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13 婚約破棄からの国外追放
ミレニア王国では今はもう大結界を張る技術は廃れてしまったけど、維持する術は歴代の聖女の力によって受け継がれていた。
毎日祈って決められた儀式をしていたら結界の綻びは少々の修復で済みます。
結界が全壊して最初から張るとなったら大変なことになのです。
こんな一国全土を覆う規模の大結界を張ることなど今の技術ではできません。
だから聖女の私だけでなく聖女を補佐する聖女見習いの方々もたくさん必要とされています。
全員、聖女の資格ありと神殿から認められた方で、聖女と呼ばれるのは一人だけど補佐する聖女見習いはそれなりにいなければなりません。
それは現聖女に何かあれば直ぐ代役が立てられるようにするためでもありました。
「じゃあ。代わりの方は決められたのでしょうか?」
ヘンリー王太子様は待っていましたとばかりに大きく肯かれました。
「もちろんだ。公爵令嬢のサマンサが次の聖女に決まっている」
「サマンサ様?」
確か彼女は聖女候補の末席にいらしたのを覚えています。力によって順番がある程度決められていたけど次席の方ではないのですね。大丈夫でしょうか?
それにサマンサ様は私によく話しかけてくださるのだ。
聖女に選ばれたときに話しかけてくれたのもサマンサ様だった。
でも祈りの最中とか儀式中に話しかけてくるので正直よく聞き取れなくて何を言っているのか分からない。
だけど私のような平民に話しかけてくださるだけでも良い方と思っていた。
大概の方は平民で聖女となった私を無視されているからね。
「そうだ。お前のような平民ではない。彼女は高貴な貴族令嬢で聖女として私の婚約者としても相応しいのだ!」
「ではサマンサ様に結界の引継ぎをいたします」
「はあ? 引継ぐことなどないだろう? ただ祈っているだけなのに」
「ええと……。まあ、そうですね」
サマンサ様なら結界を維持する口伝の呪文もご伝授もされているでしょう。私は未成年だったので引継ぎに一年かかりましたが、サマンサ様ももう未成年ではないのでそれくらいは習っているはずです。
他の聖女見習いの方々もいますし、お互いに支え合ってくださるでしょう。
私のときよりか見習いの方と仲良くされていますし。
そもそも私一人だけではとてもこの大結界の維持はできないので、聖女見習いの方々も割り当てられたところで祈りを捧げているのです。
今回も私の割り当てを変えればいいだけですよね!
「ああ、それにお前は聖女ではないのに聖女として振舞っていた。よって国家を騙した罪として国外追放とする!」
「は? あ、あの聖女かどうかを決めるのは私ではなく先ず女神様の水晶で聖女として見込みがあるかどうかの聖別式がありますし、最終は天界の女神様からの光の祝福があって、それから聖女神殿の神殿長様や前聖女様達がお決めになるのですが……」
鼻息の荒いヘンリー王太子様に私はご説明しましたが、聞いてくださる様子はありません。
「ええい。煩い! お前はさっさと出て行ったらよいのだ。平民のくせに王太子である私を煩わせるな!」
私も眠くてぼんやりした頭でしたが、出て行っていいとのお言葉がはっきり分かりましたので私は背筋を伸ばして返事をしました。
「はい。分かりました。では早速出ていきます!」
「嫌だというなら国外追……。そ、そうか、素直に従うなら永久追放の処罰は許してやろう。だが、ほとぼりが冷めるまでこの国からは出ていくがよい。国境まではそいつに送らせよう。必ずこいつを国外へ送り出せ!」
王太子様の指示により兵士の一人が進み出てきた。
鎧兜なのでお顔ははっきりと分かりません。私は素直にその方に従った。
「まあ、なんだ。私も慈悲深い王家の者として、少しは手切れ金として恵んでやろうじゃないか」
そう言ってヘンリー王太子様は私に小袋を寄こした。中から貨幣の音がしたので私は有難くそれを受け取った。
王太子様から下賜されるものを拒んではいけません。それこそ国家に反逆するものとみなされます。
あとでテオ君のブレスレットに収納しましょう。
「では、参りましょう」
兵士に先導されて私は歩き出したところでお願いした。
「あの、王都を出る前にあまりありませんが神殿にある私物を取りにいきたいのです。よろしいでしょうか?」
正直、着の身着のままですから何かに着替えたいです。
略装とは言え大結界へ祈りを捧げていたところでしたので聖女の祭司服のままなのです。
司祭服は神殿からの支給品なので貸与品ですから辞めるときは返さないといけません。
「神殿ですね。分かりました。私は近衛騎士団副隊長のパーシーと申します」
「よろしくお願いします。パーシーさん。私はミリアです」
そして二人で神殿に向かいました。
毎日祈って決められた儀式をしていたら結界の綻びは少々の修復で済みます。
結界が全壊して最初から張るとなったら大変なことになのです。
こんな一国全土を覆う規模の大結界を張ることなど今の技術ではできません。
だから聖女の私だけでなく聖女を補佐する聖女見習いの方々もたくさん必要とされています。
全員、聖女の資格ありと神殿から認められた方で、聖女と呼ばれるのは一人だけど補佐する聖女見習いはそれなりにいなければなりません。
それは現聖女に何かあれば直ぐ代役が立てられるようにするためでもありました。
「じゃあ。代わりの方は決められたのでしょうか?」
ヘンリー王太子様は待っていましたとばかりに大きく肯かれました。
「もちろんだ。公爵令嬢のサマンサが次の聖女に決まっている」
「サマンサ様?」
確か彼女は聖女候補の末席にいらしたのを覚えています。力によって順番がある程度決められていたけど次席の方ではないのですね。大丈夫でしょうか?
それにサマンサ様は私によく話しかけてくださるのだ。
聖女に選ばれたときに話しかけてくれたのもサマンサ様だった。
でも祈りの最中とか儀式中に話しかけてくるので正直よく聞き取れなくて何を言っているのか分からない。
だけど私のような平民に話しかけてくださるだけでも良い方と思っていた。
大概の方は平民で聖女となった私を無視されているからね。
「そうだ。お前のような平民ではない。彼女は高貴な貴族令嬢で聖女として私の婚約者としても相応しいのだ!」
「ではサマンサ様に結界の引継ぎをいたします」
「はあ? 引継ぐことなどないだろう? ただ祈っているだけなのに」
「ええと……。まあ、そうですね」
サマンサ様なら結界を維持する口伝の呪文もご伝授もされているでしょう。私は未成年だったので引継ぎに一年かかりましたが、サマンサ様ももう未成年ではないのでそれくらいは習っているはずです。
他の聖女見習いの方々もいますし、お互いに支え合ってくださるでしょう。
私のときよりか見習いの方と仲良くされていますし。
そもそも私一人だけではとてもこの大結界の維持はできないので、聖女見習いの方々も割り当てられたところで祈りを捧げているのです。
今回も私の割り当てを変えればいいだけですよね!
「ああ、それにお前は聖女ではないのに聖女として振舞っていた。よって国家を騙した罪として国外追放とする!」
「は? あ、あの聖女かどうかを決めるのは私ではなく先ず女神様の水晶で聖女として見込みがあるかどうかの聖別式がありますし、最終は天界の女神様からの光の祝福があって、それから聖女神殿の神殿長様や前聖女様達がお決めになるのですが……」
鼻息の荒いヘンリー王太子様に私はご説明しましたが、聞いてくださる様子はありません。
「ええい。煩い! お前はさっさと出て行ったらよいのだ。平民のくせに王太子である私を煩わせるな!」
私も眠くてぼんやりした頭でしたが、出て行っていいとのお言葉がはっきり分かりましたので私は背筋を伸ばして返事をしました。
「はい。分かりました。では早速出ていきます!」
「嫌だというなら国外追……。そ、そうか、素直に従うなら永久追放の処罰は許してやろう。だが、ほとぼりが冷めるまでこの国からは出ていくがよい。国境まではそいつに送らせよう。必ずこいつを国外へ送り出せ!」
王太子様の指示により兵士の一人が進み出てきた。
鎧兜なのでお顔ははっきりと分かりません。私は素直にその方に従った。
「まあ、なんだ。私も慈悲深い王家の者として、少しは手切れ金として恵んでやろうじゃないか」
そう言ってヘンリー王太子様は私に小袋を寄こした。中から貨幣の音がしたので私は有難くそれを受け取った。
王太子様から下賜されるものを拒んではいけません。それこそ国家に反逆するものとみなされます。
あとでテオ君のブレスレットに収納しましょう。
「では、参りましょう」
兵士に先導されて私は歩き出したところでお願いした。
「あの、王都を出る前にあまりありませんが神殿にある私物を取りにいきたいのです。よろしいでしょうか?」
正直、着の身着のままですから何かに着替えたいです。
略装とは言え大結界へ祈りを捧げていたところでしたので聖女の祭司服のままなのです。
司祭服は神殿からの支給品なので貸与品ですから辞めるときは返さないといけません。
「神殿ですね。分かりました。私は近衛騎士団副隊長のパーシーと申します」
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