戦う事になったんだよ!」
「え? どういう事?」
これまでの経緯を透に説明した。
「なんか大変な事になってたんだな!」
「透こそ何やってたんだよ!?」
「いや! 色々とな勉強を……」
「そういえば,告白したのか??」
「いや! 出来てない」
「なんか会長が倒れてから,授業忙しくなったし,お前らはお前らで放課後練習したりして忙しそうだし,なんかタイミングを見失った」
「そんな事言ったら,いつまでも告白出来ないじゃん!」
「そうなんだけどさ……」
「まあ分からなくもないけどさ」
「いつ頃告白した方がいいと思う?」
「俺に聞く?」
「雄二は同じチームだし,チーム事情とか分かるだろうから,いつだったらタイミング的にいいかな? と!!」
「恭子も今は練習と訓練とで頭がいっぱいだと思うよなやっぱり。俺達が上手くいったとして,財前を殺した変異種を倒したいと思って作戦に選ばれる為に今は頑張ってるから,その作戦が終わった頃が丁度いいんじゃないかな? 選ばれなくても選ばてもいいタイミングだと思う」
「え? 変異種生きてたの?」
「そうなんだよね! 俺達が調査していた時に見つけた巣にいたんだよ。それで俺達は俺達で殲滅させてほしいって先生と大佐に言ったんだ。だけど条件付きで条件をクリアすれば作戦に加えてくてるって話になって,今練習とか訓練頑張っているんだよ」
「だからお前達だけ,何故か妙に気合入ってるのか!」
「そういう事だから! 作戦が終わった事がいいんじゃないかな?」
「次は絶対に告白しろよ??」
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俺自身,明日のことで緊張していたけど,透と話すことでいつの間にか忘れていた。
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