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23 追放後の新聖女のお披露目とモンスター襲来(他視点)
その始まりは密やかだった。
ミリアが王太子によって追放され、国外に出た瞬間、大結界への魔力の供給は止まってしまった。そして、大結界の綻びを直せる者もいなくなり、ゆっくりとミレニア王国を守護していた大結界は朽ちていった。
それにいち早く気がついたのはミレニア王国の結界周辺にいたモンスター達だった。
ミレニア王国の結界の末端の国境付近のとある村ではモンスターに襲撃されていた。
「ひぃぃ。こんな時期にレッドベアーが襲ってくるなんて!」
「いつもなら村の境界から入って来られないのに!」
最初は家畜から、次には人間へと被害は拡大していった。逃げ惑う人々に容赦なくモンスター達は襲いかかっていった。
「お母ちゃん!」
「あんた!」
「誰か助けてくれ!」
まず、警備兵のいない、冒険者ギルドもない末端の村々がモンスター達の襲来によって次々と消えていった。
ミレニア王国は古の偉大なる聖女の大結界によって守られていたため国を守護する兵士は必要最低限しかいなかった。だからモンスター達の襲来になすすべもなかった。
せめて冒険者ギルドでもあればそこで集う人々の力を借りることも出来たのだが、傲慢なミレニア王国の者達は大結界を盾にし、ギルドを維持する金を払いたくないために冒険者など不要だと受け入れなかったのだ。
その頃サマンサがミレニア王国の大神殿で王国内外に新聖女としてお披露目の式をしていた。
「新聖女様! 万歳!」
「今度の聖女様は前々回と同じ高位貴族のご令嬢だって! 綺麗だねぇ」
「ほら、見て! 綺麗な衣装がキラキラ光っている」
サマンサは誇らしげに大神殿のバルコニーから姿を見せていた。ヘンリー王太子はサマンサの隣に並びその様子にとても満足していた。
「わたくしはこのミレニア王国の公爵令嬢で新聖女のサマンサです。どうぞ皆様よろしくね」
「見よ。サマンサ。この歓声を。素晴らしいものじゃないか」
「うふふ。そうですわね。ヘンリー様。あんな平民の聖女なんてお呼びじゃなかったのです。この高位令嬢であるわたくしこそが真の聖女だったのですわ。今度こそわたくしが正しく国を導いて参ります!」
サマンサが手を振ると歓声が上がり、二人の自尊心を大きく満足させられるものだった。その時が彼らの幸せの絶頂ともいえた。
その歓声の裏側で……、モンスター達の襲来で殺戮され、怯える人々の悲鳴はまだここまで届いていなかった。
ミレニア王国の国境から守護の大結界が消え、モンスター達の襲来を受けて端々の村から滅ぼされている中、地方都市のマルクトでは神殿が最後の砦のようにモンスター達から守られていた。残念ながら逃げ遅れた者もいたが、街の多くの人々がそこに集まって難を逃れていた。
「これは……、聖女様、女神様の祝福の光がこの神殿を守ってくれていますね。しかし、ヘンリー王太子はミリアを追放し、新聖女には女神の祝福が無いものを据えるなんて一体なんということをしてしまったのだ」
僅かに光輝くものがマルクトの神殿を覆っていた。それがモンスター達の侵入を阻んでいたのだった。
「ミリアはどうしているんだろうね。神官様」
「無事なのを祈りましょう。我々もどうなるか分かりません……」
そうしてジョイやマルクトの他の聖女見習い達が一心に女神様に祈りを捧げるとミリアほどではないが僅かながら天空からマルクト神殿へ光が降り注いだ。
それに恐れをなしてモンスター達は次第にマルクトの街から去っていった。
一方、国内外にお披露目を終えて満足したヘンリー王太子は隣の王宮に戻り、サマンサは大神殿の女神の間で豪華な司祭服を身に着けて座っていた。
本来ならこの部屋は大結界に祈りを捧げることに使用されるところであった。だがサマンサは女神様に祈りなどしたことは無かった。これからもすることはないだろう。
自ら特注で仕立て上げた司祭服の正装を誇らしげに纏い他の聖女見習いに自慢して見せていた。それは本来の司祭服の正装に様々な宝石をあしらい豪華にしたものだった。
「これこそ聖女に相応しい服装よね。うふふ。あんな平民のみすぼらしい子なんてお呼びじゃないの」
「そうですわ。お美しいサマンサ様こそ聖女に相応しいのです。あのような平民を聖女に選ぶなんて」
衣装やサマンサを褒め称える見習い達にサマンサは満足しながら周囲を眺めていた。すると大神殿の広場の方から地鳴りのような音と叫び声が聞こえてきた。
「何なの? もしかして新聖女の私を祝う民人の喜びの声かしら?」
「きっとそうでしょう。少し見て参りますね」
そう言って、いそいそと聖女見習いが扉を開けると聞こえてきたのは、
『聖女様! お助けください! モンスターが襲ってきます!』
『私はモンスターに襲われて怪我をしました。治してください!』
『聖女様! 助けて! 痛いよう』
口々にそんなことを叫びながら傷だらけの人々が広場に押し寄せて来ていたのだった。
「な、何なの!? あの汚らしい人達は! 血まみれじゃないの。あのような身なりで聖女に近づくなんて不敬だわ」
「サマンサ様。危険です。王宮へ逃げましょう!」
「どうして逃げないといけないのよ? 私はこの大神殿の聖女なのよ!」
しかし怒涛の叫び声を上げながら押し寄せてくる人々に恐れをなしたサマンサは他の聖女見習い達と大神殿の抜け道から隣にある王宮へと逃れたのであった。
王宮にも各地のモンスター達の襲来の知らせが次々と届いていた。
ミレニア王国の玉座の間で王族や高位貴族が集まっていた。サマンサもなんとかそこに逃れてきていたが、まだ半信半疑であった。
「わたくしこそが聖女なのよ。こんなことは許されることじゃないわ」
ぶつぶつと不平を言っていた。だが、そこで改めてミレニア王国へのモンスター達の襲来を知らされたのだ。
もはや城下にまでモンスターは迫ってきており、その獰猛なモンスター達の咆哮や逃げ惑う人々の叫び声が王宮内部まで響き渡っていた。
最早疑う段階ではなくなっていた。そして、王宮や大神殿の内部までモンスターが押し入ってくるのも時間の問題だと思われた。
「ええい! 兵士達は何をやっておる!」
ヘンリー王太子が苛々と歩き回って指示をするが、
「それがモンスター達が次々と襲ってきて対応しようにも兵士達が足りません!」
「無能者めが!」
跪いて報告した兵士をヘンリー王太子が足蹴りをした。玉座に座る王と王妃は頭を抱えて唸っていた。
「聖女さえいれば……」
ヘンリー王太子は王のその言葉に増々苛立たしさを露わにしてサマンサを見つけると怒鳴りつけた。
「聖女はサマンサだ! さっさと守護結界を張り直せ!」
「で、ですが、私には魔力は……」
「うるさい! さっさとやらないか! あの平民のミリアでさえ、居眠りしながら出来ていたのだ! そなたのような高位貴族ができなくてどうするのだ!」
「……出来ません。今まで大結界の維持の祈りなんてやったことなどないもの」
「なんだと!? 今更何を言うのだ。……仕方が無い、前々の聖女の方にお願いしよう」
「それも無理です! 聖女は清らかな乙女しか祈りの魔力が通りません」
そこに大神殿から逃れて来た神殿長が慌てて叫んでいた。
神殿長や新聖女は大神殿に押し寄せる人々やモンスター達から一番に逃げ出していたのだ。
「神殿長、お前は……」
「どうか、ミリアをお探しください。ミリアしかこの事態を救うことはできません!」
「あの平民がか?!」
「お恥ずかしいことに調査いたしましたら、聖女の資格があったのは当代ではミリアのみなのです」
「馬鹿な。あの平民が? 他にも見習いがたくさんいたではないか」
汗を拭きながら神殿長は続けた。
「……実は聖女になるには清らかな乙女という絶対条件があります。それに女神様の祝福に魔力の多さではミリアは歴代聖女を上回るものでした。彼女が一人であの大結界を維持し、癒しの技まで使えておりました。まさにミリアは古の聖女の如き……」
「……なんだと?」
愕然として黙り込む王太子達に神殿長は訴えた。
「ミリアこそ聖女でした! いいえ、偉大なる女神様の遣わした真の聖女様であります。早急にミリアを探して連れ戻すことを提案いたします」
「あの平民が一人でだと……」
ヘンリー王太子は認めたくなかったが、城下に響いてくる人々の叫び声やモンスター達の咆哮から逃れるためには信じるしかないと思い始めた。だが時すでに遅い――、
「だが、あの平民を追放してから日にちが経ち過ぎているぞ。平民が結界を維持していたには……」
「それには彼がお答えできます」
そうして神殿長が呼びだしたのは以前王太子がミリアを追放した際に見届け役として付けていた兵士だった。流石にヘンリー王太子も彼を覚えていた。
「お前か……」
「はっ。ミリア様のことをお話しろと御前に呼ばれました」
「よい、話せ」
「はい。ミリア様が国外に出られるまでお話下さったのは――」
ミリアが王太子によって追放され、国外に出た瞬間、大結界への魔力の供給は止まってしまった。そして、大結界の綻びを直せる者もいなくなり、ゆっくりとミレニア王国を守護していた大結界は朽ちていった。
それにいち早く気がついたのはミレニア王国の結界周辺にいたモンスター達だった。
ミレニア王国の結界の末端の国境付近のとある村ではモンスターに襲撃されていた。
「ひぃぃ。こんな時期にレッドベアーが襲ってくるなんて!」
「いつもなら村の境界から入って来られないのに!」
最初は家畜から、次には人間へと被害は拡大していった。逃げ惑う人々に容赦なくモンスター達は襲いかかっていった。
「お母ちゃん!」
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「誰か助けてくれ!」
まず、警備兵のいない、冒険者ギルドもない末端の村々がモンスター達の襲来によって次々と消えていった。
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せめて冒険者ギルドでもあればそこで集う人々の力を借りることも出来たのだが、傲慢なミレニア王国の者達は大結界を盾にし、ギルドを維持する金を払いたくないために冒険者など不要だと受け入れなかったのだ。
その頃サマンサがミレニア王国の大神殿で王国内外に新聖女としてお披露目の式をしていた。
「新聖女様! 万歳!」
「今度の聖女様は前々回と同じ高位貴族のご令嬢だって! 綺麗だねぇ」
「ほら、見て! 綺麗な衣装がキラキラ光っている」
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「わたくしはこのミレニア王国の公爵令嬢で新聖女のサマンサです。どうぞ皆様よろしくね」
「見よ。サマンサ。この歓声を。素晴らしいものじゃないか」
「うふふ。そうですわね。ヘンリー様。あんな平民の聖女なんてお呼びじゃなかったのです。この高位令嬢であるわたくしこそが真の聖女だったのですわ。今度こそわたくしが正しく国を導いて参ります!」
サマンサが手を振ると歓声が上がり、二人の自尊心を大きく満足させられるものだった。その時が彼らの幸せの絶頂ともいえた。
その歓声の裏側で……、モンスター達の襲来で殺戮され、怯える人々の悲鳴はまだここまで届いていなかった。
ミレニア王国の国境から守護の大結界が消え、モンスター達の襲来を受けて端々の村から滅ぼされている中、地方都市のマルクトでは神殿が最後の砦のようにモンスター達から守られていた。残念ながら逃げ遅れた者もいたが、街の多くの人々がそこに集まって難を逃れていた。
「これは……、聖女様、女神様の祝福の光がこの神殿を守ってくれていますね。しかし、ヘンリー王太子はミリアを追放し、新聖女には女神の祝福が無いものを据えるなんて一体なんということをしてしまったのだ」
僅かに光輝くものがマルクトの神殿を覆っていた。それがモンスター達の侵入を阻んでいたのだった。
「ミリアはどうしているんだろうね。神官様」
「無事なのを祈りましょう。我々もどうなるか分かりません……」
そうしてジョイやマルクトの他の聖女見習い達が一心に女神様に祈りを捧げるとミリアほどではないが僅かながら天空からマルクト神殿へ光が降り注いだ。
それに恐れをなしてモンスター達は次第にマルクトの街から去っていった。
一方、国内外にお披露目を終えて満足したヘンリー王太子は隣の王宮に戻り、サマンサは大神殿の女神の間で豪華な司祭服を身に着けて座っていた。
本来ならこの部屋は大結界に祈りを捧げることに使用されるところであった。だがサマンサは女神様に祈りなどしたことは無かった。これからもすることはないだろう。
自ら特注で仕立て上げた司祭服の正装を誇らしげに纏い他の聖女見習いに自慢して見せていた。それは本来の司祭服の正装に様々な宝石をあしらい豪華にしたものだった。
「これこそ聖女に相応しい服装よね。うふふ。あんな平民のみすぼらしい子なんてお呼びじゃないの」
「そうですわ。お美しいサマンサ様こそ聖女に相応しいのです。あのような平民を聖女に選ぶなんて」
衣装やサマンサを褒め称える見習い達にサマンサは満足しながら周囲を眺めていた。すると大神殿の広場の方から地鳴りのような音と叫び声が聞こえてきた。
「何なの? もしかして新聖女の私を祝う民人の喜びの声かしら?」
「きっとそうでしょう。少し見て参りますね」
そう言って、いそいそと聖女見習いが扉を開けると聞こえてきたのは、
『聖女様! お助けください! モンスターが襲ってきます!』
『私はモンスターに襲われて怪我をしました。治してください!』
『聖女様! 助けて! 痛いよう』
口々にそんなことを叫びながら傷だらけの人々が広場に押し寄せて来ていたのだった。
「な、何なの!? あの汚らしい人達は! 血まみれじゃないの。あのような身なりで聖女に近づくなんて不敬だわ」
「サマンサ様。危険です。王宮へ逃げましょう!」
「どうして逃げないといけないのよ? 私はこの大神殿の聖女なのよ!」
しかし怒涛の叫び声を上げながら押し寄せてくる人々に恐れをなしたサマンサは他の聖女見習い達と大神殿の抜け道から隣にある王宮へと逃れたのであった。
王宮にも各地のモンスター達の襲来の知らせが次々と届いていた。
ミレニア王国の玉座の間で王族や高位貴族が集まっていた。サマンサもなんとかそこに逃れてきていたが、まだ半信半疑であった。
「わたくしこそが聖女なのよ。こんなことは許されることじゃないわ」
ぶつぶつと不平を言っていた。だが、そこで改めてミレニア王国へのモンスター達の襲来を知らされたのだ。
もはや城下にまでモンスターは迫ってきており、その獰猛なモンスター達の咆哮や逃げ惑う人々の叫び声が王宮内部まで響き渡っていた。
最早疑う段階ではなくなっていた。そして、王宮や大神殿の内部までモンスターが押し入ってくるのも時間の問題だと思われた。
「ええい! 兵士達は何をやっておる!」
ヘンリー王太子が苛々と歩き回って指示をするが、
「それがモンスター達が次々と襲ってきて対応しようにも兵士達が足りません!」
「無能者めが!」
跪いて報告した兵士をヘンリー王太子が足蹴りをした。玉座に座る王と王妃は頭を抱えて唸っていた。
「聖女さえいれば……」
ヘンリー王太子は王のその言葉に増々苛立たしさを露わにしてサマンサを見つけると怒鳴りつけた。
「聖女はサマンサだ! さっさと守護結界を張り直せ!」
「で、ですが、私には魔力は……」
「うるさい! さっさとやらないか! あの平民のミリアでさえ、居眠りしながら出来ていたのだ! そなたのような高位貴族ができなくてどうするのだ!」
「……出来ません。今まで大結界の維持の祈りなんてやったことなどないもの」
「なんだと!? 今更何を言うのだ。……仕方が無い、前々の聖女の方にお願いしよう」
「それも無理です! 聖女は清らかな乙女しか祈りの魔力が通りません」
そこに大神殿から逃れて来た神殿長が慌てて叫んでいた。
神殿長や新聖女は大神殿に押し寄せる人々やモンスター達から一番に逃げ出していたのだ。
「神殿長、お前は……」
「どうか、ミリアをお探しください。ミリアしかこの事態を救うことはできません!」
「あの平民がか?!」
「お恥ずかしいことに調査いたしましたら、聖女の資格があったのは当代ではミリアのみなのです」
「馬鹿な。あの平民が? 他にも見習いがたくさんいたではないか」
汗を拭きながら神殿長は続けた。
「……実は聖女になるには清らかな乙女という絶対条件があります。それに女神様の祝福に魔力の多さではミリアは歴代聖女を上回るものでした。彼女が一人であの大結界を維持し、癒しの技まで使えておりました。まさにミリアは古の聖女の如き……」
「……なんだと?」
愕然として黙り込む王太子達に神殿長は訴えた。
「ミリアこそ聖女でした! いいえ、偉大なる女神様の遣わした真の聖女様であります。早急にミリアを探して連れ戻すことを提案いたします」
「あの平民が一人でだと……」
ヘンリー王太子は認めたくなかったが、城下に響いてくる人々の叫び声やモンスター達の咆哮から逃れるためには信じるしかないと思い始めた。だが時すでに遅い――、
「だが、あの平民を追放してから日にちが経ち過ぎているぞ。平民が結界を維持していたには……」
「それには彼がお答えできます」
そうして神殿長が呼びだしたのは以前王太子がミリアを追放した際に見届け役として付けていた兵士だった。流石にヘンリー王太子も彼を覚えていた。
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