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09 次期聖女の選出
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そうして、大神殿に来てから四年が過ぎ、私が十四歳になったとき現聖女様が引退を表明なさった。
現聖女様は二十五歳を迎え、魔力の衰えと婚姻のためと理由を話された。
それから大神殿で聖女候補者から次期聖女の選定が行われた。
私を入れて約十数名が女神様に祈りを捧げる儀式をして大神殿にある聖なる女神像に触れていく。
そもそも女神像による魔力の測定は年齢が上がるにつれて祝福の光が少なくなる者と多くなる者がいるので何度かされるようになっている。
どうやら私は増える方だったようで今いる聖女候補の中で一番光ったみたいだった。というか他の人は余り光らなかった。全く光らない人もいたけど良いのかな。
女神様の祝福を受けて大神殿の礼拝室が光に包まれる。マルクトでは神殿自体を光らせていたので別にどうとも思わなかった。
歓声が上がるけど他の聖女候補者は苦々しい表情をしていた。
「どうやら次期聖女はあなたね」
現聖女様が嬉しそうに声をあげた。
聖女様と直接お話することはこれが初めてなので何を話していいのか分からず、もじもじしてしまった。
聖女様は高位令嬢と話を聞いていたが、他の聖女見習いみたいに私を蔑むようなことはなかった。
あとでテオ君に聖女様のことを話してあげた。一般の人達は聖女様を好きなのよね。やっぱり女神様の祝福がある聖女様は違うのだと尊敬の念が湧いた。
その美しい聖女様が残念そうな表情をされていた。
「私ももう少し頑張りたかったのだけど……、婚約者が待てないみたいなの」
そうしてぽっと頬を染める聖女様の姿はとても可愛らしく。
私は胸の前でぎゅっと両手を握り締めた。
「私ではまだまだ未熟ですが、聖女様の後を継いで立派に務めさせていただきます」
「ふふ。頼んだわよ」
美人で公爵令嬢の聖女様はご自身のご結婚の準備をされながら私にいろいろとご指導と引継ぎをしてくださった。聖女様も十五歳で聖女に選ばれ十年間頑張られてきたのだ。
正直覚えることがたくさんあって大変だったけど、テオ君や聖女様に励まされてなんとか大結界の秘儀を習得することが出来た。
大結界の仕組みが難解過ぎて覚えるのに本当に苦労した。
メモを取ろうとしたけど口伝だからダメだって。
他の候補者達も一応結界の仕組みや呪文は教えられるみたい。
聖女一人では到底大結界を維持できないからだ。
一応聖女補佐の人達もそれぞれ補佐の方から引継ぎを受けていた。
平民聖女の補佐であってもやはり肩書は欲しいらしく、誰も補佐を辞退する人はいなかった。
その中で女神様の像を殆ど光らせなかった子までも補佐の一人となっていた。
彼女も高位貴族のご令嬢だった。サマンサ様と言って公爵家とか侯爵家とかだったような気がする。
ある日、彼女は私を憎々し気に睨みつけて宣言した。
「平民が聖女となんて認めないわ! いずれは……。それまで補佐の地位で我慢いたしますけど私があなたの下で補佐するなんて絶対ありませんからね!」
それに他の聖女補佐や聖女見習いも大きく肯いていた。
……まあ、今までだって一人だったから自分でできるとは思うけどそれぞれの持ち場での役割は果たして欲しいな。
現聖女様は二十五歳を迎え、魔力の衰えと婚姻のためと理由を話された。
それから大神殿で聖女候補者から次期聖女の選定が行われた。
私を入れて約十数名が女神様に祈りを捧げる儀式をして大神殿にある聖なる女神像に触れていく。
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どうやら私は増える方だったようで今いる聖女候補の中で一番光ったみたいだった。というか他の人は余り光らなかった。全く光らない人もいたけど良いのかな。
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「どうやら次期聖女はあなたね」
現聖女様が嬉しそうに声をあげた。
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聖女様は高位令嬢と話を聞いていたが、他の聖女見習いみたいに私を蔑むようなことはなかった。
あとでテオ君に聖女様のことを話してあげた。一般の人達は聖女様を好きなのよね。やっぱり女神様の祝福がある聖女様は違うのだと尊敬の念が湧いた。
その美しい聖女様が残念そうな表情をされていた。
「私ももう少し頑張りたかったのだけど……、婚約者が待てないみたいなの」
そうしてぽっと頬を染める聖女様の姿はとても可愛らしく。
私は胸の前でぎゅっと両手を握り締めた。
「私ではまだまだ未熟ですが、聖女様の後を継いで立派に務めさせていただきます」
「ふふ。頼んだわよ」
美人で公爵令嬢の聖女様はご自身のご結婚の準備をされながら私にいろいろとご指導と引継ぎをしてくださった。聖女様も十五歳で聖女に選ばれ十年間頑張られてきたのだ。
正直覚えることがたくさんあって大変だったけど、テオ君や聖女様に励まされてなんとか大結界の秘儀を習得することが出来た。
大結界の仕組みが難解過ぎて覚えるのに本当に苦労した。
メモを取ろうとしたけど口伝だからダメだって。
他の候補者達も一応結界の仕組みや呪文は教えられるみたい。
聖女一人では到底大結界を維持できないからだ。
一応聖女補佐の人達もそれぞれ補佐の方から引継ぎを受けていた。
平民聖女の補佐であってもやはり肩書は欲しいらしく、誰も補佐を辞退する人はいなかった。
その中で女神様の像を殆ど光らせなかった子までも補佐の一人となっていた。
彼女も高位貴族のご令嬢だった。サマンサ様と言って公爵家とか侯爵家とかだったような気がする。
ある日、彼女は私を憎々し気に睨みつけて宣言した。
「平民が聖女となんて認めないわ! いずれは……。それまで補佐の地位で我慢いたしますけど私があなたの下で補佐するなんて絶対ありませんからね!」
それに他の聖女補佐や聖女見習いも大きく肯いていた。
……まあ、今までだって一人だったから自分でできるとは思うけどそれぞれの持ち場での役割は果たして欲しいな。
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